表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これは魔法の書です。  作者: わおん
232/2328

232

思い込み・・・


勘違い・・・



そんな軽い言葉で、表現する事が、


失礼に思えた。



しかし、僕は、適切な言葉を知らない。



『僕は、未熟・・・』



そんな自分を恥じても、手遅れなのだ。



その後、成長する事は出来ても、


それ以前の失敗が、消える訳では無いのだ。



僕の人生・・・全てが、そうだった・・・



魔法を使う時、


何かを消費する必要など、無かったのだ。



『それなのに、僕は・・・』


『必要と思い込み・・・』



巨大津波を作り出す為に、


多くの命を奪ったのだ。



必要など無いのに、


エネルギーとして消費したのだ。



『どの様にして、罪を償うベキか・・・』



『この世界には、お金は存在しない・・・』


『あっても、受け取る遺族が居ない・・・』



『全て、僕が、殺したのだ・・・・』



では・・・



『死んで、謝罪する・・・?』


『僕は、死ねるのだろうか・・・?』



僕には、心のブレーキが存在して、


それが魔法に影響を与えている。



その僕が、自殺を考えても、


それは、心のブレーキによって、


阻止されるだろう・・・



では、この身体が、寿命を向かえ、死んだ後、


次の、魂の移動を、


行わなければ、良いのでは・・・?



しかし、それが、実現出来るだろうか・・・?



『結局、意識を失い・・・』


『無意識が、身体を探し出す・・・』



その時、同じ事が、


繰り返される危険性が大きい・・・



『災害が起こる・・・』



解っていても、防げない・・・



『3D映画と同じ事だ・・・』


『必要ないと解っていても・・・』


『条件反射で心が反応する・・・』



それと同じだ・・・



つまり、僕が、死んだ場合、


僕が、意識を失う前に、


僕が、僕自身の判断で、


次の身体を探す必要があるのだ。



もし、その時、僕が、死ぬ事を選んだら、


僕は、意識を失い。



結果、僕の無意識が、


周囲の被害など、考えずに、


次の身体を探す・・・



結果、大災害が起こり、


被害が発生するのだ。



生き物の命を、消費する必要が無い事は、


今回、知る事が出来た。



つまり、今後、


消費は行わない、カモ知れない・・・



しかし、津波を起こし、次の母を探す事は、


繰り返されるのだ。



『僕は、死んで償い事が出来ない・・・』



と、考えている、その時・・・



1羽の鳥が、飛んで来て、


草むら目掛け、


一直線に急降下した・・・



この草むらは、僕が、消費魔法を使い、


生き物を、全て消した場所である。



しかし、その鳥は、明らかに、


獲物を狙っている様である。



『草むらに、何かが居るのか・・・?』



次の瞬間、僕は、条件反射で、鳥を包み込み、


上空へと逃がした。



それは、正真正銘、条件反射だった・・・



無意識に、魔法が発動して、


鳥から、何かを守ったのだ。



守ってしまったのだ。



結局、僕は、魔法使いとして、


生きる以外に、選択肢が無かった。



鳥は、突然の出来事に驚き、


どこかに飛んで逃げた・・・



と同時に、母が、


草むらの中に入って行く・・・



千里眼では、生き物を見つける事が、


出来なかった・・・



それなのに、先ほどの鳥は、


何を狙って急降下したのか・・・?



『卵・・・』



そこには、卵が2つあった。



その大きさは


縦10センチ、


横5センチ、


卵の殻に、少し弾力がある。



それは草の上にあった。



通常、卵が転がらない様に、


地面の「くぼみ」に産む・・・



しかし、この卵は、


踏み荒らされた草の上にあった。



『格闘の痕跡・・・』



その場所は、


数頭の動物が、


戦った跡の様に見えた。



地面には、爪でえぐられた跡・・・


一部の草には、血の跡・・・



周囲に、動物が居ない事は、


調査済みである。



その様な草むらに、


卵が2つだけがあったのだ。



『恐竜の卵だろうか・・・?』


『なぜ、卵だけが・・・?』



事実は解らないが、


考える事は簡単だった。



『格闘中に・・・僕に・・・消費された・・・』


『そして、僕の夢の影響で・・・』


『卵が2つ残った・・・?』



『なぜ、2つ・・・?』



『僕の分は不要なので・・・2つ・・・?』


『僕が、守ると誓った兄弟の卵・・・』



『それが、この卵なのか・・・?』



この草むらで、何があったのかは、


解らない。



しかし、格闘の痕跡はある。



おそらく、あのメス恐竜は実在した・・・


そのパートナーの、オス恐竜も存在した・・・



その2頭が格闘したのか・・・?



それとも、何かに襲われたのか・・・?



どちらにしても、僕の影響で、パニックを起こし、


その為、格闘を行った。



そして、その最中、


僕が夢の中で使った魔法によって、



メス恐竜の胎内の・・・



『受精細胞を卵に成長させた・・・?』


『それが、この草むらに残った・・・』



その際、僕は固定概念を、納得させる為に、


本来、不要な消費魔法を使ったのだ。



『おそらく、メス恐竜も僕が消費した・・・』



その様に考えられた。



『固定概念と、条件反射・・・』



ある意味、魔法を勝手に発動するのだ。



僕は、その様な魔法と、


どの様に向き合って行けば良いのか・・・?



母は、2つの卵を、リュックに入れると、


大切そうに抱え、



「育てる」と言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ