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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、我々山脈上空・・・


母の胸前のミニリュックの中には、


恐竜の赤ちゃんが2匹、


そして、母の横には、


牛の死体が浮かんでいる。



その様な状態で、僕は、山脈に、


水を染み込ませながら、


考え事をしている。



この先の出来事を、考えに考え、


出来る限り安全を選択する。



それが重要だった。



僕が直感を信じて行動したら、


魔法の影響で、何が起こるのか、解らないのだ。



だから考える。



『もし、今、突風が来たら・・・?』



その様な事を、考えても、


来ない可能性もある。



しかし、


先日、山の斜面を補強した結果・・・


土がコンクリートの様に固まった。



その直後、


このままでは、数日後、乾燥によって、


バキバキに割れる・・・



その事に気付いた。



その結果、


大慌てで、土に木クズを染み込ませた。



しかし、それも考えが足りなかった。



その後、木クズが腐るのでは・・・?


水を汚染するのでは・・・?



と不安に成り、



大慌てで、苗木を植えた。



これにより、


土が浄化出来ると信じて・・・



しかし、


それで本当に土が浄化出来るのか・・・?


そんな事は解らない。



そして、今度は、


植え終わった苗木・・・


これらは、台風で飛ぶのでは・・・?


と気付き、



大慌てで、根の成長を行った。



しかし、そんな方法で育てた木が、


本当に大丈夫なのか・・・?



それを心配している。



全ては、直感で行動した結果である。



考える事を止め、


その場の勢いで行動した結果・・・



その後、失敗に気付き・・・



困り果てる・・・



これが現実である。



つまり、考えて行動する必要がある。



考えても、毎回、失敗している・・・


それは、事実である。



しかし、考える事を止めた場合、


今以上に、困った問題を起こしてしまう。



それは、間違いの無い事実であった。



『やってからでは、遅いのだ・・・』



行動する前に、その問題点に気付き、


その対応を考える必要がある。



ところが、


では、その為には、


何を考えれば良いのか・・・?


何を準備すれば良いのか・・・?


それが解らないのだ。



実行すれば、数分後には、気付く問題点・・・


それを実行する前に気付く方法・・・



それが解らないのだ・・・



だから、僕は、空想する。



『今、台風が来たら・・・』


『僕は、何をする・・・?』


『何が困る・・・?』



1度、空中に浮かんでしまうと、


母のバリアは、無意識に維持されるので、



『母は、問題無い・・・』



赤ちゃんは、母の胸前リュックの中に居るので、


母と同じバリアで守られている。



『結果、赤ちゃんも問題無い・・・』


『では、肉は・・・?』



現在、肉は、


母の隣50センチの距離に浮かんでいる。



これも、僕の無意識魔法が維持しているので、


僕が、肉の事など考えずに、


「水やり」や「考え事」をしていても、


落下する事は無い・・・



『では、台風が来たとして・・・』


『僕は、何を後悔する・・・?』


『何の準備不足に気付く・・・?』



ここが困った問題である。



本当に台風が来たら、


その瞬間、



しまった・・・!


「あれ」の準備をして置けば良かった・・・!


と気付く。



しかし、今、考えても、


その肝心な「あれ」が出て来ない。



『この違いは、何なのか・・・?』



どうすれば、


本番と同様「あれ」に気付けるのか・・・?



結局、明確な「あれ」が出て来ないまま、


僕は、我々山脈の苗木を、1本ずつ包み込み、


それを、ズーム機能で見る事を繰り返した。



木の表面は、基本的に茶色い、


そして硬い、



その為、木を無理矢理に成長させると、


その硬い木の、皮が割れる。



それが木にとって、良い事だとは思えない。



その為、僕の成長魔法は、


硬い木を、急成長させる事は出来ない。



しかし、僕が植えたのは、


木の枝の先・・・



まだ、表面が柔らかい、緑色の部分である。



その為、僕が、苗木の、


成長と回復を意識しながら、


見えない手で包み込み、



ズーム機能で見る事で、


苗木は、その影響を受け、



本来よりも、スムーズに成長するハズである。



しかし、これが出来るのは、


1本ずつである。



とても、時間がかかる、


我々山脈全ての苗木・・・



その全てに魔法を送る為には、


1週間以上はかかるだろう・・・



『今、台風が来たら・・・?』


『手遅れ・・・』


『しかし、何もしない訳には行かない・・・』



『では、何をする・・・?』



と考えるが、何も出て来ない。



本当に台風が来たら、


当然の様に気付く事、



『それが出て来ない・・・』


『どうすれば出て来る・・・?』



などと考えながら、


苗木の成長を行う。



ところが・・・


困った事が起きた。



恐竜の赤ちゃんが、


1時間おきに、食べ物を要求して来るのだ。


これには、困った。


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