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この星の生物には、魔法の性質が遺伝して居る。
この星には、隕石の衝突か無かった為、
恐竜は、絶滅せずに、強者として君臨して居る。
カラスの卵など、小さいが、その知能が高い、
つまり、一部の恐竜は、それ以上に賢いのだ。
では、この星で、最初に魔法に目覚めたのは?
地上生物が、誕生する以前の、魚であった。
捕食生物から逃げる、競争相手の居ない環境で、
エサを得る。
その為の、生存本能が、進化の過程で、
陸に逃げる事を選んだ。
当然、最初は、一時的な避難である。
長時間、陸に居ると呼吸が出来ず、死んでしまう。
だが、戻っても、食われる。
だが、陸に居れば、呼吸困難で、確実に死ぬ。
結果、代表の1匹が、海に戻る事に成り、
その犠牲によって、
他のモノは、生き延びる。
つまり、陸で、長い時間耐えられるモノが、
子孫を残し、その子孫に、その性質が受け継がれた。
では、そんな魚が、陸に逃げ、
呼吸の我慢比べを続ける時、何を考えるか?
もう、無理だ・・・
でも、もう少し我慢すれば、
誰かが、犠牲に成り、
自分は、生き延びる事が出来る。
もちろん、その保証は無いが、それでも、
その様な事を、考え我慢する。
だが、その我慢が限界に来た時、
「誰か行け!」「ダメだ、もう無理だ!」
そんな断末魔の様な、思考が、生まれる。
これは、正真正銘、心の声である。
それが、意図しないテレパシーを生み、
その後は、念話として、機能してた。
もちろん、彼らに言葉など無い、
しかし、感覚的に、その意思は伝わる。
その為、陸地で我慢出来るモノは、
その経験を繰り返し、その能力を有効に、
使える様に成る。
「この中で、最も限界を感じて居るのは、お前だ」
「我慢して無駄だから、海に戻れ、
それで、食われるか、どうか?
それは、分からない、だが、陸に居たら確実に死ぬ」
その様な事を、感覚的に伝えたのだ。




