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これは魔法の書です。  作者: わおん
17/2277

017

当時の僕は、5歳、幼稚園の年長組、


覚醒から、数ヵ月後・・・



正月の出来事である。



部屋の中を舞う、1つのホコリ・・・



それは、目を離すと見失うレベルの、


小さな羽毛。



それが、僕の手の中に着地した。


通常では、まず起こらない現象である。



僕が住んでいるのは、豪雪地なので、


ダウンジャケットや、羽毛布団の使用頻度が高く、


羽毛の入手は簡単だった。



しかし、現在、正月、


家には、姉、母、父がいる。


その為、気楽には、練習出来ない。



そこで考えたのが、


トイレでの練習だった。



しかし、僕のトイレが長いと、問題に成る。



僕は、脳のブドウ糖が、不足する体質・・・


と、いう事に成っていたのだ。



だから、僕のトイレが長いと、


「気絶しているのか?」


と、心配されてしまう。



結果、短い時間で、最大限の練習効果を、


出す必要があった。



そこで考えたのが、


超ギザギザ飛行である。



まず、トイレに入る。


そして、右指で、つまんだ羽毛を離す。



すると、羽毛が、左側に飛んで行く。


もちろん、魔法で飛ばしているのだ。



その時、僕は、その羽毛を、魔法の力で、


上下5センチ幅の、ジグザグに動かし、


それを、右から左に飛ばして行く。



時間にして10秒以内。



羽毛が無くなる事など、気にしない。


とにかく時間が無いのだ。



少ない時間で、少しでも練習したいのだ。


その結果が、超ギザギザ飛行を生んだのだ。



慣れてくると、ズボンを脱ぎながらでも、


出来る様に成った。



そして、夜でも1人で、トイレに行く様に成った。



本当は、恐いのだが、


親に見られるリスクを減らす為、


仕方が無かったのだ。



ところが、ある日、気付いた。



ちなみに、当時、僕は、その事に、気付いた瞬間、



『ギザギザ、練習じゃない・・・!』



と思った。



しかし、これでは通じないので、


その時の、思考を説明すると・・・


以下の様に成る。



『ギザギザ飛行を続けて、何に成る・・・?』


『これが本当に、練習なのか・・・?』



『以前は、超ギザギザ飛行が・・・』


『出来なかった・・・』



『だから、練習した・・・』


『そして、出来る様に成った・・・』



『では、出来る事を、続ける事が・・・』


『練習なのか・・・?』



『出来ないから、練習するのでは・・・?』



『出来る事を練習しても・・・』


『それは、現状維持であって・・・』



『そこに進歩は、無いのでは・・・?』



『超ギザギザ飛行が、何の役に立つ・・・?』


『これが完成形なのか・・・?』



『こんなモノ、何に使う・・・?』



僕は、幼児なりに、その事に気付いたのだ。



当時の僕は、あくまでも5歳児であり、


実際には、


『ギザギザ、練習じゃない・・・!』


『ギザギザ、ダメ・・・』


『使えるやつ、考える・・・』


この程度の思考だった。



しかし、理解出来る事もあった。



『新たなる練習が、必要なのだ・・・』


『では、何をするか・・・?』



当時の僕は、逆立ちコマを、


自在に移動させる事が、出来る様に成っていた。



しかし、逆立ちの阻止は、まだ出来ない。



『なぜ出来ないのか・・・?』



僕は、魔法使いである。


その自覚は、もう充分にある。



魔法が、非常識である事を、知った上で、


それでも、自分は、


魔法が使える事を、理解している。



そして、過去に1度だけだが、


逆立ちの阻止に、成功している。



ところが、その再現出来ない。



『まだ、心の中に、何か、あるのか・・・?』


『これは、出来るけど・・・』


『これは、出来無いという・・・』


『無意識が・・・』



その日から僕は、逆立ちコマを、


宙に浮かせる練習を開始した。



無茶である事は、充分に理解している。



しかし、逆立ちの、阻止が出来ない。



全く出来ない事を、続けても、


それは、練習では無い。



ただ、出来ない事を、


確認しているだけである。



手から、ビームを出す練習と同じである。



それは、時間の無駄である。



出来ないのなら、別の方法を考える。


そうすれば、新しい発見が、得られる。



それが僕の、考えだった。



しかし、その理屈の場合、


コマを飛ばす事など、不可能に思える。



時間の無駄に思える。



しかし、羽毛を、超ジグザグ飛行させる事も、


現実的には、不可能な事である。



そして、僕は、その不可能を、可能にしているのだ。


つまり、コマの飛行にも、可能性はあるのだ。



『回転中のコマを、飛ばす・・・』



3日後、コマは飛ばない・・・



そこで、今度は、回転中のコマを、


移動魔法で、机から落下させ、


その瞬間を狙って、飛ばそうとした。



コマの移動は、出来る・・・


落下する・・・・



しかし、飛ばない・・・



羽毛が、飛ばせるのだから、


『コマだって、飛ばせる・・・』


ハズだった。



しかし、



『飛ばない・・・』



毎晩、寝る前、姉がトイレに、


行っている間・・・



その時間に、不安を感じなら、挑戦している。


理屈の上では、魔法が発動しやすい、状況である。



しかし、



『飛ばない・・・』



当然である。



羽毛は、軽いから魔法が無くても、舞い上がる。


僕は、その移動を、コントロールしているのだ。



飛ばしている訳ではないのだ。



『これが魔法の限界なのか・・・?』


『それとも・・・』


『僕の固定概念による妨害なのか・・・?』



それは解らない。



しかし、ある日の事、チャンスが、やって来た。



街の総合体育館に、


子供が集められたのだ。



僕の住む地域は、雪が深く積もる為、


冬場、子供が外で遊ぶ事は、困難である。



そこで、正月に、ちなんで、


コマ回しを習う事に成ったのだ。



『一体誰が考えたのか・・・?』



感謝である。


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