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これは魔法の書です。  作者: わおん
2309/2313

2309

自分しか居ないと思って居る。


その状況で、振り返ったら、知らない誰かが居た。


それで驚くのは、当然である。



だが、36の意思が得た衝撃は、


それ以上のモノだった。


人が殺し合って居たのだ。



結果、彼らの思考は、強烈な影響を受け、


他を見る選択肢を失った。



その為、戦士の日々を見る事と成る。


その後は、その愛着と、習慣によって、


36名は、何の疑いも無く、


彼らを、唯一の人類として、見て居た。



36が理解に苦しむのは、


戦士たちが殺し合う事である。



なぜ、殺す必要があるのか?


元々の役目は、異星を探し、生き延びる事である。



その為、遺伝子改造を受け、コンピュータの指示で、


この星に到着したのだ。



ところが、そんな人類が、殺し合う事で、


人数を減らして居る。


しかも、彼らは、原始的な生活をして居る。


文明の発展よりも、殺し合いを優先して居るのだ。



何とかして、彼らの事情を知りたい。


だが36の念は、36名に限定されたモノであり、


他種族化した地上生物とは、異なるモノである。



その為、見る事しか出来ない。


だが、見る事で、得られる事もあった。


彼ら戦士は、誇りの為に生きて居るのだ。



生きる意味の為に、殺し合って居る。


大変な矛盾に思えるが、


母星から、脱出して、長い旅をした。



その間、何世代もの人類が、


ただの移動の為に死んで居る。



それを正しい事と、コンピュータと遺伝子が、


認識させて居た。



しかし、コンピュータを失い。


その後も、生存を続け、生きる事の意味に、


疑問を持った。



だが、死ぬ必要は無い。


だが、生きる意味も無い。


だから、必死に生きる為、必死に殺し合う。



ところが、そんな戦士が、ある時期から、


殺し合いを止め、競技を始めた。



それが、ルールのある試合だった。


関節技で戦ったり、恐竜に乗って棒で突く。



それらは、合理的に思えたが、


戦士たちは、満足して居ない。


そして、それを見る36名も、物足りない。



つまり、戦士も36名も、過激を求めたのだ。


それが、彼らにとって、初めての、


共通認識と成った。



その葛藤かっとうが、戦士の性質を呼び戻し、


トップ・プロを出現させる切っ掛けと、成った。


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