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これは魔法の書です。  作者: わおん
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僕は、取り返しのつかない事を、


繰り返している・・・



現在、我々が生活する大陸の東側・・・


その山脈の木々は、全て枯れている。



結果、台風の豪雨によって、


山の斜面は崩れる・・・



ハズだった。



ところが、以外と丈夫であった。



しかし、


津波の時に流れ落ちた倒木によって、


山脈の谷間は、川としての機能を果たさず、


多くの土砂崩れダムを作っている。



この状況を放置した場合、


今後、我々の暮らしに、


どの様な問題が発生するのか・・・?



僕には、それが解らない。



しかし、土砂崩れダムが崩壊する事で、


山脈の斜面は、下の支えが無くなる。



つまり、山脈の斜面が崩れる・・・



結果、それを防ぐ必要があった。



その為、谷間の倒木を、枯れた大地の北側・・・


通称・材木置き場へと、移動させた。



すると、その結果、支えを失った斜面が、


崩れる・・・



そこで、移動魔法を使い、土を押し付け、


補強する事に成った。



ところが、この方法を行う事で、


3人村の跡地は、


全て、土に押し潰された。



山脈ではあるが、


3人の村に関しては、


山中の平地であった。



そんな場所まで、土で補強する必要があるのか?



そんな疑問もあったが、


他を固めて、一部が、弱い・・・



それを放置した場合、


その部分が、多くの水を吸い込み、


その不自然な重みで、


土砂崩れを発生させる・・・



その様な、危険性が考えられた。



その為、全てを土で固めた・・・



3ヶ月過ごした横穴も、


土で埋め、補強した。



『では、次だ・・・』



元横穴から、山を下った場所、


ネズミの衝撃を受けた場所、



その地域は、立ち枯れの木々を抜いて、


苗木を植えていた。



我々が、1ヶ月かけて、植えた苗木であった。



枝先を、バケツに入れ、


3時間かけて苗を作り、



それを、植えた。



1ヶ月間、毎日繰り返した。



我々の努力の成果が、


そこにあった。



苗木は、成長していた。


うれしかった・・・



しかし、


その場所にも土を押し付け、


補強を行った。



とても、残念が気持ちであるが、


僕の魔法が発動して、


苗木は、土に潰された。



つまり、僕の無意識は、


苗木よりも、


山の保存を優先したのだ。



その後も、台風の中に戻って、被害状況を確認、


必要があれば、補強を行い、



台風が通過した場所に戻って、


必要箇所に、補強を行った。



『これが山なのか・・・?』


『これで山を守った事に成るのか・・・?』



僕には、不安があった。



昨日、僕は、2千年後の地質学者を心配した。



将来、誰かが、この山を調べた時、


人工的に、山を修復した痕跡を、発見する・・・



原始人の時代に、南北数千キロ、東西数百キロ、


それだけの山脈全てを、


修復した痕跡が発見される・・・



その地質学者は、


どの様に発表するだろうか・・・?



正直な所、僕には、全く関係な事にも思える。



しかし、それは違う・・・


僕は、2千年後・・・


その人物を見る事に成る。



僕には、その不安があった。


僕には、前世の記憶がある。



現代の日本で、


小学5年生まで、生きた記憶である。



そして、僕は、恐竜の胎児に成った時にも、


現代の記憶と、原始人の胎児の記憶を持っていた。



結局、恐竜の胎児の出来事は、


夢であったが、



僕は、肉体が死んでも、


その魂と、その記憶は、残る・・・


その可能性が高い・・・



つまり、僕は、この世界で、転生を繰り返し・・・


将来、この山脈の、不自然を発見する誰か・・・


その人物を見る事に成る。



『その時、僕は、どう思うだろうか・・・?』



これは、深刻な問題だった。



その時、僕は、何をするだろうか・・・?


その地質学者に同情して、何かするのでは・・・?



『その何かとは・・・?』



『何か・・・?』



僕は、先日、初めて、海水から、真水を取り出し、


山脈への「水やり」を行った。



その時、


『強風の影響を受け、バランスを崩し・・・』


『パニックを起こしたら・・・?』



『どう成る・・・?』



『水の代わりに、母の血液を・・・』


『瞬間移動させてしまうのでは・・・』



と恐怖を感じた。



しかし、現在、僕は、台風による強風の中、


上空から、山の谷間を見下ろし、


見える範囲全ての、倒木を、


材木置き場に、瞬間移動させ、



それと同時に発生する、山崩れを魔法で止め、


その補強を行っているのだ。



『この世界に来て、まだ6ヶ月・・・』


『僕の魔法は、異常に進歩している・・・』



2千年後、僕の魔法は、


どの様に成っている・・・?



現在、僕は、広範囲の山脈の崩壊を一瞬で止め、


それを、補強出来るのだ。



つまり、


僕が、その気になれば、


2千年後、ビルが立ち並ぶ大都市・・・


それを一瞬で破壊する事も出来るのだ。



『2千年後の、僕は、どの様な人物なのか・・・?』


『魔法のコントロールは出来るのか・・・?』



『地質学者が、不自然な山脈を発見・・・』


『その後、科学の進歩によって・・・』


『僕の存在に気付く・・・』



僕は、その状況に、


ストレスを感じるだろうか・・・?



『その時、僕は・・・』


『昔は良かった・・・』



『そんな一瞬の気の迷いで・・・』


『大都市を壊滅させる・・・』



その可能性は、否定出来なかった。



『そんな人間に成らない為には・・・』


『そんな事態を、起こさない為には・・・』



『今、僕は、何をするベキなのか・・・?』


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