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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、僕は、メス恐竜の死体の中で、


考えている・・・



どの様にすれば、


脳死を回避出来るのか・・・?



僕は、魂で思考出来る。



そして、思い浮かんだのが、


脳の無い、恐竜として、


産まれる方法であった。



脳が無くても、


僕は、魂で思考する事が出来るし、


移動魔法で、身体を動かす事も出来る。



しかし、それには、問題があった。



兄弟は・・・?



現在、僕は、メス恐竜の胎内に、


3つの卵があると考えている。



その1つが、僕であり、


残りに2つが兄弟である。



僕は、この兄弟を助ける義務がある。



僕が原因で、死なせてしまったメス恐竜、


その子供を、無事に育て、子孫を残す・・・


それが、僕の役目である。



僕は、その様に認識している。



これは、芝居ではない。


僕の性格上、本心なのだ。



僕の魔法は、大切な誰かの為に発動する。



その為、現在、魔法が発動して、


僕と兄弟の、成長と進化が、


始まっているハズである。



『一体、どの様に成るのか・・・?』


『人型恐竜に成るのでは・・・?』


『その場合、子孫はどう成る・・・?』



そんな特殊固体として生まれた場合、


子孫など、残せないのだ。



結婚相手・・・パートナーが存在しないのだ。



つまり、独自性の強い進化は、危険である。



恐竜型で生まれる必要があるのだ。



そこで考える・・・



『原始人の脳は発達している・・・』


『だから、原始人は、道具が使える・・・』


『だから、原始人は、魔法が使える・・・』



その為、原始人の胎児であった僕は、死んだのだ。



『脳型魔法が発動したのだ・・・』


『脳が、魔法の負担に負けたのだ・・・』



『では、恐竜は・・・?』


『恐竜は、道具を使わない・・・』


『おそらく、使えない・・・』



『脳の構造上、そこまで賢くない・・・』


『だから、道具が使えない・・・』



『結果、魔法も使えないのでは・・・?』



『恐竜の脳には、道具を使う機能が無い・・・?』



その可能性は、充分に考えられた。



『原始人には、言葉があった・・・』



結果、高度な会話が可能なのだ。



しかし、恐竜には、それが無い・・・



『つまり、恐竜として生まれた場合・・・』


『脳型魔法は、使えないのでは・・・?』



魔法には、


魂で使う、魂型魔法と、


脳で使う、脳型魔法が存在する。



そして、脳は、魔法の負荷には、耐えられない。



結果、


一定レベル以上の、脳型魔法を修得した瞬間、


脳が破壊され、死んでしまう。



しかし、恐竜の脳には、


魔法を使う機能が、存在しない・・・



その為、脳型魔法は発動しない・・・



あくまでも、僕の考えではあるが、


この仮説には、根拠があった。



もし、野生動物に、魔法の素質があれば、



狩りの最中、魔法で、獲物を捕まえる。


あるいは、魔法で、逃げる。



それらが日常的に繰り返されている。



しかし、その様な事実は無い。



つまり、魔法を目覚めさせる為には、


人間レベルの知能が、必要なのである。



ところが、脳は、魔法に耐えられない・・・



結果、この世界に、魔法使など存在しないのだ。



僕は、本当に偶然の存在だったのだ。



物心つく前に、姉にだまされ、


自分を魔法使いと勘違いして、



魔法を目覚めさせた。



この時、僕は、魔法など知らない。


何の先入観も無い。



手を振れば、トイレのフタが開く・・・・


それを、当然の事だと認識したのだ。



心の中で、少しの疑問も持っていなかった。



自分には、それが出来ると、


純粋に勘違いしたのだ。



もし、僕が、もう少し成長していて、


少し疑問を持っていたなら、


魔法は目覚めなかっただろう。



しかし、僕の場合、絶妙な幼さで、


魔法の存在を、純粋に信じたのだ。



もちろん、魔法の存在を信じる幼児は、


世界中に大勢いる。



ところが・・・


僕の場合、少し違っていた。



僕には、異常があった。


おそらく、脳に、異常があったのだ。



その異常の影響で、


僕は、同じ事を繰り返す・・・



何度も何度も練習する・・・


その様な性質があった。



つまり、「飽きなかった」のだ。



夢中に成ってしまうと、


痛みを感じなく成り、


気絶するまで、玩具のゴルフを続け、


入院する幼児・・・


世界的に珍しいと思う。



僕は、これを演技でやった訳ではない。


苦しいなどと考えていない。


頑張っているなどと、思ってはいない。



自分の意志で、普通に、やっていたのだ。



脳に異常があったから、


出来た事なのだ。



そして、そのタイミングで、


僕は、ヒーロー番組の影響を受け、


魔法を秘密にする事に成功した。



もし、僕が、魔法の事を周囲に自慢して、


周囲の反応で、魔法が異常な事であると、


認識していたら・・・



成長によって、不思議な力が失われる・・・



その仕組みによって、


僕の魔法も消えていただろう。



しかし、僕は、その後、小学5年生に成るまで、


ラムネ菓子で、ブドウ糖を補給しながら、


回復魔法を使い・・・



魔法使いとして、生き延びた。



結果、移動魔法を上達させ、


脳が、その負担に負け、死んでしまう直前、


僕は、魂の瞬間移動を発動させる事に成功した。



原始人の胎児に成ったのだ。



ところが、


1度修得した脳型魔法の技術は、


転生した僕にも、受継がれ、


胎児に脳が出来、


それが機能した事で、


僕は、再び死んだ・・・



しかし・・・


ここに来て、状況に変化が起きた。



『今度は、恐竜の胎児に成ったのだ・・・』


『恐竜は、魔法使いに成れない・・・』


『恐竜の脳では、脳型魔法は使えない・・・』



つまり、恐竜として、生まれて来る僕に、



脳が出来ても・・・


脳が機能しても・・・


僕が死ぬ事は無い・・・



『そして、僕は、恐竜として誕生して・・・』


『魂型の魔法使いに成る・・・』



僕は、その様に核心した。



つまり・・・



『僕がやるベキ事・・・』



それは、


メス恐竜の胎内にある3つの受精細胞を、


卵に進化させる事、特別な事は、考えない・・・



成長魔法で、短期間で卵に成ってもらう・・・


普通の恐竜として生まれてもらう・・・



それだけを考える。



現在、このメス恐竜の死体は、


牛の大地にあるのだ。



このまま、放置すれば、


肉食動物に食べられてしまう・・・



急ぐ必要があった。


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