表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これは魔法の書です。  作者: わおん
212/2335

212

この世界の未来に関わる全ての事は、


基本、僕1人で考えている。



家族に意見など求めない。



意見を、求めても、


実行するのは、僕であり、


僕の納得が無ければ、


魔法は発動しない。



また、魔法が発動したとしても、


それは、僕の考え通りに、


実行される保証は無い。



僕の無意識や、僕の恐怖心・・・



その思いが、優先的に実行されるのだ。



つまり、家族の意見を聞いても、


それを実現出来るとは、思えないのだ。



だったら、最初から、聞かなければ良い。



『僕の理屈では、問題無い・・・』



僕1人で考えているのだから、


その様に錯覚するのは、


当然であった。



湿地川の北側、


つまり、牧草の無い側・・・



その、ネズミの森の中、


そこに、乾燥室を作る。



僕は、必死に考えたのだ。



そして、何度も考え、


それが最善と、考えたのだ。



しかし、本当に、そうなのか・・・?



実の所、そんな事は、解らない。



僕が、最善と信じたいだけ・・・


それが事実である。



しかし、悩んでいても、何も完成しない。



時間が無いのだ。


作る以外に無いのだ。



こうして、


森の中での、


乾燥室作りが始まった。



森の中に作った「平地」の大きさは、


縦30メートル、


横5メートル、



その範囲の、立ち枯れの木々を全て抜き、


魔法の力で、平らな地面にした。



その平地に、


父と祖母と母が、協力して、


通称・レンガ風呂を7つ完成させた。



レンガ風呂が7つ並ぶ「平地」


通称・「レンガ風呂広場」



その広さは、


小学校の教室3つ分くらい。



ここは、ネズミの森の中である。



その為、「レンガ風呂広場」の周囲は、


全て枯れた木々である。



つまり、レンガ風呂の周囲は、


巨木の柱が建っている状態なのだ。



そこで、それを柱として、柵を作る。



父や祖母でも、


柵が壊れる前に、


補修出来る。



実際、この柵も、2人が作ったのだ。



『この2人なら大丈夫だ・・・』



僕は、核心した。



そして、その間、僕は、


考えていた。



『球場サイズの牧場・・・』



そのサイズの柵を作り、


その中で、牛を飼う場合・・・



『毎日、大量の牧草を、運ぶ方法・・・』



現在、牧草は


南に1キロ、


西に20キロの範囲に生えている。



『もし、球場牧場を作ったとして・・・』


『その周囲の草を、運べたとして・・・』


『その後は・・・・?』


『どうなる・・・・?』



『球場牧場の周囲の草が無くなったら・・・?』



父や祖母は、最終的に、


片道20キロ歩いて、草を集め、



その後、重さ数十キロの草を、


まとめて、それを持って、


20キロ引き返して、


牛に与える事に成る。



そこまでして、


牛を育てる必要があるのか・・・?



『現実的に可能なのか・・・?』



問題は、他にもあった。



球場サイズの牧場に、川の水を引き込み、


水飲み場を作った場合。



水のある季節は、


それで良い・・・



しかし、水不足の季節が来たら・・・



『牧場に水を運ぶのか・・・?』


『誰が、どうやって・・・?』



残念ながら、僕が死んだ場合、


牧場の維持は困難であった。



『結局は、放牧以外に方法は無いのか・・・?』



しかし、放牧にも問題がある。



『逃げ放題の牛を狩れるのか・・・?』



そこで考えた。



山菜森の先にある山・・・


通称・「狼山」



そこには、柴犬サイズの狼が生息している。


通称、「柴狼」



その柴狼を連れて来て、


『タロと同様に賢くする・・・』


『そして、牧用狼として・・・』


『働いてもらう・・・』



『牧用狼がいれば、柵は必要無いのか・・・?』



僕の理屈では、


牧用狼が誘導するから、


柵は不要であり、



賢い牧用狼が、


草のある位置に、


牛の群れを誘導してくれる。



つまり、



『この牧草地に定住してくれる・・・』


『結果、柵は不要であり・・・』


『3ヶ月に牛1頭狩るのも簡単に成る・・・』



これは、名案に思えた。



しかし、



『牧用狼の食料はどうする・・・?』



家族が増えれば、


貴重な肉の消費が、増えてしまう。



結果、牛が足りない・・・


牛を増やせば、草が足りない・・・


その様な状況に成る。



『では、柴狼はやめて・・・』


『タロに、お願いする・・・?』


『タロに、牧用狼をやってもらう・・・』



『タロほど賢ければ・・・』


『牛の誘導が、出来るだろうか・・・?』



『タロ1頭で、何とか成るのだろうか・・・?』



『タロを、牛の群れのリーダーにする・・・』


『タロには、牧草地で生きてもらう・・・』



『しかし、その場合、タロは何を食べる・・・?』



タロには、肉が必要である。



つまり、父にも、牧草地の近くで、


生活してもらう必要がある。



『タロの食事係として、生きてもらう・・・?』



『祖母には、ネズミの拠点に残って・・・』


『芋の栽培を続けてもらう・・・?』



その距離、200キロ・・・



『それが家族なのか・・・?』


『これが生きるという事なのか・・・?』



『納得行かない・・・』



そこで、考える。



タロが牛の群れを管理すれば、


牧草地の近くに、芋畑を作っても、



『牛に食べられる心配は、無いのでは・・・?』



しかし、これは、机上の空論である。



タロが、牛の群れのリーダーに成れる保障は無いのだ。



『問題だらけだ・・・』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ