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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、僕は、悩んでいる・・・



2ヶ所に畑を作った場合、


その畑は、20キロ以上は、離れた場所に成る。



しかし、それ位、離れた場所でないと、


洪水や、水不足には、対応出来ない。



どちらか一方は、必ず生き延びる。



その様な畑が、必要なのだ



しかし、その場合、日常的な水やりが、


困難に成る。



将来的には、さらに20キロ離れた場所に、


もう1つ畑を作る事も考える必要がある。


その場合、1日片道60キロ・・・



『そんな生活が可能なのか・・・?』



『では、どうする・・・?』



『どの様に、水やりを行う・・・?』



例えば、


畑の中に、細いミゾを作り、


そこに川の水を引き込む・・・



結果、畑の土に、水分が行き渡り、


水やり作業が、不要に成る。



と考えたが・・・



では、なぜ、北海道の芋畑は、


その方法を、行わないのか・・・?



おそらく、地面の水分が多いと、


芋が腐る・・・


水は必要だが、多いと困る・・・



『では、どうすれば良いのか・・・?』



何度も、何度も、考えた。



しかし、答えは、出ない・・・



つまり、今現在、


最善と思える方法を、試す以外に、


方法は無いのだ。



現在、昼の2時頃・・・



通称、1番川の近くに、


畑を作る事にした。



ネズミの拠点から、南へ、20キロ進むと、


1番最初にある川、


それが1番川である。



川から、5メートル離れた北側、



つまり、ネズミの拠点側に、


長さ、30メートルの畑を、


川と並ぶ様に作った。



横幅、1メートル、


全長、30メートル、


東西に縦長な、畑である。



作り方は、


瞬間移動で、地面の土を、


3メートルほど上に移動させ、


落下させる。



これを6回繰り返し、


30メートル分の土を粉砕した。



この段階では、まだ、畑とは呼べない、


地面の土が、砕けただけである。



現在、地面には、津波によって海水が、


染み込んでいる。



しかし、現在、僕には、


それを除去する方法が解らない。



『こんな事で、本当に大丈夫なのか・・・?』



僕は、物事を、軽く考える傾向がある。


魔法によって、都合の良い事に成る・・・



僕の心の中には、いつも、その様な、


軽率な考えがあるのだ。



それが、駄目な事なのは、充分に理解出来る。


もし、何も起こらなかった場合・・・



今回、植えるイモは、全て枯れてしまうのだ。



しかし、僕には、この状況を、


改善する方法が解らない。



それが、現実だった。



地面の土を、落下させた事で、


下準備は出来ていた。



それを、何度か、繰り返せば、


畑は完成する。



しかし、僕は、それをせずに、



その後は、父と祖母に、


棒で土を耕してもらった。



正直、棒では、作業効率が悪い、



そこで、父と祖母に、


便利な、耕しの農具を考えてもらう。



これが狙いである。



僕が、提案するのでは無く、


父と祖母に、考えてもらうのだ。



すると、父は、木製のツルハシを考えた。



そこで、ネズミの森から、


手頃な木を切り出す。



槍の木とは違うが、


比較的、真っ直ぐな木、


太さは、4センチくらい、


Yの字型をしている。



そこから、余分な部分を切り落とし、


結果、アルファベットの小文字のrの様な、


木製ツルハシが完成した。



実際、棒で、耕すよるも効率が良い。



それを見て、祖母が、考えた。


それは、船を漕ぐオールの様なモノだった。



残念ながら、今、この状況で、


作れるモノでは無いが、


それでも構わない。



『これが必要・・・』



その様に考え、生きている人は、


何かを見た瞬間、


それがヒントと成って、


解決方法を、考え出せる。



父と祖母には、その能力が充分にあるのだ。



その後、ツルハシを、もう2本作り、


3人に、畑を耕してもらった。



そして、僕は、少し気に成って、


タロにも、耕し道具を考えてもらった。



すると『牛の骨』と


返事が返って来た。



単純な発想ではあるが、


僕は、その返事に、衝撃を受けた。



僕の固定概念では、


畑を耕す農具は・・・



「クワ」「スコップ」「シャベル」



その類のモノであり、


父や、祖母の発想こそが、


僕の期待した答えだった。



ところが、タロは、名案を出したのだ。



負け惜しみを言えば、


僕だって、少し考えれば、



『牛の頭蓋骨や、骨盤で、土を掘る』


その様な発想は出た・・・



しかし、固定概念が、それを邪魔して、


その答えが出るのを、遅らせたのだ。



『固定概念が、足を引っ張る・・・』


『固定概念で、損をしている・・・』



僕は、何かヒントを得た様に思えた。



では、次である。



木のツルハシと、牛の骨を使い、


畑の隣の地面を、耕してもらった。



瞬間移動で粉砕した土では無い・・・



普通の地面である。



1メートル四方が5分程度・・・



僕が死んでも、


地面を耕せる方法は、用意出来た。



残念ながら、まだ川が復活していないので、


実際、この畑が使えるのか?



それは解らないが、


それを待っていたら、


畑を作る前に、


僕が死んで、居なく成る可能性がある。



僕は、あせっていた。


胎児の段階で、死ぬ可能性も、否定出来ないのだ。



数分後なのか・・・?


数ヵ月後のなか・・・?



昼の3時、


我々は、ネズミの拠点に引き返し、


父と祖母は、3つ目のリックを完成させた。



その日の夜、


僕1人の時間・・・



『どこで、芋を探すか・・・?』



もちろん、これまで、


何度も考えている。



しかし、さらに考え、


最善を模索する。



我々が、2ヶ月間過ごした場所、


通称「横穴」



その半径数キロ範囲の芋は、


我々が、食べ尽くしている・・・



そこで、今回は、


以前、猪の内臓を捨てた、崖の向こう側、


通称「向山」に行く事に成る。



しかし、それには問題があった。



我々は、横穴から、


このネズミの拠点まで、


ほぼ、一直線で来る事が出来た。



途中、元渓流が、倒木で防がれ、


多少苦戦したが、


それ以外は、原始人の足であれば、


無理の無い道のりだった。



つまり、


横穴から、ネズミの拠点までの、


通称・横穴ルートは、安全なのだ。



では、ネズミの拠点から、


向山を目指す、


通称・向山ルートは、


安全なのか・・・?



僕の考えでは、


『絶対に行けない・・・』


『進む事が出来ない・・・』


その様に核心していた。



横穴の近くには、崖があった。



そして、その崖をはさみ、


100メートル向こう側に、


「向山」があったのだ。



崖の深さは、10メートル・・・


その下は、倒木や土砂で埋め尽くされていて、


ネズミの森方向に続いていた。



しかし、


我々が通った、横穴ルートに、


土砂など無かった。



つまり、それらの土砂は、


地形の関係で、向山ルートに流れ込んでいるのだ。



結果、我々が向山ルートを使い、


向山を目指すと、


途中で、土砂に、進路を断たれるのだ。



では、どうするか・・・?



『まず、横穴に向かう・・・』


そして、崖から、瞬間移動で、


100メートル向こう側の、


向山に移動する・・・



これが、最善に思えた。


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