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これは魔法の書です。  作者: わおん
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我々は、ついに、


津波被害を受けていない地域を発見した。



ネズミの拠点から、南に、千キロ以上・・・



その為、暑い気候の様だが、


それでも、生活出来るレベルと考えれた。



3キロ先には、ジャングルの様な森が、


存在しているのだ。



『では、どうする・・・?』



前方には、草原が広がっており、


地面には「でこぼこ」である。



『イカダでは、前進出来ない・・・・』


『この草を抜いて、湿地帯に持って帰るか・・・?』



などと、考えながら、



イカダをバリアで包んでみる。



そして、2キロの距離を、


小刻みに前進・・・



バリアの効果なのか・・・?


と思う程度の、微妙な効果である。



イカダは、少し、ゆがんでいるが、


無事であった。



地面は完全な土なのだが、


岩塩の大地の影響なのか、


草の育ちが悪い・・・


放置された庭草・・・


地面も見える・・・



その程度の草原であった。



しかし、その50メートル程先には、


草むらが広がり、


更に、その先には、


2メートル以上の草で、埋め尽くされていた。



と、その時、



『違和感・・・』


『危険・・・・』



僕の、何かが、何かを、感じ取った。



僕の千里眼は、この2日間で、


急激に成長している。



その結果、使いこなせていない・・・



『2方向・・・・』



そう感じた瞬間、


それが、恐竜であると理解出来た。



高さ2メートルの草原の中で、姿勢を低くして、


2方向から、こちらの接近を待っている・・・



『では、どうするか・・・?』



殺す事は、簡単である。



しかし、おそらく、


この世界で、恐竜は、絶滅危惧種であり、


その恐竜が死ぬ事で、



『生態系に、問題が出る危険性がある・・・』


『それらを考えれば、殺せない・・・』



と考えていると、



突然、何かが、こちらに向かい飛んで来た・・・


僕には、それが、スローモーションで見えた・・・



『槍・・・いや違う・・・矢だ・・・・』



それは、矢の様なモノであった。



『人間が居るのか・・・?』


『いや!原始人・・・?』



『原始人がいるのか・・・?』



僕には、その姿は見えない。



と同時に、恐竜が、我々の方向に突進して来る。



その姿は、見えた。



『連携・・・!』


『恐竜と、原始人が協力して狩りをしている・・・!』



『我々を、狩りに来た・・・?』



僕には、原始人の姿が見えない・・・


しかし、矢を飛ばして来たのだ。



知的生命体が居る事は、事実である。



僕は、千里眼で、


その存在を確認しようとしたが、


僕の無意識が、それを許さなかった。



矢の軌道が、不自然に変り、


目の前の地面に、矢が刺さる・・・



僕の無意識が、矢の回避を優先したのだ。



恐竜が接近・・・


3人が、槍を構える・・・



この状況、


どの様に行動する事が、正解なのか・・・?


僕には、解らない・・・



『このままだと、僕の無意識が・・・』


『恐竜を殺してしまう・・・』



つまり・・・



『我々は、ここから逃げる・・・!』


『逃げる事で、恐竜を守る・・・』



と考えた瞬間、



僕は、昨日、岩塩の大地で、


牛の肉を、塩漬けにした場所を思い出した。



次の瞬間・・・・


我々は、そこに居た・・・



目の前には、


恐竜も、地面に刺さった矢も無い・・・



そこには、1本の棒が立っていた。



ここは、昨日、牛肉の塩漬けにした場所・・・



『一瞬で・・・3時間の距離を・・・』


『引き返した・・・』



3人と1匹も、


僕と同様、唖然としていた。



しかし、


牛肉の、塩漬けポイントの目印・・・


槍には使えない、細長い棒・・・


それが立っていた。



3人は、それを見て、


目を丸くしている・・・



もちろん、僕も驚いている。


『えっ!』


『こんな凄い事が出来るのか・・・』


理屈は、理解出来た。



相手に、被害を与えたくない・・・


可能なら、将来、仲間に成りたい・・・


友好な関係を、きずきたい・・・



しかし、今は、家族を安全が、最優先である。



つまり、このままでは、


襲いかかる、恐竜も、


矢を放った、誰かも、


僕の無意識が、


条件反射で殺してしまう・・・



その危険性がある。



ところが、そんな中、


僕は、昨日から、


肉の塩漬けが、上手く出来ているのか?


気に成っていた。



確認したい・・・



しかし、それを確認するのは、


2週間後・・・


その様に決めていた。



だから、見に行かない・・・


本当は、見に行きたいのに、


妙な意地で、


我慢する!


と決めていた。



しかし、本音は、見に行きたい・・・



おそらくは、


その様な理由が、重なり・・・



僕が、安全と、核心している場所、


つまり、岩塩の大地の、


通称・塩漬けポイント・・・



そこに瞬間移動で、引き返したのだ。


『これを、もう1度出来るのか・・・?』


そんな事を考えながら、



東に、180キロ進み、


ネズミの拠点に戻って来た。


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