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これは魔法の書です。  作者: わおん
221/2327

221

原始人の胎児として、


5ヶ月が経過して・・・



僕は、死んだ・・・



そして、現在、


メス恐竜の胎内にいる・・・



どれくらい時間が経っただろうか・・・?


時間の感覚が曖昧である。



数分なのか・・・?


数時間なのか・・・?



気に成るのは、


ネズミの拠点にいる、家族の事だった。



『母は、大丈夫だろうか・・・?』



突然、胎児を失ったのだ。



『身体は、大丈夫なのか・・・?』



僕が居なくても、


回復魔法は使えるのか・・・?



『それとも、使えない・・・?』



『その場合、母の身体は、どう成る・・・?』



『どう成っている・・・?』



考えても解らない・・・



ただ、時間だけが過ぎて行く。



『精神的には、どうだろうか・・・?』


『もし、回復魔法が使えても・・・』



精神を治す事は、出来ないのだ。



『子供を失ったショック・・・』


『母は、今、どの様な状態なのか・・・?』



『助けたい・・・』



などと考えていると、


それは、突然、起こった。



『回復魔法が発動している・・・?』



通常、回復魔法は、


無意識に出るモノであり、


魔法が出ている実感など、


無いに等しい。



しかし、今、その回復魔法が、


異常なレベルで発動している・・・



『何が起きている・・・?』



原始人の母に、


回復を送っているのか・・・?



と考えるが、


それは、現実的ではない。



今の僕には、原始人の母が、


どの方角にいるのか・・・?



それさえ解らないのだ。



残念ながら、母との心の「つながり」は、


完全に断たれている。



つまり・・・


この回復魔法は、


母に向けてのモノでは無いのだ。



という事は、



『この魔法は・・・』



僕の無意識が、メス恐竜に向けて、


発しているモノなのだ。



回復魔法が、異常なレベルで出ている。



『メス恐竜に、何かが起きた・・・』



その瞬間、僕は、直感した。



『逃げている・・・?』


『何かに襲われて・・・?』


『逃げている・・・』



『その為、回復魔法を使い・・・』


『疲労軽減を行っている・・・?』



それが、僕の出した答えだった。



通常、出している感覚の無い、


回復魔法だが、



過去に1度、


その感覚を意識した事があった。



芋を掘る為に、向山に行った時である。



ネズミの拠点から、向山までの距離は、


300キロ・・・



しかも、その道のりには、


枯れた木々が存在している。



ところが、我々は、


その時、300キロの距離を、


たったの1日半で、走りきったのだ。



『なぜ、そんな事が出来たのか・・・?』



それは、異常なレベル回復魔法が発動して、


結果、全力疾走を、持続出来たからである。



そして、今、


その時、以上に、異常なレベルで、


回復魔法が発動しているのだ。



つまり、


おそらく今、


メス恐竜は、何かに追われ・・・


逃げている・・・


走っている・・・



と思ったのだが・・・



『あれ・・・?』


『走っている・・・?』



その時、僕は、疑問に思った。



『逃げるにしては、長過ぎないか・・・?』



チーターは、走るのが速いが、


そのスピードで、走れる距離は短い・・・


時間にすると、数秒間である。



僕は、その様に記憶している。



それを踏まえて、



『回復魔法が発動して・・・』


『今、何秒・・・・?』



すでに、1分以上経過している様に思える。



回復魔法で、


メス恐竜は、全力疾走が持続出来る。



『しかし、それを追う獣は・・・?』


『全力疾走で、1分も走れるのか・・・?』



という事は、



つまり、



『メス恐竜は、追われている訳ではない・・・』


『では、この魔法は、何だ・・・?』



普通に考えれば、


答えは簡単だった。



『襲って来た相手と、格闘している・・・』


『それが1分以上続いている・・・?』



『勝てるのか・・・?』



そして気付く・・・



『あれっ・・・?』


『もしかすると・・・』


『襲われているのでは無く・・・』


『獲物を追っている・・?』



そう考える方が、自然に思えた。


ここは、牛の生息地である。



恐竜を襲わなくても、


食べ物はあるのだ。



つまり、


この、メス恐竜を襲う存在など居ない・・・



つまり、


現在、メス恐竜は、何かを追っている・・・



だから、僕の無意識魔法が発動して、


その疲労を回復させている・・・



と考えられる。



しかし・・・



『本当に、そうなのか・・・?』


『狩りをするの為に、異常なレベルの・・・』


『回復魔法が、必要なのか・・・?』



だったら、これまでは、


どの様に、狩りをしていた・・・?



『状況を知る必要がある・・・』



僕の無意識は、回復魔法が必要と考え、


異常なレベルで、発動させているのだ。



『一体、何の為に・・・?』


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