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これは魔法の書です。  作者: わおん
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夜、僕1人の時間に、


計画を練り・・・



翌朝、本日の予定を説明した。


向山ルートは、土砂で埋まっている可能性が高い。



だから、まず、


我々が2ヶ月過ごした横穴を目指す。



そこで、一晩を過ごしてから、


瞬間移動で、向山に行く。



向山では、集めるモノは、


芋、


木の苗、


ドングリ、


その他、食べれる植物、


ミミズ、


これらを探し、持ち帰る。



僕の知る限り、


ミミズは、1匹で、繁殖が出来る。


1匹で、子供を作れるのだ。



つまり、1番川の近くの土を耕し、


そこに、逃がしてやれば、


その後は、ミミズの繁殖場に成るのだ。



そして、それは、タロのエサに成る。



現実問題、


ミミズが、犬に必要な栄養に成るのか?



それは解らないが、


僕と母が亡くなり、



父と祖母が


イモ栽培で生きて行く場合、


肉の確保は、不可能に成る。



その為、


ミミズを、育て、


それを、タロに食べてもらう計画である。



次に、ヘビやトカゲに関しては、


見つけても、無視する。



例えば、ヘビを数匹連れ帰っても、


エサが入手出来ないので、


繁殖は不可能である。



そこで、山に残し、自然繁殖に期待する。



ネズミも、無視する。



農業を行う上で、


ネズミは害獣である。



しかし、現状、ネズミのエサが無い・・・


結果、異常繁殖も起こらない。



そして、何より、ネズミは、


タロの食料に成る。



だから、今回、ネズミを見つけても、


それは無視する事にした。



絶滅されると、困るのだ。



説明後、


3人は、リックを背負った。



昨日、父と祖母が、作ったモノである。



では、出発である。



森の中では、


瞬間移動の安全確認が、困難なので、


徒歩で進んで行く。



森の植物は、全て枯れているが、


元々は、樹海である。



その為、木々に間を、ぬう様に進む必要がある。



しかし、我々には、遠隔回復魔法がある。



その為、原始人と狼であれば、


走って移動する事が出来た。



もちろん、これは、異常な事である。



本来なら、数秒しか出来ない全力疾走を、


休み無く、続けているのだ。



その結果、過去に2日かかった道のりが、


1日程度に短縮出来た。



ここからは、山登りである。



しかし、3人と1匹は、休まない・・・


走り続ける。



その4時間後、


我々は、難関に差し掛かっていた。



3人は、なぜか、うれしそうに、


「臭い、臭い」と言っている。



元渓流である。



倒木で埋め尽くされ、


現在は、水もほとんど流れていない。



結果、水が腐り、


倒木にヌメリを与えていた。



川幅30メートル、


前回、山を下りる時には、


この元渓流を越えるだけで、


1時間かかった。



しかし、我々には、瞬間移動がある。



まずは、千里眼で向こう側の安全を確認して、


母を向こう側に移動させる。



母は、目視で、安全な地面を確認、


小石や枝を排除する。



その後、祖母、父、タロの順で、


移動させた。



その間、2分程度、



ちなみに、周囲を確認したが、


ネズミは居なかった。



上空に鷹も居ない。



『鷹が全て食べたのか・・・?』


『タロの食料は、どうなる・・・』


『狼は、芋とミミズで生きて行けるのか・・・?』



その後は、3人と1匹は、


まるで、平地を走るかの様に、


山を駆け上がって行く。



そのスピードは、出発時よりも増していた。



そして、昼の3時前、


我々は、数日振りに、横穴に帰って来た。



数日前、一生戻らないと決意して、


下山した時、


山を下りるのに、2日間、


途中、野宿を行い、


森を抜けるのに、2日間、



野宿の時、ネズミの暴走に遭遇して、


その後、ネズミの死骸で、保存食を作った。



それに3日使っている。



しかし、その3日を抜いても、


4日かかった道のりなのだ。



それを、今回は、1日半で、戻って来たのだ。



純粋に、嬉しい・・・


誇らしい気持ちに成る。



3人と1匹は、夕食を食べ、


その日は、久しぶりに横穴で眠った。



夜に成り、


僕1人の時間、


僕には、考えるベキ事がある。



もし、僕が死んで、母が生き残り、


遠隔回復魔法が使えた場合・・・



3人と1匹は、


どの様にして生きて行くのか・・・?



僕と、母が、死んだ場合、


残された、父、祖母、タロは、


農業で生きて行く事に成る。



タロは、肉無しで生きていけるか・・・?



岩塩の大地の向こう側、


通称、牛の大地に行けば、


川や池があり、


魚がいるハズである。



僕が生きている間に、


それを生け捕りにして、


枯れた大地に持ち帰り、


1番川で育てる・・・


それをタロの食料にする。



それは、現実的に可能なのだろうか・・・?



もし、僕が死に、母が生き残った場合、


母は、どの程度の回復魔法が、


使えるだろうか・・・?



その魔法は、進歩するだろうか・・・?



母は、瞬間移動が出来る様に、


成長するだろうか・・・?



解らない事だらけである。



僕が死んだ後、


3人が、回復魔法を過信して、


無謀な挑戦をしな事を、祈る事しか出来なかった。


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