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これは魔法の書です。  作者: わおん
208/2327

208

ネズミの拠点から、


南に200キロの地点に、


牧場予定地がある。



牧場予定地の、


南には、


山崩れによって出来た、土砂の壁があり、



北には、


湿地帯を作り変えた、湿地川が流れている。



土砂の壁と、湿地川との距離は、約40キロ、


その間を、牧草地にする計画である。



僕は、毎日、塩分の除去を行い、


牛の大地で、集めた草を、植えている。



現在は、春なので、草集めは、


簡単に行う事が出来た。



植えた草も順調に育っている。



しかし、問題もある。



『そろそろ牛を連れて来るか・・・?』


『何頭・・・?』



残念ながら、牛が、


どの程度の草を、必要とするのか・・・?



それが、全く解らないのだ。



おそらく、日本の牧場の場合、


一般的に、牧草を購入している様に思う。



牧場は、限られた範囲で、


多くの牛を飼うのだ。



結果、その土地の草だけでは足りない・・・



しかし・・・



『マサイ族は・・・?』


『マサイ族は牛を飼っている・・・』



現代に成って、状況は変わっているだろうが、


マサイ族が、牧草を購入しているとは思えない。



おそらく、地面に生えた草だけで、育てている。



つまり、我々が食べる牛を育てるだけなら、


牧草地に生えた草でも、充分に育てられる。



という理屈に成る。



『では、牛は、何頭必要か・・・?』


『どの程度、子供を生む・・・?』



そこで、テレビで見た光景を思い出す。



しかし、それは、日本の牧場の話であった。



テレビの演出上、ドラマチックに行われていた。



『吐く息が白かった・・・』


『つまり、出産は、寒い時期・・・?』


『1回に1頭出産していた・・・ハズ・・・』



この記憶を信じるなら・・・



牛は、寒い時期に1度だけ出産する・・・


その様に予想出来る。



しかし、


その記憶は、日本の話であり、



ここは、


恐竜も生息する野生の世界なのだ。



つまり、この世界の牛と、


現代の牧場の牛では、


出産事情が異なるのは、当然である。



『困った・・・』



しかし、悩んでも仕方が無い・・・



それを踏まえて、


牛は、1年に、1度、1頭、出産すると考える。



『では、その出産が何年続くのか・・・?』


『毎年、産むのか・・・?』



それも解らない。



しかし、この世界の牛は、滅んでいない、


という事実・・・



つまり、肉食獣に食べられても、


滅びない程度の、子供を残している・・・


という事に成る。



では、我々は、1年に何頭の牛を食べる・・・?



今後、干し肉作りが本格化した場合、


肉の保存が可能に成る。



『2ヶ月に1頭食べる・・・?』



芋や、山菜の栽培が、可能に成れば、



『3ヶ月に1頭で大丈夫か・・・?』



あくまでも、机上の空論である。



しかし、


1年に4頭の牛が必要であると考えられた。



では、



『毎年4頭の牛を食べる為には・・・』


『何頭の牛を育てる必要がある・・・?』



4組の牛夫婦が、子供を作れば、


毎年、4頭の牛が確保出来る。



しかし、これでは、


『食べたら終わり・・・』


『子孫が残らない・・・』



つまり、子孫を残す為の、牛夫婦も必要なのだ。



『では、その牛は何頭必要か・・・?』


『何頭いれば、子孫の数が安定する・・・?』



牧草の量を考えた場合、


牛が多過ぎるのも問題である。



それを踏まえ・・・



牛夫婦8組、


合計16頭の牛が必要。



僕は、その様に結論を出した。



しかし、ここに、


オス8頭、メス8頭連れて来ても、


それらが、全て夫婦に成る訳ではない。



牛が子牛を産んでも、


その日に、食べる訳ではない。



その牛が、大人に成って、


子供を産み、歳をとった時、



我々は、その牛を食べるのだ。



この仕組みが、安定するまでの間、



我々は、別の牛を育て、


それを食べる必要がある。



と成ると、



『若いオス牛8頭』


『若いメス牛8頭』



『今年、食べる為に、大人の牛が4頭・・・』



『最低でも20頭の牛が必要に成る・・・』



『牧草が足りるのか・・・?』


『川の水は汚染されないか・・・?』



牛は、川で水を飲むが、


その川で糞尿をする・・・



つまり、


フンを食べる魚と、


水を浄化する水草も必要なのだ。



しかし、これにも問題がある。



僕の予想では、


この枯れた大地は、秋ごろに成ると、


水不足に成る。



結果、湿地川は枯れる・・・



元々、この枯れた大地は、


草原であった。



牛や恐竜が生息していたのだ。



つまり、野生動物が、


生き延びる為に、必要な水は、


確保出来るハズなのだ・・・



しかし、


枯れた大地には、木が生えていない・・・


草は生えるが、木が育たない・・・



この事から、


枯れた大地には、


ほとんど、雨が降らないと考えられる。



そして、枯れた大地の川には、


石が無い・・・


これは、水の流れが弱い事を意味する。



そして、その川は、森を出て、


20キロの地点で途切れる・・・


これは、水が少ない事を意味する。



つまり、枯れた大地は、


水が少ない地域なのだ。



その結果、秋に成ると、


川の水は枯れる・・・



では、なぜ秋なのか・・・?



もし、夏に水が枯れたら、


野生動物は、死滅している。



つまり、夏を乗り切るだけの水と草が、


この枯れた大地には、存在したのだ。



では、なぜ、秋に水が「枯れる」と、


断言出来るのか・・・?



それは、原始人が山で生活していた事から、


予想出来た。



おそらく、秋に成ると、


川の水が無く成る・・・



結果、牛は、草を求め、森に入る・・・


それを追って恐竜も、


森に入る・・・



つまり、森で生活すれば、


恐竜に襲われるのだ。



結果、原始人は、山で生活していた・・・



2足歩行の恐竜は、山の斜面では、


極端に不利に成る為、


山には入って来れないのだ。



だから、原始人は、


平地でも無く


森でも無く、


山で暮らしていたのだ。



僕は、その様に考えた。



そして、この事から、



『秋から冬にかけて、水不足に成る・・・』



僕は、その様に予想したのだ。


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