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これは魔法の書です。  作者: わおん
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母が帰って来た事に気付き、


恐竜の赤ちゃんが、


2匹並んで、巣穴から出てきた。



そして、気付く・・・


『あっ・・・!』



エサを与える場合、


毎回、母が先に、食べる必要があるのか・・・?



母が食べ、タロが食べ、


その後、赤ちゃんに与える。



これにより、赤ちゃんに、自分の立場を教える。



育てられている事を、理解させる。



これが出来ないと、家族には成れない。



『赤ちゃんは、1日に何回食べる・・・?』



その時、母とタロも、毎回、肉を食べる・・・?


父と祖母は・・・?



『仕方が無い・・・』



今回は、母には、干し肉を食べてもらい、


タロにも少量の生肉を、食べてもらった。



その光景を、赤ちゃんに見せ、



そして、その後、母が、赤ちゃんに肉を与える。



しかし、地面に投げると、2匹がケンカをする。


肉を2つ投げても、ケンカを始めるのだ。



その為、


赤ちゃんの前に、細切り肉をぶら下げ、


それに食らい付かせる。



この方法でないと、母の指が噛まれてしまうのだ。



一方、その頃、父と祖母は、


牛の柵から、少し離れた森の中で、


住居を建てていた。



以前、縄文式住居の作り方を、


僕の知る範囲で教えたが、



我々は、縄文人では無い。


野生動物に、襲撃される事は無いのだ。



その為、見晴らしの良い平地に、


住居を建てるよりも、



森の中で、


立ち枯れの木々を柱として、


そのまま使った方が、


丈夫な住居が、建てられるのだ。



祖母は、以前、


牛の柵を作った時に、


その事に気付き、


頭の中で、何度も試行錯誤をしていた。



そして、この場所に、定住すると決まった事で、


それを作り始めたのだ。



『では、僕は、どうする・・・?』


『我々山脈の苗木の成長を行う・・・』



『それが僕の仕事だ・・・』



しかし、



『恐竜の赤ちゃんが気に成る・・・』


『これでは、仕事が進まない・・・』


『先に、赤ちゃんの問題を解決しないと・・・』


『エサの適量を調べる・・・』



などと、考え、


僕は、牛の大地に向かった。



言い訳を考え、自分を納得させ、


行動する。



つまり、僕は、仕事をサボった訳である。



牛の大地で、恐竜を探す。


まず、恐竜池に行ってみた。



しかし・・・


3頭の恐竜はいるが、


卵も赤ちゃんも、見当たらない・・・



『なぜ・・・?』


『3頭は兄弟なのか・・・?』


『だから、子供が居ないのか・・・?』



その様な事を考えながら、


周囲を観察・・・



『卵のカラも無い・・・』



牛の大地でも、恐竜と、サーベルタイガーは、


珍しい存在である。



『絶滅寸前・・・?』



生前、強い動物は、繁殖力が弱いと聞いた事がある。



もし、最強生物の、繁殖力が、強かった場合、


その生物が、他の動物を食べ尽くし、



その後、共食いを行い、


最終的には、動物が絶滅するからだ。



しかし、その説には、疑問があった。



『では、トラは・・・?』



子供を増やすと、


周囲の動物が説滅すると知っているのか・・・?



それを理解して、繁殖を減らしているのか・・・?



と考えた場合、


そんな訳が無い。



では、なぜ、強い動物は、繁殖力が弱いのか・・・?


などと、考えながら、


場所を移動して、他の恐竜を探す。



なぜか、恐竜は、3頭でいる。



『これで4組目・・・』


『4組共、全て同種・・・』



『他の恐竜は居ない・・・?』



『過去に絶滅している・・・?』



『この恐竜は、恐竜時代の生き残り・・・?』



『なぜ・・・?』



『どうして、この種類だけが生き残った・・・?』



恐竜を観察する・・・



2足歩行、頭から、足までの長さが、


160cm位、


尻尾が、細く長い。



毎回、3組で居る・・・



そこで、不安を感じる・・・



『と言う事は・・・』


『この種族は・・・』


『将来、3頭必要なのでは・・・?』



『我々の赤ちゃんは、1匹足りない・・・』



しかし、



『なぜ、3頭なのか・・・?』


『兄弟なのか・・・?』



『夫婦なのか・・・?』



『その場合、オスは1頭なのか・・・?』


『2頭なのか・・・?』



以前、枯れた大地にも、恐竜がいた。



奇跡的に、津波を生き延びた様であった。



その恐竜は、狼に喰らい付き、


それを引きずり、歩いて行った。



僕は、その出来事を思い出し考えた・・・


恐竜は強い・・・



『我々と共存出来るのか・・・?』


『恐竜の赤ちゃんなど、育てても良いのか・・・?』



冷静に考える。



僕の仕事は、我々山脈の復活である。



『家族が生きて行く上で、必要だ・・・』



『自然の恵みが必要なのだ・・・』



しかし・・・



恐竜の赤ちゃんに関しては、責任を感じるが、


恐竜の赤ちゃんが死んでも、困る事は無い・・・



つまり、



大切なのは、恐竜の赤ちゃんよりも、


自然の復活である。



などと、僕は、僕への説得を試してみたが、



『では、本当に、赤ちゃんを殺せるのか・・・?』



というと、


殺せる訳が無かった・・・



答えは出ていた。



赤ちゃんを、育てる為のヒントを、得る為に、


恐竜を探す・・・



僕は、移動を開始した。



そして気付く・・・



もし、卵を発見しても、無意味である。



卵を観察しても、


赤ちゃんの育て方は、解らない。



『なぜ、赤ちゃんが居ない・・・』


『卵も無い・・・』


『なぜ・・・?』



そして気付く・・・



我々の赤ちゃんは、魔法で成長が早まった・・・


『その結果、早く生まれた・・・?』


僕は、考えた。



『おそらく、この恐竜は・・・』


『受精後、胎内で卵が完成する・・・』



『受精細胞が、卵に成長する・・・』


『僕は、それを、魔法で行った・・・?』



『その結果、2つの卵が完成した・・・』



その後、卵を、胸前リュックに入れ守っていた・・・



『その間も、成長魔法の影響を受けていた・・・』



『だから、自然界よりも、早く生まれた・・・?』



つまり・・・



『今、牛の大地を探しても・・・』


『恐竜の赤ちゃんは居ない・・・?』



そして、気付く・・・・



『暖かい地域に行けば・・・?』



この地域よりも、季節が1ヶ月早い地域に行けば、


恐竜の赤ちゃんがいるのでは・・・?



こうして、僕は、南へと向かった。


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