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これは魔法の書です。  作者: わおん
151/2338

151

ネズミの拠点から、


南へ、約200キロ進んだ頃、


前方に、見覚えのある光景が・・・



土砂の壁である。



その高さ4メートル、


視点を変えて、その先を見るが、


見渡す限り、土砂の壁である・・・



前日の、北側同様、


南側にも、土砂の壁が、現れたのだ。



ここで、進路変更、土砂の壁を左側に見ながら、


岩塩の大地方向に進む、



進むにつれ、土砂の高さが低く成って行く・・・


それが50キロほど続き・・・



そこで壁は、無くなった。



しかし、その先にも、


動物の骨が点在している。



『どこまで続くのか・・・?』



ネズミの森から、岩塩の大地方向へ


150キロの地点・・・



津波で流された枝などは、



その地点まで、到達していた。



ここで、進路変更、


ネズミの森に引き返しつつ、


再び、南を目指す。



ここの地面は、土であるが、


草の痕跡が少なく、


運動場レベルの平地である。



結果、安全確認がスムーズに行え、


移動効率がアップした。



その為、この先の距離は、明確では無い。



重要なのは、何キロ進んだかでは無く、


我々が生きられる環境を、探す事である。



それを踏まえ、



推定、1000キロ地点・・・


実際には、2000キロかも知れない。



左側にネズミを森を見ながら、南へと進む。



母の話によると、


「暖かい」そうである。



我々には、寒さ軽減同様、


暑さ軽減もある。



それでも、暖かいと感じるのだから、


実際には、暑い地域なのかも知れない。



父が、イカダを下りて、


胎児の僕から6メートル以上離れ、


その事を確認した。



気温は不明だが、


やはり、暑い様である。



そして、この辺りから、


地面が、うねり始めた、



これまで、運動場の様な地面だったのが、



ゴルフ場の様な地形・・・?



僕は、実際にゴルフ場に行った事は無いが、


電動カートで走れるレベルの、


ゆるいアップダウンが、続いている。



地面に草は存在しない・・・


草の痕跡は、あったので、


津波以前には、草原だったと考えられた。



その後、20キロほど前進したが、


イカダが限界の様である。



平地から平地への、瞬間移動は、


イカダは、その場に置いたままに等しい、



しかし、


前に傾いた地面から、


後に傾いた地面に、移動すれば、


イカダは、ゆれる・・・



つまり、素人がクサビで固定した程度の、


イカダの様なモノには、ガタが出て、


崩壊の危険性があるのだ。



仕方が無いので、少し引き返し、


その後、岩塩の大地方向に、移動した。



推定ではあるが、ネズミの森を背にして、


150キロの地点・・・



あと30キロ進めば、岩塩の大地である。


周囲には、津波で流されて来た枝などがある。



しかし、ここまで来ると、


岩塩の大地と同様に、地面は、平坦である。



草の痕跡など、全く無い。



津波以前から、草など無い地域だったのだ。



これにより、イカダの崩壊は、無くなった。



これで、ひと安心である。



ネズミの森を、見る事は出来ないが、


地面の枝を見る事で、


ネズミの森が、壊滅している事は、判断出来た。



そして、僕は理解した。



『草と風の影響だ・・・』



草には、大きく分けて、2種類ある。


1つは、抜けやすい草、


これは、地面を柔らかくする性質を持つ。



そして、もう1つは、抜けにくい草、


これは、地面を硬くする性質を持つ。



そこに風が吹く・・・



すると、


柔らかい土は飛ばされ、


硬い土は残る。



それが、何千年も繰り返されれば、


丘が出来る。



川が、一直線では無く、


カーブを繰り返しているのも、


おそらく、これが原因である。



草の強弱で、地形が変わるのだ。



そんな事を考えながら、


南に進む・・・



ネズミ拠点から約3時間・・・


途中での調査も入れた時間である。



その為、南に向かい、何度、移動したかなど、


数え切れなかった。



結果、距離は不明・・・



そして、岩塩の大地を南へと進む我々は、


地面の異変に気付いた。



地面が、うねり始めたのだ。



我々は、岩塩の大地に移動して、


再び、南を目指した。



10キロ進むと、草が生えていた。



さらに、その3キロ進むと、


草原が広がっている・・・



そして、その先には、森も見えた。



『アマゾン・・・?』


『ジャングル・・・?』



その様な印象を受けた。



『南側は、津波を受けていない・・・』


それは、明らかだった。



我々がいる大陸が、


四角形だとすると、



右縦線の地域は、津波で壊滅している。


しかし、下線の地域は、津波を受けていないのだ。



おそらく、下線も、右線から150キロ程は、


津波の被害を受けたと考えられる。



しかし、180キロ地点には、


ジャングルが、残っていたのだ。


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