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この時代のネズミは、肉食恐竜のエサであった。
その為、ネズミは、夜間に行動する。
恐竜の多くは、昼間活動して、夜は休む。
結果、ネズミは、深夜の行動によって、
昆虫などを食べ、静かに、暮らして居た。
だが、恐竜は、繁殖を続ける。
その為、ネズミを捕食する存在が増え、
深夜行動する恐竜まで、登場した。
それは、比較的、小さな恐竜だった。
深夜の暗闇では、視力が役に立たず、
大型種には、不便なのだ。
結果、ネズミは、夜行性の恐竜に狩られ、
追い詰められ、反撃を行う。
最初は、無計画な攻撃だった。
しかし、そんな日々の中、相手の急所を知る。
眼球である。
食われる瞬間、一か八か、相手の眼球に噛み付く。
実際には、不可能でも、その行動によって、
相手は、反射的に動く、そのタイミングで、
逃げれる場合もある。
当時、ネズミは、念話を失って居たが。
この様な出来事を、多くのネズミが経験する事で、
反撃する性質のネズミだけが、生き延び、
そして、子孫を残す。
だが、当然、それを狩る側の恐竜も、
ネズミの反撃に、対応する様に成る。
結局は、反応速度の勝負である。
眼球に向かって、飛びかかるなら、
そこを狙えば、食えるのだ。
ネズミは、胴体を、噛まれた状態であり、
そこから、何が出来る訳でも無い。
しかし、彼らは、反撃する性質の子孫なのだ。
その為、噛み付かれ、死ぬ直前まで、暴れる。
その必死が、遺伝子に眠る魔法遺伝子に影響した。
この魔法遺伝子とは、元々、宇宙人が、
遺伝子改造を受けた性質である。
しかし、36の影響で、その覚醒は困難に成り、
ほとんどの生物は、魔法を得られて居ない。
だが、食われる、だが、あきらめない、
だが、反撃の術など無い。
だが、最後まで、必死を止めない。
その光景を、36に目撃された事で、
ネズミの魔法細胞に反応が起きた。




