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戦士国が、平和国を襲撃した事で、36の意思は、
他にも人類が存在した事実を知る。
戦士が、悪である事は、理解出来るが、
対抗しない平和国に、疑問を持つ事に成った。
一方的に狩られる弱者。
戦士の、見えない手の攻撃、
何をされたかも、理解出来ない。
戦士は平和民を、100人を殺した時点で、
引き返したが、続けて居たら、全滅して居ただろう。
平和民は、これまで、危機感が無かったのか?
しかし、彼らの文明の方が、進歩して居た。
つまり、今回の事が、切っ掛けで、
平和国は、さらに、進歩を得るのでは?
そんな好奇心が、36の執着心を、
戦士から平和民へと、切り替える結果と成った。
そして、36名は、多くを学ぶ。
もし、将来、我々を深海から引き上げ、
カプセルから解放してくれる者が居るなら、
それは、平和国民だ。
もちろん、それは、何世代も先の事に成る。
しかし、彼らは進歩に、生きる意味を、
見出だして居る。
死ぬ為に生きて居る戦士とは、根本的に違う。
平和民の中にも、トップ化した者が居る。
だが、トップ化出来ない者も、大勢居る。
一方、戦士国は、トップ以外は、
子孫を残さず、死に絶えた。
ところが、平和民は、トップ化出来ない者の方が、
大勢居るのに、誰も、困って居ない。
むしろ、トップよりも、普通の選手を応援して、
楽しんで居る。
普通が、普通を求め、それが成立する世界で、
絶えず、進歩を繰り返す。
この矛盾が、成立する理由は?
ただの娯楽、退屈を解消する為の日々、
その為の努力。
平和国民は、自給自足が、完璧に機能して居て、
生活で困る事が無い。
その為、多くの時間を、娯楽に使える。
だが、その娯楽も、毎日続けば、退屈に成る。
しかし、そんな者は、1人も居ない。
なぜなら、各自が、楽しみを継続する為に、
修練を欠かさないのだ。
ただ、見ているのでは無く、
見るべき点を見て、記録して、その進歩を書き残す。
結果、凡人から、通常選手のコーチや、
監督が誕生する。
それを見て、残りの者は、そのチームを分析する。
つまり、観客が、見所を理解して、成長して行く。
結果、選手や、監督が評価され、
更なる、やる気を生む。
その好循環によって、チームは強く成り、
対戦チームも、同様に進歩して行く。
つまり、凡人の、最大限が、引き出され、
チームも、ファンも、自身の成長を理解出来る。
それが平和国であった。




