025
元日から4日目、自宅リビング・・・
僕は、逆立ちコマの、逆立ち阻止を、
感覚的に理解した。
しかし、僕は、それを実行せず、
考えに考え・・・
逆立ちコマの、逆立ちを阻止する方法・・・
その仕組みを、解明したのだ。
そして、それを、試す時が来たのだ。
だから、僕は、子供部屋に向かったのだ。
ところが、僕は、コマに、手を出さなかった。
僕の無意識が、姉の存在に気付き、
その実行を、止めたのだ。
結果、僕は、玩具箱から、ミニカーを取り出し、
それを持って、リビングへと戻った。
ところが、その後、僕は、
家族と一緒に、トランプで遊ぶ事に成った。
なぜなら、先ほど僕は、
コマの、逆立ち阻止方法に、気付いた瞬間、
「トランプ風車あああああ!」
声を出してしまったのだ。
その結果、トランプで遊ぶ事に、成ったのだ。
『まさか・・・』
僕は、コマ回し教室での、出来事を思い出した。
『あの時、女の子に向かって、僕が・・・』
『見て!!!!!と心で叫んだら・・・』
『僕の方を見た・・・』
『豆腐屋の息子の時も・・・』
『僕の方を見た・・・』
『あれは、偶然だったのか・・・?』
『そして、今日・・・』
『トランプ風車あああああ! と叫んだら・・・』
『トランプ遊びをする事に成った・・・』
『これは、偶然なのか・・・?』
『それとも、魔法の力・・・?』
『まさか・・・』
『それは無い・・・』
『さすがに、そんな力は無い・・・』
僕は、その様に自分を納得させた。
何でも、魔法、魔法、というのは、
幼稚な事に、思えたのだ。
正月特有の雰囲気で、
神経衰弱、七並べ、ババ抜き・・・
長々と繰り返される、作業的なゲーム・・・
逆立ちコマを、回したいが、
ここで、あせれば、没収が待っている。
だから、今日は、あきらめた。
しかし、トランプ遊びを、続ける中、
僕は、良い事に、気が付いた。
『トランプを、使えば・・・』
『答え会わせが、出来る・・・』
これは名案であった。
僕は、寝る前、目を閉じていても、
天井が見える・・・
初めて見えたのは、病院での出来事だった。
その後、家に帰ってからも、
3日に1度くらい、見れる日があった。
しかし、『本当に、見えているか・・・?』
それは、疑問だった。
当時、僕は、2階建ベッドの下の段で寝ていた。
結果、僕が、寝ながら見ているのは、
上のベッドの底である。
その為、答え合わせが、出来なかった。
僕は、以前から、その特徴を、記憶しているのだ。
つまり、
『本当に見えているのか・・・?』
『それとも、幻覚なのか・・・?』
その区別が、出来ないのだ。
ところが、今、その確認方法が、見つかった。
上のベッドの底に、
トランプを、貼れば良いのだ。
しかし、そんな事をすれば、
家族が疑問を持つ。
『怪しまれる・・・』
『では、どうする・・・』
そして、僕は、ひらめいた。
その日、夕食の後、
僕は、親に平仮名を習った。
そして、トランプサイズの紙に、
平仮名を1文字ずつ書く。
そして、
「と」の裏面には、時計の絵・・・
「け」の裏面には、毛虫の絵・・・
という様な、カードを作った。
それを混ぜる。
そして、目を閉じた状態で、
2階建ベッドの、上段の底面に貼る。
つまり、
下段で寝る僕にとって、
天井に該当する位置に、
「カード」を貼ったのだ。
当然、姉に見付かる。
親に知らされる。
しかし、
それは、平仮名の、勉強カードである。
没収はされない。
僕は、目を閉じてベッドに入った。
カードは、目を閉じて貼ったので、
どの文字が、どの向きで貼られているのか、
解らない。
僕は、目を閉じた状態で、
念の為に、手で顔を隠す。
結果、何も見えない。
ところが、数分後・・・
『ぼんやりと・・・見える・・・』
現在、僕は、カードが貼られている事は、
知っている。
その為、それが幻覚として、
見える可能性がある。
しかし、そのカードに、
何の平仮名が、書かれているのか、
何のイラストを、描かれているのか、
それは、知らない。
上下逆さまに、貼られている可能性もある。
つまり、それが見えれば、
答え合わせが、出来るのだ。
『幻覚か、それとも・・・』
『本当に見えているのか・・・?』
しかし、
何かが、貼られているのは、見える。
ところが、
そこに書かれた文字を、意識すると、
見えなく成る。
何度も試したが、はっきり見ようとすると、
消えてしまう。
何も見えなく成る。
『なぜ・・・?』
『なぜ、見えないのか・・・?』
『見る事を意識すると、消えてしまう・・・』
『それは、なぜか・・・?』
『僕は、半分眠った状態で・・・』
『それを見ている・・・』
つまり、見えているのは、
夢である可能性が、考えられた。
そして、これが、本当に夢である場合、
『それは、魔法では無い・・・』
『ただの夢遊びだ・・・』
続ける事に、意味など無い。
『しかし、本当に夢なのか・・・?』
『これが本当に、夢なのか・・・?』
当時の僕には、
その確認方法が、解らなかった。