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これは魔法の書です。  作者: わおん
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恐竜の赤ちゃんの為には、


生肉が必要である・・・



しかし、現在、季節は夏、


肉は短期間で腐る。



その為、僕は、牛1頭分の肉を、


バリアで包んだ・・・



翌朝、それは異様な光景だった。



母の隣、地面から1メートルの所に、


牛の骨付き肉1頭分が、浮かんでいるだ。



肉は、バリアによって包まれているので、


地面に置いても、土は付かない。



しかし、なぜか、宙に浮かんでいる。



そして、母が移動する時には、


母との距離、


50センチを維持しながら移動する。



皮を剥がれ、内臓を抜かれた牛の死体・・・


それが母の隣に、浮かんでいる・・・



父も祖母も、思わず笑う。



ところが、2匹の恐竜の赤ちゃんは、


その肉には、無反応である。



朝、目覚めた赤ちゃんは、


母に、エサを求める。



その50センチ隣には、


肉が浮かんでいるのだ。



ところが、赤ちゃんは、その肉には、


見向きもしない。



『赤ちゃんには、見えていない・・・?』



などと思っていると、



父が、空中に浮かんだ牛肉を、


石のナイフで切り取り、


石の板の上に乗せた。



その瞬間、


赤ちゃんは、鼻をヒクヒクさせ、


細い舌を出し入れさせながら、


肉の方を見た。



つまり、


赤ちゃんは、今まで、


肉が見えなかった・・・?


匂いもしなかった・・・?


という事である。



しかし、



『父には、見えている・・・』


『祖母にも、タロにも見えている・・・』



『なぜ・・・?』



そんな中、


石の板の上に乗せた肉の匂いを、


タロが、確認、



僕に、安全である事を伝える。



念の為、僕も魔法で、


その安全性を調べてみるが、


残念ながら、僕には、食中毒菌を、


認識する事が出来なかった。



結果、タロを信じて、祖母が、肉を食べる。



本当は、母が毒味をするハズだったが、


それには、問題があった。



恐竜の赤ちゃんを、教育する為には、


祖母が、最初に食べる必要があったのだ。



祖母、父、母の順で、肉をスライスにして、


焼いて食べ、



その後、タロは、石皿の上の生肉を食べる。



その間、恐竜の赤ちゃんは、口を開け、


母に、肉を求めるが、


母は、タロが食べ終わるまで、


赤ちゃんには、肉を与えない。



生前、テレビで、


ペットを優先する事の危険性が、


説明されていた。



最優先で、エサがもらえる場合、


ペットは、自分が、家族のリーダーだと錯覚する。



しかし、ペットに、リーダーとしての資質は無い。



その為、その無力を誤魔化す為に、


凶暴化するらしい。



母の村でも、


狼が飼われていた時期があり、



その時、飼い主が優先の、


飼育方法が行われていたのだ。



僕は、音が聞こえないが、


恐竜の赤ちゃんは、


「ピーピー」と鳴く、



それを無視しながら、


食事をする事は、


大変辛い様である。



しかし、3人は、


それを我慢して、食べ続けた。



その後、母が、肉を細かく切り刻み、


それを、赤ちゃんに与えた。



そして、その時、


家族は必ず、その様子を見守る。



これにより、


食べ物を、横取りされない事を、


学ばせる事が、目的の様である。



こうして、朝食を終え、


その日の仕事が始める・・・



しかし、出発の段階に成って、


僕は、不安に成った。



『どうする・・・?』



バリアによって、


宙に浮かんだ牛肉1頭分・・・



『これを維持しながら、飛べるのか・・・?』



母は、僕の無意識魔法によって、


絶えずバリアで守られている。



そして、今、それとは別のバリアによって、


肉を守っている。



つまり、


2つのバリアを出現させた状態で、


母のバリアを、


無意識魔法から、意識魔法に切り替え、


上空に瞬間移動して、



その後、移動魔法の応用で、


空中停止を行い、


次のポイントまで、瞬間移動を行う。



『本当に、出来るだろうか・・・?』



今回は、赤ちゃんも連れて行く、


母のバリアが弱まると、


赤ちゃんの体温が心配である。



その為、母のバリアを優先する必要がある。



しかし、その場合、肉は、どう成る・・・?



バリアの精度が落ちて、


腐りやすく成る・・・?



『それなら、肉を置いて行くか・・・?』



しかし、肉を置いて行った場合、



その肉は、3日後には、確実に腐る。



それなら、一応、バリアで守った方が良い・・・



などと、考えていると、父と祖母が、


僕と母の出発を見送る為に、立ち上がった。



『覚悟を決めて出発しないと・・・』



その様に思うが、心の準備が必要である。



そこで、僕は、ある提案を始めた。


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