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これは魔法の書です。  作者: わおん
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僕は、事実を理解した。



魔法を使う時、何かを消費する必要は無い。



ところが、僕は、


これまで、魔法を使う為には、


何を消費する必要があると、


思い込んでたい。



これは、生前から、


その様に思い込んでいた。



だから、僕の使う魔法は、


最初、使い難いのだ。



つまり、



『魔法は使えば上達する・・・』



それは間違いである。



『上達するのでは無い・・・』



最初、無意味な、消費魔法を使いながら、


必要な魔法を使う事で・・・



『上手く行かないのだ・・・』



最初、無駄な事をしているのだ。



2つの事を同時に行っているのだ。



無駄な、消費魔法と、


必要な、魔法を、


同時に使っていたのだ。



だから上手に出来ないのだ。



しかし、


その後、本当に必要な、


1つの魔法に、専念する事で・・・



『普通に出来る・・・』



『それを、僕は、上達と考えていた・・・』



上達と勘違いしていたのだ。



僕は、その事実に、衝撃を受けた。



瞬間移動を使う時、


必要のは、瞬間移動魔法であり、


消費魔法など、不要なのだ。



ところが、巨木を木材置き場に移動させる時、


最初、無意味に、消費魔法も使っていた。



だから、最初は、時間がかかった。



しかし、本来は、


瞬間移動だけで、出来る作業である。



『つまり・・・』



僕の中で、罪悪感が増して行く・・・



僕が、この原始の世界に来た時、


僕は、津波を起こした。



事実確認は出来ないが、


それ以外に考えられない。



そして、その際、


僕は、多くの命を消費した・・・



しかし、


命の消費は必要、無かったのだ。



必要が無いのに、僕は、全てを殺したのだ。



津波を受けても、生き残るチャンスあった。


しかし、’僕は、その多くの命を、


無駄に消費したのだ。



おそらく、間違い無い・・・



なぜなら、現在、目の前にあるのは、


生き物が居ない草むらである・・・



僕が、消費したのだ。



本来、その必要は無いのに・・・



僕は、僕の夢にリアリティーを出す為に、


草むらの動物を、全滅させたのだ。



この瞬間、僕は、多くの事を理解した。



おそらく、僕の千里眼は、


世界のどこでも見る事が出来る・・・



僕が、その気に成れば・・・



生前、僕が住んでいた家・・・


今、現代の家族が、どの様にしているのか・・・?


それを見る事も出来るのだ。



しかし、僕は、それをしない。



僕の無意識は、


その危険性を、理解していたのだ。



見る事で感情が暴走する危険性・・・


それを理解していたのだ。



だから、今も、僕の心のブレーキが、


千里眼に制限を与えているのだ。



世界の全てが見えて、


そのピンチを助ける事が出来る・・・



それを、安易に実行する事は、危険なのだ。



『シマウマを助けると、ライオンが死ぬ・・・』



神様が実在するとは思えないが、


もし、実在したとしても、



『誰も助けないだろう・・・』


『助ける訳には行かないのだ・・・』



生前の僕は、考えた。



魔法で、癌を治療すれば、


医者が仕事を失う・・・



それは、人類の誇りを奪う行為である。



原始時代から、人は、治療法を探し求めてきた。


多くの人が犠牲と成って、医療は進歩した。



人の命と、人の必死で、


医学は、進歩したのだ。



それは、人類の誇りである。



人は、誇りを守る為に、生きているのだ。



ところが、そこに、魔法が登場した場合・・・



意味不明な方法・・・


誰にも、受継げない方法・・・・



それを使い、どんな病気も一瞬で治療出来る。



そんな魔法使いが現れたら・・・・?



人類の誇りは、どうなるのか・・・?



その後、人類は、何の為に生きる・・・?



『魔法は、正義ではない・・・』



人が人の命を助けるのは、道徳である。



人として、正しい・・・



しかし、魔法で人を助けた場合、


それは、人類の未来を奪う事に成る。



人の努力を無意味にする・・・


人の助けを不要にする・・・



全人類の努力よりも、


1人の魔法使いの方が、


役に立つ事実・・・



結果、多くの人は、生きる目的を見失う・・・



そして、その影響は、生きる意味を持つ者も、


巻き込んで行く・・・



『医者を目指しても無駄・・・』


『生徒が集まらないので医学部が廃止・・・』


『医者に憧れても・・・』


『医学部が無い・・・』



様々な分野で、それが起きる・・・



仕事の価値を奪い・・・


学ぶ価値を奪い・・・


学ぶ環境を奪う・・・


それが魔法である。



つまり、


この世界に魔法は登場しては、いけないのだ。



『魔法で助けては、いけない・・・』



しかし、僕は、魔法使いである。



『どの様にして生きるベキか・・・』



生前の僕は、毎日、


その様な事を考えていた。



そして、僕は、今も生きている。



心のブレーキを使い、


魔法を使い難くしている。



世界を守る為である。



そして、その方法の1つが、


無駄な消費魔法だったのだ。



しかし、僕は、世界を守る為の、


心のブレーキで、


多くの命を奪ったのだ。


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