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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、我々は、左側にネズミの森を見ながら、


南へ向かっている・・・



その最中、湿地帯を発見した。



そして、僕は、苦悩していた。



僕が、死ぬ可能性を考えた場合、


子孫を残す事は、あきらめ・・・



ここで、芋を育て生きる。



それ以外に、選択肢が無い様に思えたのだ。



岩塩の大地の向こう側には、


牛の大地がある。



そして、その先には、


おそらく、森があり、山脈地帯がある。



そして、原始人が居ると考えられる。



しかし、



岩塩の大地が誕生して、


数千年、数万年・・・


あるいは、それ以上の歳月が経っている。



それ程の期間、東と西で分かれて進化したのだ。



つまり、


岩塩の大地の向こう側に、


原始人が居ても、



それは、我々とは、別種、


つまり、ゴリラと、オランウータン程の、


違いがあるかも、知れないのだ。



ゴリラと、オランウータンで、子孫を残せるのか?



僕が、死んだ後、


その集団の中で、3人は、



『どの様な扱いを、受けるのか・・・?』



『そもそも、原始人が居るのか・・・?』


『猿人である可能性もある・・・』



『有効的なのか・・・?』



『向こう側で生きて行くなら・・・』


『僕が、生きている事が、必須条件だ・・・』



『僕が守る、その必要がある・・・』



などと考えながら、



湿地帯の外周を調査、


岩塩の大地方向に、2キロ・・・


南へ進路を変え、1キロ・・・



深さ、約3センチの水溜りが、広がっている。


『魚の姿は、無し・・・』


進路を戻し、



再び、左側に、ネズミの森を見ながら、


南へ進む・・・



すると、再び、川跡に遭遇・・・


調査を行ったが、得るモノは無かった。



『川は、無いのか・・・』


『魚は、居ないのか・・・』



僕は、考えた。



『牛の大地で、魚を探し・・・』


『それを捕って来る・・・』



『そして、湿地帯で飼う・・・?』



『でも、小魚が居たとして・・・』


『それを、どうやって、持って来る・・・?』



『牛の頭蓋骨を器に使う・・・』



『メダカの様な、魚が居るだろうか・・・?』


『ボウフラの駆除が、出来るだろうか・・・?』



『湿地帯は、深さ3センチの水溜まり・・・』


『大きな魚は飼えない・・・』


などと、考えながら、前進を続けると、



『川だ・・・・』



そこには、川があった。



その川は、ネズミの森を抜け、


岩塩の大地方向に続いている。



これまでの、川の跡では無く。


本物の川が、残っていたのだ。



それを喜ぶ家族達、


イカダを降りて、川の様子を見る。



『水が綺麗だ・・・』


タロが匂いを嗅ぎ、



そして飲む・・・


『大丈夫・・・!』



狼の、大丈夫が、原始人に通用するのか?


それは疑問だが、


3人も水分を補給する。



その深さ、推定1メートル・・・


幅、3メートル・・・


その川の底が見える。



『魚は、居るのか・・・?』


『見付からない・・・』



本来、そこにあるハズの、水草も無い・・・


川底に、存在する砂利も無い・・・



150キロ先まで、津波に飲まれたのだ。



小さな川の魚など、


全て、流されたのだろう・・・



『タニシは・・・?』


現在、冬なので、


川底に、潜っている可能性もある。



しかし、蚊の駆除には、役に立たない・・・



『あっ!』



その瞬間、思い出した。



『ドジョウは・・・?』


『そうだ! ドジョウだ・・・!』 


『ドジョウも冬は、ドロに潜る・・・』



つまり、



『ドジョウが生き残っている可能性がある・・・』



と思ったが、



水草が無い・・・


川底の砂利も無い・・・



おそらく、津波で流されたのだ。



『それ程の、強い力・・・』


『ドロの中の、ドジョウも流された・・・』



その可能性が高いと感じた。



しかし、全滅したとは限らない・・・



再び、イカダに乗り込むと、


川沿いを移動して、


時々、イカダを止め、


川の様子を観察した。



ちなみに、


3人は、ドジョウに似た生き物を、知っていた。


「魚、大きさは、指くらい、形は、ヘビ」


と僕が言うと、



母が、それを2人に通訳して、


それを聞いた父が、


右手で、左人差し指を、つまみ・・・


滑る様子を再現した。



結果、今回の、会話で3人は、


「にゅるにゅる」と


「ドジョウ」という言葉を覚えた。



その後も、川の跡に出くわし、


その度に、調査した。



しかし、生き物の痕跡は、無かった。


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