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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、強風の為、


本日、空中での作業は、休みにした・・・



そして、


僕と母は、


謎池を水槽代わりに、苗木を作り、



それを、3人山脈に、


植えている最中であった・・・



ところが、昼に成り、風が止まった。



今なら、空中に浮かんでも、問題は無い、


安全である。



苗木を植える事も大切だが、


山脈への水やりも、


重要なのだ。



水が無ければ、苗木は育たないのだ。



気持ちが、あせる・・・



苗木の植え付けを中断して、


山脈に、水をやりたい・・・



しかし、風が止まったのは、


一時的な事かも知れない。



数分後には、風が吹くかも知れない。



一体、何を判断基準にして、



『風の動きを知れば良いのか・・・?』



理屈では、簡単な事である。



海の向こう側、


遠く離れた場所に、雲を発生させる。



塩分除去した元海水を、


上空に拡散・・・


それで雲は出来る。



そして、その雲の動きで、風を見る事は出来る。



しかし、雲を勝手に作った場合、


気圧配置に問題が発生して、


気象災害が起こる。



その様な危険性がある。



『では、どの様にして、風を見る・・・?』


『周囲に雲は無い・・・』



などと考えながらも、


瞬間移動を使い、数千本の苗木を植え終えた。



とはいえ、3人山脈の20キロ範囲が、


植え終わっただけである。



3人山脈だけでも、2千キロはあるのだ。



『効率が悪い・・・』



苗木を植えても、


それで雨が降る訳ではない。



それが成長して、木々が影を作り、


落ち葉や、草が、地面を隠し、


山の保水力が強く成り。



その自然現象として、雨が降る環境が復活する。



『一体、何年かかる・・・』



今日の事だけを考えれば、


海水から、塩分を抜いて、


それを、ネズミの拠点に持ち帰れば良い。



それで、家族は生きて行ける。



恐竜の夢の件で、


僕が、脳死する危険を脱したのだ。



つまり、今後、魔法は使い放題なのだ。



僕が、魔法を使えば、


家族は、確実に、生きて行けるのだ。



しかし、魔法で生活する事は、


死ぬ事と同じである。



何もせずに、生きて行けるからだ。


それでは、家族の誇りが失われる。



本当に必要なのは、魔法では無いのだ。



「家族が、一生懸命に生きれる環境」


「誇りを持って生きれる環境」


それが、必要なのだ。



その為には、


魔法で降らせる雨ではなく、


自然の雨が必要である。



雨水が、川に流れてきて、


それを使い、生活する。



その為に、家族は、工夫する。



それを、家族に、ほめられる。



それが、うれしくて、生きて行く。



その環境を作る必要があった。



魔法で、山を再生させている僕には、


大きな矛盾が存在する。



魔法使いの僕が、


魔法を使い、


魔法を使わない環境を作っているのだ。



『矛盾している・・・』



これが政治家なら、どれだけ叩かれる事か・・・



しかし、家族は、


僕を叩かない。



当然、母は、毎日、僕の、魔法を見ている。


何をしているのかを、知っている。



父や祖母も、


僕が魔法を使える事を、知っている。



そんな僕が、


山を再生させている事も、知っている。



僕が、魔法で、


何でも出来る事を、認識している。



しかし、家族は、


僕を、利用しない。



出来る限り、自分で考え、


それを作って、


それを使って解決する。



現在使われている、燻製器も、乾燥室も、


それらは、全て、祖母が考え、


父が作ったのだ。



自分の必要性を、認めてもらう。



その為に生きる。



それが、人間の性質なのだと、


僕は思う。



僕が、全てを行えば、


簡単ではある。



干し肉など、


魔法で水分除去を行えば、


一瞬で完成する。



しかし、それは、


父や祖母の存在価値を、


無くしてしまう事に成る。



そんな残酷な事は、出来ない。



『生きているだけで良い・・・』



そんな訳が無いのだ。



『誰だって、生きる価値が欲しい・・・』


『誰かに認められたい・・・』



『生きているだけで良いなど・・・』


『侮辱である・・・』



それが僕の考えだった。



その為には、


魔法を必要としない環境作りが、必要なのだ。



その為には、


魔法を使う以外に方法が無いのだ・・・



などと考えていると、



風が吹いてきた。



先ほど、風が止んだタイミングで、


行動を開始していたら、


この風を受けていた・・・



つまり、安易に行動するベキでは無いのだ。



しかし、その時、気付いた。



『これは、むしろチャンスなのでは・・・?』


『この風を使うベキなのでは・・・?』



今日、僕は、風が強いという理由で、


山脈への水やりを中止して、


苗木を植えていた。



しかし、本来、僕が、するベキ事は、



『空中に浮かび』


『海の水を包み』


『瞬間移動を行い』


『塩分を除去して』


『山の頂上に瞬間移動させて』


『移動魔法で、最善の高さに持って行き』


『海水を分散させながら落下させる』



これを、何度も繰り返す事である。



その為には、風の強い日に、


空中停止訓練を、行う必要がある。



『今が、そのチャンスなのでは・・・?』



毎回、風の無い日など、選べない。



僕には、それを知る方法が無いのだ。



その為「風が止まった!」


と思ったら、その数分後に、


再び風が吹いて来たのだ。



つまり、今後、山脈の「水やり」を行う時も、


必ず、風に吹かれる。



その為、突然の強風に、


対応する技術が必要である。



だったら、今から、第2山脈の、


塩分除去を行えば良いのだ・・・



それを口実にすれば、


空中停止の練習が出来る。



実際には、練習では無いのだ。


家族を守る為に、必要なのだ。



だから、魔法は発動するのだ。



突風を受けても、対応出来る様に成るのだ。



そして、空中停止が当然の様に、


出来る様に成れば、



「水やり」にも、生かせる。



被害の少ない間に、失敗を経験して、


対策を考えるベキである。


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