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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、僕は、原始人と胎児として、


原始の世界に居る。



そして、そこは大陸であり、


全方向が、山脈に囲まれている。



そして、その中央には、


直径千キロ以上の、岩塩の大地が存在する。



つまり、クレーターでは無いのだ。



それ程のクレーターなど、出来る訳が無い。


それ程の、隕石が激突したら、


この星は、消滅する。



そもそも、クレーターが、


岩塩の大地に成る訳が無い。



つまり、この大陸は、不自然なのだ。



ところが、



僕は、この大陸の誕生が、


自然現象であると、確信した。



海底火山による、地盤の移動・・・



その結果、


全方向が山脈に囲まれた環境・・・



それが完成した。



僕は、その様に納得したのだ。



生前の僕は、小学5年生だった・・・



つまり、その幼稚な発想が、


僕を、納得させたのだ。



『この大陸は・・・』



『魔法使いが作ったモノでは無い・・・!』


『先輩魔法使いなど存在しない・・・!』



僕は、僕を説得した。



実際、僕の、大陸誕生説が正しい訳がない、


あくまでも、僕の空想である。



それでも、



『神様や、先輩魔法使いは存在しない!』



それを、絶対に忘れてはいけない。



僕には、魔法がある。



誰かでは無く、自分で解決出来るのだ。


『それが魔法使いだ!』


僕は、自分を説得した。



『誰も、助けくれない・・・』


『僕は、僕の魔法で解決するんだ・・・』



僕は、その様に覚悟を決めた。



この覚悟が、今後、ピンチの時に、


役に立つのか・・・?


僕は、祈らず、自分で解決出来るのか・・・?



全く解らない・・・



しかし、


僕が死ぬ瞬間、


最後の最後まで、あきらめず、


最善をつくす・・・



僕には、その責任があるのだ。



最善の方法を考え、


行動出来るだろうか・・・?



『災害を防げるだろうか・・・?』



全く解らない・・・



僕は、死ぬ事が恐かった。



翌日、前日の説明通り、


父、祖母、タロを残し、


僕と母は、牛の大地に向かい出発した。



まずは、一瞬で、180キロを移動して、


塩漬けポイントまで来た。



そこからは、瞬間移動を繰り返し、


岩塩の大地を横断する。



僕は、驚いた、


母も、驚いている。



昨日までは、一瞬で、300メートル移動して、


一瞬停止して、再び移動・・・


それを繰り返していた。



その為、先日、父は、ネズミの森の木の上の、


牛の頭蓋骨を、発見出来たのだ。



しかし、今日の、瞬間移動に、


一瞬の停止は無かった。



瞬間移動している最中に、


次の次の、到達ポイントの安全確認が終了しており、


瞬間移動が途切れる事が、無かったのだ。



まるで、光のトンネルを進んでいる様である。



数秒後、我々は、岩塩の大地と、


牛の大地の境界線に居た。



境界線といっても、


線がある訳でも、


地面の色が突然変る訳でもない。



牛の大地に近づくと、


純粋な岩塩の大地に、


少し、砂がかかった様に成り・・・



そして、その砂の量が、


進むに連れ、少しずつ増えて行く・・・



そんな状況が、20キロほど続き・・・


その後、少しずつ、地面が土色に成って行く。



そこが、通称、境界線である。



その先には、


ヒョロヒョロの木が1本あった。



先日、牛の群れを見かけたポイントである。



今日は、牛は居ない・・・


我々は、その先に進む・・・



少しずつ、草の量が増えて行く。



最初、母の足が心配だったが、


瞬間移動の技術が、進歩した現在、


特別意識をしなくても、


母は、安全な場所に移動していた。



恐竜池まで、300メートルの地点に到着、


3頭の恐竜の生存を確認。



しかし、牛は居ない・・・



『恐竜は、普段、何を食べているのか・・・?』



恐竜池は、学校の校庭ほどの広さがある、



『魚が居るのか・・・?』



と思ったが、



恐竜池は、完全孤立の池である。


川から、水が流れ込んでいる訳ではない。



おそらく、池の水は、湧き水であり、


魚など居ない。



しかし、


『本当に魚は居ないのか・・・?』


興味が沸く。



そこで、母と相談して、


恐竜池を見に行く事にした。



恐竜池を守る為には、


我々の存在は、迷惑である。



しかし、僕が死んでしまう可能性を、


考えた場合、



正直な所、恐竜を気遣う余裕は無かった。



恐竜池に魚が居るのなら、


今すぐにでも、1番川に引き返し、


バケツを持って来て、



魚を連れて帰る・・・



僕は、それ程、あせっていた。



しかし、出来る事なら、


恐竜に不安を与えたくは無い。



そこで、恐竜が居るのと、


反対側の対岸に、瞬間移動・・・



恐竜は、突然、現れた母の姿に、



驚くのか・・・?


襲って来るのか・・・?



その場合は、塩漬けポイントまで、


一瞬で逃げる計画だった。



ところが、恐竜は無反応である。



『えっ?』


『気付いていない・・・?』


『見えていないのか・・・?』


『匂いは・・・?』



とにかく、恐竜は、


母の存在に、気付いていない様子である。



『恐竜の芝居なのか・・・?』


『気付いていない芝居をして・・・』


『突然襲って来る・・・?』


『まさか・・・?』



などと、考えながら、恐竜を観察・・・



本当に、母の存在に気付いていない、


その様に思える。



考えられる事は、


僕の魔法の、何かが作用して、


母の存在が、


恐竜には認識出来ない・・・



と考えられる。



今、思えば、前回、来た時・・・



牛に、槍を見せるパフォーマンスを行ったが、


牛は、無反応だった。



『もしかすると、前回も魔法の影響で・・・?』


『我々の姿は、周囲の動物には見えない・・・?』



それが、事実であるどうか?


確認は出来ないが、


池の向こう側にいる恐竜が、


母に、無関心なのは事実である。



ある意味、助かった。



そこで、我々は、池の中を見る・・・



『透明な水・・・・』



プールの様では無いが、


底が見える程度に、


水が綺麗だった。



そして、魚の姿は無い・・・



『では、恐竜は、何を食べているのか・・・?』



疑問は残るが、そんな事は問題では無い。



今回の目的は、


牛を1頭、連れて帰る事である。



その事を思い出した僕は、


牛を求め、移動を再開した。


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