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これは魔法の書です。  作者: わおん
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029

自宅リビングで、義務としての、


ラジコン遊びの最中・・・



『どうしよう、魔法が止められない・・・!』



今は、なぜかラジコンカーだけが、


魔法暴走の、対象に成っている。



しかし、それは、必ずやって来る。



例えば・・・



本当なら、倒れるハズのコップが、


不自然に、起き上がる・・・



そんな状況が、必ずやって来る。



それを、不思議に思われる。


そして、魔法がバレる。



それは、時間の問題だった。



ところが、僕は、気付いた。



『あれっ?』


『バレたら・・・?』 



『バレたら、どう成る・・・?』



『特に、問題は無い・・・?』



実際には、どうかは、解らない。


バレれば、大変な事に、成るかも、知れない。



しかし、そんな事、幼児の僕には、解らない。



そもそも、僕は、ヒーローの真似事で、


魔法を秘密に、していたのだ。



そして、現実問題、当時の僕には、


魔法を、秘密にする必要性など、無かった。



『バレても、困る事は無い・・・』



と、思った瞬間・・・



僕の中で「ストン」と、何かが落ちた。



実際、何が落ちた訳では無いが、


気持ちが、楽に成った。



すると、ラジコンカーは、


普通に走る様に成った。



その後も、魔法で操作する事は、出来た。


しかし、勝手に発動する事は、無く成った。



『どうして・・・?』



僕は、その理由を考えた。



おそらく、僕の本心は、


『何も気にせず・・・』


『好きなだけ、魔法を使いたい・・・』



魔法の可能性を知る為に、



『おもいっきり、練習がしたい・・・』



その様に、思っている。



しかし、僕は、魔法を秘密にしていた。


秘密にする事が、正しい事と信じていた。



その結果、魔法を使いたいのに、使えない。


そんなストレスが、溜まっていた。



そして、僕の無意識は、



『それなら、バレた方が、楽なのでは・・・?』



その様に、考えたのだと思う。



結果、僕の無意識は、魔法の存在をバラす為に、


魔法を暴走させた。



しかし、僕の自制心が、それを止めた。


止めようと、必死に抵抗した。



その結果、ラジコンカーだけが、



『暴走の対象に成った・・・』



当時の、僕は、ストレスという言葉は、


知らなかったが、


精神的な苦痛が、魔法を暴走させる。



つまり「がまん」が、


魔法を暴走させるのだと、理解した。



そして、考えた。



『バラせば、魔法は無くなるのか・・・?』



『魔法の存在を、バラせば・・・』


『魔法を秘密にするという・・・』


『我慢が、消える・・・』



『我慢が、消えたら・・・』


『魔法も、消える・・・?』



その可能性も、考えられた。



しかし、



『たぶん、無くならない・・・』


『バレた場合には・・・』


『また、別の我慢が、生まれる・・・』



そして、考える。



『では、別の我慢とは、何か・・・?』


『バレたら、魔法を没収される・・・?』



現実的に、没収は、不可能である。



『しかし、使うなと言われる・・・』


『そして、監視される・・・』



『その事で、姉に泣かされる・・・』



しかし、魔法を使わない様に、意識すると、



『精神的な苦痛が、溜まり・・・』


『魔法が暴走する・・・』



魔法は、適度に使わないと、勝手に発動するのだ。


そして、それは、コントロール出来ない。



しかし、



『その事を、母や姉は・・・』


『理解して、くれるだろうか・・・?』



『僕が、一生懸命に、説明しても・・・』


『解ってくれる保証は、無い・・・』



『つまり、バレたら、大変な事に成る・・・』



それが、僕の判断だった。



こうして、僕は、自分が、魔法使いである事を、



『誰にも教えない・・・』



改めて決意する事と成った。



この出来事で、解った事は、



『魔法は、一定量使わないと・・・』


『勝手に発動してしまう・・・』



という事だった。



結果、その日から僕は、


積極的に、魔法の消費を行った。



僕は、朝に強い。



おそらく、寝ている間に、魔法の何かが影響して、


僕の回復を、助けているのだ。



その為、朝早くに、回復が完了して、


目が覚めるのだ。



結果、母が起こしに来るまで、時間がある。



以前は、その時間を利用して、


スローモーションで、見える仕組みや、


逆立ちコマの、逆立ち阻止方法を、


考えていたが・・・



それは、もう必要ない。


当然の様に、出来るのだ。



だから、今後は、


その時間を、魔法の消費に使う。



『では、何をするか・・・?』



そこで、僕は、枕元に、ティッシュを置いて、


寝る事にした。




翌朝、早朝・・・



まず、枕元のティッシュを、少し千切る。



サイズは、手の小指の爪の半分。


僕は、ベッドで、仰向けの状態である。



そして、千切ったティッシュを、


超ギザギザ飛行で飛ばす。



姉は、2階建ベッドの上段で寝ているので、


僕の目の前で飛ばしている限り、


見付かる事は無い。



これを毎朝、必ず行う。



魔法の暴走を阻止する為、


毎朝、魔法を使い切る・・・



それは、当時の僕にとって、名案であった。


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