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これは魔法の書です。  作者: わおん
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土砂の壁の下には、


おそらく、巨大湖がある・・・



その様に、確信した僕は、


その掘り出しを開始したのだが、



その最中、強風が吹き始めた。



先ほど、植えた苗木が心配である。



そこで、湖の掘り出しを一時中断して、


僕は、苗木の様子を、見に行った。



散々考え「行くな!」と自分を説得したのだが、


結局は、見に行った・・・



本当は、見に行くベキでは無いのだ・・・



それを見た場合、


僕の無意識魔法が、


苗木に、何か影響を与え、


不自然な植物に成長する危険性があるのだ。



ところが、その様な訳が無い・・・



その様にも思える。



僕の影響で、不自然な成長をするのなら、


僕は、なぜ、まだ、胎児なのか・・・?



そう考えた場合、


苗木を見に行く事など、問題無い様に思えた。



結果、僕は、苗木を見に行く事にしたのだ。



僕の精神力の弱さが、口実を作り、


見たいから、見に行った・・・



それが事実である。



最北端上空・・・



山は、強風にさらされ、


苗木が、その影響を受け、


折れないのが、不思議なくらいに、


振り回されている。



しかし、助ける方法が無い・・・



だから、僕は、無視した。



『原人を無視する練習だ・・・!』



などと、自分を納得させ様としたが、



『僕は、一体、何をやっているのか・・・?』



僕は、自分に「うんざり」しながら、


折れそうな、苗木を無視すると、


巨大湖の掘り出しに戻った。



僕の、やる事には、無駄が多い、


何も出来ないなら、


見に行く必要など無かったのだ。



『こんな事で、将来、大丈夫だろうか・・・』



北の土砂の壁の上空に戻ると、


見えない手で、地中を探る・・・



全てが、土と岩と倒木であり、



『どこからが、湖なのか・・・?』


『本当に湖があったのか・・・?』



それも解らない。



つまり、土砂と湖の、境界線が解らないのだ。



しかし、ヒントはあった。



土砂の中には、倒木が含まれている。



そして、現実的に、湖の地中に、


倒木が埋まっている事は無い。



という事は、


『倒木がある部分は、土砂だ・・・』



次の瞬間、倒木や岩を含んだ土砂が、


土置き場へと、移動した。



全ての土砂を一瞬で移動させた場合、


湖が崩壊する危険性があるので、



分割して、移動して行く・・・



これを100回ほど繰り返した事で、


湖らしきモノが姿を現した。



ネズミの森から、


岩塩の大地方向へ、30キロ、


南北へ15キロほどの大きさ、


通称「北湖」が姿を表した。



その後、同様の方法で、


森の中の、土砂の壁も取り除いて行く。



山に近付くと、周囲の湿地帯が、


深刻な状態に成っていた・・・


『洪水・・・』



本来、北湖に供給される山の水が、


その行き場を失い、


洪水を生み出していたのだ。



その数分後、


森の中の大きな川が、掘り出され、


周囲の洪水が、勢い良く、


大きな川、


通称「北大川」に、流れ込んで行く。



これにより、北湖と北大川は復活した。



つまり・・・



『南の土砂の壁も・・・』


『その下には、巨大湖がある・・・』



南の壁は、牛を逃がさない壁として、


残したいのだが、


この状況を見ると、放置出来ない。



僕は、急いで、南の土砂の壁に向かった。



上空から、その全貌を見る・・・


土砂の壁は、高い場所で4メートル。



それが、岩塩の大地の方向に、


下り坂の様に、50キロ続いていた。



しかし、その光景を見て、


僕は疑問を感じた。



『津波による土砂で・・・』


『この様に成るだろうか・・・?』



高さ4メートル・・・


距離50キロの坂道・・・



『こんな、形状に成るだろうか・・・?』



もちろん、魔法によって、


引き起こした津波なので、


通常の津波とは、その被害状況が違う・・・



それは、理解出来る。



しかし、土砂の壁は、


ネズミの拠点から、



北へ200キロ地点に、北の土砂の壁、


南へ200キロ地点に、南の土砂の壁、



まるで、計算して作った様に、あったのだ。



『偶然だろうか・・・?』



北の巨大湖、


通称「北湖」は、


僕が、この世界に来る前からあったモノだ。




つまり、土砂の壁は、偶然出来たモノ・・・?



考えても仕方がない・・・



掘り出す以外に、選択支が無いのだ。



僕は、まず、枯れた大地の北側へと向かい、


先ほど、北の土砂を、移動させた場所を見た。



土、倒木、岩、


それらが入り交じっている。



僕の仕事は、雑であった。



しかし、


その分類は、後日でも出来るし、


倒木や岩を含んだ状態で、移動させないと、


湖と土砂の境界線が、解らないのだ。



その為、土置き場は、


土砂置き場に成っていた。



それを確認すると、



僕は、さらに北に進み、


第2土砂置き場を決めた。



僕は、置き場は、北と決めていた。


理由は、寒いからである。



現在、使い道は無いが、


倒木は、今後使う可能性がある。



その場合、暖かい地域で保管するよりも、


寒い地域で保管した方が、


長持ちする様に思えたのだ。



その為、土砂の置き場所も、


北を選んだのだ。



移動魔法で、地面に三角を描いて記憶に残す。



そして、南の土砂の壁に引き返し、


倒木を含む土を、第2土砂置き場へと移動させた。



ある程度、土砂が、取り除けると、


見えない手で、地面の強度を調べる。



硬い部分が、湖で、弱い部分が土砂・・・


その様な認識で、倒木を含まない部分の土砂も、


取り除いて行く。



すると、ネズミの森から、


岩塩の大地の方角へ、30キロ、


南北は、20キロの、


巨大湖が、


その姿を現した。



通称「南湖」である。



その後、森の中の土砂の壁も、


取り除き・・・


通称「南大川」が姿を現した。


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