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これは魔法の書です。  作者: わおん
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224

原始人の胎児だった僕は、


脳が機能を開始した事で、死んだ・・・



そして、死ぬ直前、


僕は、メス恐竜を見付け、


その胎内に、自分の魂を瞬間移動させた。



つまり、僕は、このメス恐竜のお陰で、


生き延びる事が出来たのだ。



災害を起こさずに済んだのだ。



このメス恐竜のお陰で、


世界は救わたのだ。



僕は、このメス恐竜に恩を感じている。



しかし、このメス恐竜は死んでしまった。



それは、僕が、瞬間移動を行った事が、


原因だと考えられる。



先ほど僕は、原始人の母を、


ネズミの森に送り届ける為、


瞬間移動を行った。



その時点で、僕は、


すでに、メス恐竜の胎内に居た。



結果、このメス恐竜も、


瞬間移動に巻き込まれたのだ。



その後、僕の瞬間移動で、


メス恐竜を、元の場所に戻した。



しかし、それで、メス恐竜が、


安心出来る訳がない・・・



ここで、僕の千里眼は途絶えたので、


その先の事は解らないが、


考える事は出来る。



恐竜は、野生動物である。



警戒心が強い、


そんな恐竜が、


意味不明な現象に、巻き込まれたのだ。



その結果、おそらく、メス恐竜は、


その場から、逃げ出した。



本来、子作りは、


外敵に襲われ難い場所で行う。



つまり、そのまま、


その場所にいれば、安全だったのだ。



ところが、瞬間移動に巻き込まれた事で、


パニックを起こし、


安全な場所から、逃げ出した。



そして、襲われ死んだのだ・・・


その様に考えられる。



つまり、メス恐竜の死は、


僕に原因があるのだ。



『では、そんな僕に何が出来る・・・』



メス恐竜を、


生き返られる事は、出来ないのだ。



『では、何が出来る・・・?』



僕は、僕の気持ちを誘導して行く。



今、メス恐竜の胎内には、


複数の、受精細胞が存在する。



『卵に成る前の段階・・・』



メス恐竜の子供である。



『この子供を、無事に誕生させ育てる!』


『それが、僕に出来る唯一の事だ!』



『では、どの様に、すれば良いのか・・・?』


『今、必要な魔法は何か・・・?』



そこで、考える。



僕の無意識は、なぜ、


「回復」魔法を発していたのか・・・?



メス恐竜は、死んだので、


「回復」魔法を使っても無駄である。



つまり、僕の無意識は、


受精細胞に、回復魔法を、


送っていたと考えられる。



『では、なぜ、受精細胞に・・・』


『回復魔法を送っていたのか・・・?』



『なぜ、回復だったのか・・・?』



僕の無意識には、善意など存在しない。


僕が助かる為なら、条件反射で、


魔法を使う。



つまり、メス恐竜を見捨てて、


別世界に移動する選択肢もあったのだ。



『では、なぜ、それをしなかった・・・?』



そして、考える。



『なぜ、回復魔法を使った・・・?』


『回復を行っても・・・』


『その先は無い・・・』



この場合の、回復魔法とは、


成長効果があると考えられる。



しかし、僕が、恐竜の卵に成長した場合・・・



『結局は、死んでしまう・・・』



卵から出る前に、


脳が機能して、死んでしまうのだ。



そんな事は、僕にでも思い付く・・・


つまり、僕の無意識も承知の上である・・・



『では、なぜ、別世界に移動しなかった・・・?』


『卵を成長させる為に、魔法を使った・・・?』



冷静に考えた場合・・・



死んだら、次に移動する・・・


それは、そんな簡単な事では無いと思う。



そもそも、ここはどこなのか・・・?


過去の地球なのか・・・?


それとも、別の惑星なのか・・・?


どの様にして、ここを探した・・・?



おそらくは、僕の無意識が、


条件反射の、


無我夢中で・・・


取り乱し・・・


暴走して・・・



結果、



『偶然に、たどり着いた・・・』



おそらく、異世界に行く事など、


想定していなかったと、考えられる。



我を忘れ、全力魔法を発動した結果、


僕は、この世界にたどり着いたのだ。



『もう1度、出来る保証は無い・・・』



その様な、現象だったと考えられる。



次の身体を「のんびり」と探せるのなら、


僕は、この世界に来る必要は無かったのだ。



元の世界・・・


つまり、日本で、


次の身体をさがせば良かったのだ。



しかし、僕の無意識は、それをしなかった。



つまり、それは出来ないのだ。



『死ぬ直前の、一瞬・・・』


『その一瞬で、次を探す・・・』


『その為の行動を開始する・・・』


『とにかく、僕の魂を引き付ける何か・・・』


『その何かに向かって、瞬間移動を行い・・・』



そして、その世界で、


子作り中の動物を見つける・・・


その必要がある。



その様に考えられる。



僕の無意識は、あくまでも僕である。


神でも天才でも無い。



結果、無意識の判断は、僕の判断なのだ。



それを踏まえて考える。



では、なぜ、僕の、無意識魔法は、



『回復魔法を、発動させたか・・・?』



回復させても、


結局、死んだ恐竜の胎内で、


僕は死んでしまう・・・



それなのに、なぜ、


回復魔法を発動させていた・・・?



千里眼を強化させ、次を探さなかった・・・?



道徳を無視した場合、


次を探した方が合理的なのだ。



別世界には行けなくても、


先程と同じ手順を実行すれば、


この原始の世界で、次の母を探す事も、


出来たハズである。



しかし、僕の無意識は、それをしなかった。



そして、気付いた・・・



おそらく、僕の無意識は、


僕に判断を求めたのだ。



今後も、脳が機能して、死ぬ。



『それを繰り返すのか・・・?』


『それとも・・・』


『それを改善するのか・・・?』



そして、僕は、気付く・・・



『脳が機能して死ぬ・・・』


『それを改善する方法が存在する・・・!』



僕は、そう核心した。


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