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これは魔法の書です。  作者: わおん
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この大陸は、南北に数千キロ続いている。


残念ながら、正確な距離は解らない。



以前は、僕の感覚で、1キロを決め、


瞬間移動した回数で、


その距離を計算していたが、



現実問題、


僕の記憶・・・


僕の感覚による1キロ・・・



それが正しい訳ではない。



しかし、千キロ以上ある事は、事実である。



その為、


北と南では、気候に大きな違いがある。


北は寒くて、南は暑い。



つまり、


山菜森の、南で採取した枝は、


ネズミの森の、南に植え。



山菜森の、北で採取した枝は、


ネズミの森の、北に植える。



それを守る必要があるのだ。



現在、3人山脈の上空。



『これで良し・・・!』



約2日で、


第1山脈、第2山脈、3人山脈、



これらを、まとめて、


通称「我々山脈」


その全てに、苗木を植え終えていた。



苗木の間隔は、約3メートル、



以前は、5メートル間隔で植えていたが、


苗木の段階で、5メートル離れていると、


スカスカな印象があり、


3メートル間隔で植える事にしたのだ。



もちろん、素人考えである。



『台風が来たら、どうする・・・?』



実は、何の対策も無い。



色々と考えたが、


アイデアが、何も出て来なかったのだ。



『今度、台風が来た時・・・』


『1度だけ、魔法で消してしまえば・・・?』



そんな幼稚な考えなら、


簡単に出て来る。



しかし、それを実行して、気象が崩壊した場合、



それの、どの部分が異常なのか・・・?


どうなれば、正常なのか・・・?


そもそも、気象を、どの様に治すのか・・・?



僕には、解らない。



そんな僕が、


この星の天候を変える事など、


危険過ぎた。



『では、この苗木は、どう成る・・・?』


『台風が来たら・・・?』



僕には、不安しか無かった。



一方、その頃、


柵の中の牛は、牧草を食べ始めた。



現在、我々家族は、ネズミの拠点から、


南に200キロの位置、


通称「牛柵」の近くで生活している。



ネズミの拠点には、この数日帰っていない。


牛が心配で離れる事が、出来ないのだ。



タロが、休む事無く、監視しているので、


牛が暴れる事は無いが、



昨日までは、その恐怖から牛は、


エサも水も、口にしなかったのだ。



ところが、タロは優秀である。



それを理解して、行動を開始した。



僕は、その様子を見ていないが、


タロは、牛を手なずけた。



つまり、タロは、


そのメス牛のボスに成ったのだ。



結果、牛は、牧草を食べる様に成り、


父や祖母が近付いても、


暴れる事が無くなった。



父と母、よく話をする。


今回の牛の話も、父から聞いた。



今日あった事を、お互いに報告するのだ。



その日の夜・・・



全員が寝静まり、


僕1人の時間・・・



『この星に未来はあるのか・・・?』



この大陸は、中央が岩塩の大地である。



それが直径千キロ以上あるのだ。



その様な大陸に、未来はあるのだろうか・・・?



将来、ビルが建ち、自動車が走る・・・



『その様な事が可能だろうか・・・?』



地面は塩なのだ。



金属の敵である。



では、山脈や森、


そして、枯れた大地を、


近代化出来るだろうか・・・?



海から、岩塩の大地方向に、


山脈が300キロ、


ネズミの森が100キロ、


枯れた大地が200キロ、



つまり、海から、岩塩の大地までは、


600キロ・・・


その範囲であれば、



『地球の様な近代化は、可能なのか・・・?』



『国が誕生して・・・戦争が起きて・・・』



『科学が進歩して・・・』



『この星の自然環境を破壊して行く・・・』



そして、ある時期に達すると、


環境保護を始める・・・



『この星に、それが可能だろうか・・・?』



僕は、マサイ族を思い出した。



現在のマサイ族は、携帯電話を所持して、


観光案内も行っている。



しかし、その本質は、昔ながらの生活である。



そして、世界の秘境には、


現在も、原始的な生活を、


続ける部族が居るらしい・・・



この星は、


原始時代のままの方が良いのでは・・・?



僕に、そんな事を決める権利は無いが、


思わず考えてしまう。



僕は、自分に「うぬぼれて」いるのだ。


自分を「偉い人間」だと錯覚しているのだ。



だから、この星の将来など、考えているのだ。



この様な、思考が、10年後の僕に、


どの様な影響を与えているのか・・・?



100年後の世界に、


どの様な変化を与えているのか・・・?



『影響を与えては、いけない・・・』


『解ってはいるが、守れるのか・・・?』


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