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これは魔法の書です。  作者: わおん
24/2276

024

僕は、魔法を、手の代用品として、


考えてしまう。



しかし、それでは、コマの移動は、出来ない。



つまり、僕は、魔法を、別の何かとして、


使っているのだ。



以前、僕が覚醒した日・・・



おそらく、あの日まで、


僕は、魔法を、手の代用品として、使っていた。



しかし、それでは、進歩が無いので、


僕の無意識が、何かに、切り替えたのだ。



『では、僕の魔法は、どんな形をしている・・・?』


『どの様に、8の字移動を行っている・・・?』



そこで、もう1度、考えてみる。



僕は、コマの回転を弱めずに、移動させる事が出来る。



『手で、その様な事は、出来ない・・・』



『つまり、魔法は、手では無い・・・』


『手の様に、使っていない・・・』



そこで、僕は、重要な事に気づく。



『そもそも、僕は、何を、悩んでいる・・・?』


『何を、知りたい・・・?』


『何を、解決したい・・・?』



そして考える。



『魔法が、どの様に出ているのか・・・?』


『それを、知る事で・・・』



『それを、使うイメージが出来る・・・』



『そうすれば、おそらく・・・』



『それを、使える様に成る・・・』


『それが、逆立ち阻止に使える・・・』



『その為には、どの様に・・・』


『魔法が、出ているのか、知りたい・・・』



これによって、僕は、


自分が、何を、悩んでいるか理解した。



そこで、それを踏まえて考える。



『コマを、8の字に、移動出来る・・・』


『回転を弱めずに、移動させている・・・』



コマは、時間の経過で、回転が弱まって止まる。



しかし、魔法の影響で回転が、


弱まっている様子は、無い・・・



そして、それは、手や風では、不可能なのだ。



『回転を弱めずに、移動出来る・・・』


『これだ・・・』


『この原理だ・・・』



僕は、過去に、1度「この原理」を使って、


コマの逆立ちを、阻止している。



つまり、


『僕は、すでに「この原理」を習得している・・・』


『しかし、それが何なのか、理解していない・・・』



『だから、その技術を、生かせない・・・』




『では「この原理」とは、何だ・・・?』


『僕の魔法は、何をしているのか・・・?』



回転を弱めずに、逆立ちを阻止する為には、



『何が必要なのか・・・?』



『何か、方法があるのだ・・・』



『それに、気付けば・・・』


『コマの逆立ちを、阻止出来る・・・』



僕は、家の中を歩き回った。


そして、ヒントを探す・・・



僕の知らない、何かがある。


それを見つける。



普段は、気付かない。



しかし、考えている最中に、


それを見れば、それが、ヒントに成る・・・



これは、昨日、逆立ちコマの仕組みを、


5時間考えた時に、学んだ技術である。



『母が台所にいる・・・』


『そして、何かを、手に取った・・・』


『たまご・・・』


『冷蔵庫のドア・・・』


『ドア・・・・?』


『ドア・・・・・?』


『ドア?????』


何か、引っかかる。



『これがヒントだと、心に残る・・・』



そこで、ドアを見て、その構造を観察する。


そして、不意に思い出した。



『あっ!風車・・・?』



以前、祖母が、折り紙で、風車を、


作ってくれた事があった。



『どうして回る・・・?』


『真ん中に、針が刺さっていた・・・』


『風車には、穴があり、そこを針が通っていた・・・』


『だから、回るんだ・・・』



『固定されているのに、回るんだ・・・』



しかし、逆立ちコマには、


玉の片側に、棒が付いているだけである。



『これでは、風車の原理で、回す事は出来ない・・・』



そして気付いた・・・



『あっ!』


『作れば良いんだ・・・!』



『魔法は、手じゃない・・・』


『僕から、生えている訳でも無い・・・』


『魔法に、形なんて無い・・・』



つまり、魔法は、



『好きな形が作れる・・・』


『それが魔法・・・?』


『では、何を作る・・・?』



『何を、作れば良い・・・?』



『風車には、マチ針が刺さっていた・・・』



『魔法で、見えない、マチ針を作る・・・?』


『それが、逆立ちコマに、刺さるのだろうか・・・?』



駄目を承知で、試す事は、簡単だった。



しかし、子供部屋には行けない。



現在、正月休み中・・・


家には、家族全員がいるのだ。



僕は、寝る時以外、


子供部屋にいる事は、禁止されていた。



しかし、玩具を取りに行く事は出来る。



しかし、油断していると、姉に見付かる。


そして、母に、逆立ちコマを、没収されてしまう。



『それは困る・・・』



結果、この日は、これで終了・・・



『今日は、あきらめよう・・・』



と思ったら・・・



『あっ!』


「トランプ風車あああああ!」



思わず声が出る。



以前、祖母が、僕に、風車を作ってくれ時・・・



祖母に、対抗心を燃やした祖父が、


見せてくれたのだ。



トランプの、右上角を、右人差し指で押さえ、


トランプの、左下角を、左親指で押さえ、


トランプに、息を吹きかける。



僕がやっても、上手く出来なかったが、


祖父は、そのトランプを、クルクルと回転させた。



『あれだ・・・!』


『あの原理だ・・・!』


『今度こそ試せる・・・!』



当時の僕は、まだ、幼児である。


その為、軽率な行動を、してしまった。



僕は、玩具を取って来ると、両親に伝え、


子供部屋に、向かったのだ。



もちろん、本当の目的は、


逆立ちコマの、逆立ちを、阻止する事である。



『これで、ついに・・・』


『逆立ちコマの、逆立ちを、阻止出来る・・・』



僕は、期待で胸が膨らむ、


という気持ちを、実感しながら、


子供部屋へと向かった。



ところが、子供部屋に入った僕は、


無意識に、玩具箱から、ミニカーを取り出した。



『どうして・・・?』



当然、僕は、僕の行動に疑問を感じる。



『なぜ、コマを取らない・・・?』



振り返ると、姉がいた。



当時、姉は、スパイを気取っていた。



部屋に向かう僕を、尾行して、


「何か練習を、するのでは?」


と見張っていたのだ。



それを、僕の無意識が、察知したのだ。



だから、僕は、逆立ちコマに、


手を出さなかったのだ。



『察知能力・・・?』


『僕の魔法には・・・』


『僕の気付いていない、何かがある・・・』



僕は、ミニカーを持って、リビングに戻った。


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