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これは魔法の書です。  作者: わおん
15/2328

015

現在、入院中、早朝・・・



今回は、羽毛の飛ばし過ぎによる、


入院であった。



もちろん、その事実は、誰も知らない。



あくまでも、ブドウ糖が不足する体質・・・



それが原因で、僕が倒れたと、


周囲は、納得している。



朝10時、医師が、僕の回復を見て、


再検査は不要と判断。



その後、退院の手続きを行い、


昼前に帰宅。



母から、子供部屋での着替えさえ、禁止され、


僕は、リビングに居る事に成った。



コタツに、足を入れて、座椅子に座り、


アニメ映画を見る僕。



今日は、平日なので、姉は、学校に行っている。



しかし、母は、台所で、昼食の準備をしている。


そして、台所から、リビングが見える・・・



つまり、現在、僕は、母に監視されているのだ。



そんな中、僕は、考え事をしいていた。



『昨日の、アレは、何だったのか・・・?』



目を閉じても、手で隠しても、天井が見えた。



『今晩から、練習しよう・・・』



この練習は、バレる事が無い。


だから、毎晩、自由に練習出来る。



僕は、夜に成るのが、楽しみだった。



しかし、僕は、それとは、別の理由で、


ウズウズしていた。



『羽毛を、飛ばしたい・・・』



後ろを、チラリと振り返って見る。


すると、母が、台所にいる。



そして、台所からでも、


僕の背中と、テレビが見える。



『この状況では、魔法の練習は出来ない・・・』


『そもそも、羽毛が無い・・・』



仕方が無いので、テレビに視線を戻すが、


アニメの内容が、頭に入って来ない。



『魔法の事が気に成って・・・』


『集中出来ない・・・』



『こんな時でも、ラムネは効くのか・・・?』


『アニメを見る為に、ラムネ・・・?』



馬鹿らしさを感じたが、


仕方が無いので、僕は、


ラムネのボトルに、手を伸ばそうと・・・



『あった!』



コタツの上に、羽毛があった。



母は、台所で何かを、洗っている・・・



その位置からだと、僕の背中しか見えない。



僕は、母に悟られない様に、


ラムネのボトルと一緒に、


その羽毛を、手に取る。



長さ1.5センチ、幅3ミリ、


ホコリと比べれば大きい。



『母の位置から、これが見えるのか・・・?』



僕には、その判断が出来なかった。



しかし、『羽毛を、飛ばしたい・・・』



羽毛を無くさない様に、注意しながら、


右手でつまむ。



そして、ラムネのボトルを開ける。


そして、ラムネを3粒、口に入れる。


そして、ラムネのボトルを、ヒザの上に置く。


そして、母の動きを、音で探る。


そして、右手の羽毛を、確認する。


そして、母の動きを、音で探る。


そして、冷蔵後を、開ける音が、聞こえた。



『今だ!』



僕の脳裏に、紙飛行機の実験が、思い出された。



僕の鼻の高さ、


ゲンコツ3個分前進させ、指を離す。



僕は、その動作を実行した。



しかし、



『しまった・・・!』


『汗で・・・』



人差し指に、貼り付いた羽毛。



『これでは、飛ばない・・・』



そう思った瞬間。



羽毛が指を離れ「スー」と飛んで行く。



『普通じゃない・・・』



幼児にでも、それはわかった。



失敗によって、あせり、


その結果『飛ばす!』という欲が途絶えた事で、


魔法が発動したのだ。



羽毛が、ゆっくりと進んで行く。


その事に、興奮する僕・・・



しかし・・・



『このままでは、見失ってしまう・・・』



と思った瞬間、羽毛が、垂直落下を開始・・・



しかし、その結果・・・



『コタツの向こう側に、落ちてしまう・・・』



と思った瞬間、羽毛が、落下を止め、


コチラに向かって飛んで来る。



しかし、その結果・・・



『このままでは、僕に、ぶつかってしまう・・・』



と思った瞬間、羽毛が垂直上昇・・・




母に見付かる可能性の・・・不安


口の中のラムネが機能するのか・・・不安


羽毛が無くなってしまう・・・不安



それらが・・・



「魔法なんて、存在しない」という常識を、


軽減していた。



その後、羽毛は、コタツの上を、


前進、下降、後退、上昇・・・



それらを繰り返し、飛び続けている。



『偶然では無い・・・』


『たぶん・・・』



幼児の僕には、


これが、偶然の現象である可能性・・・


それを、否定出来なかったのだ。



しかし、その時である。


母の動く気配・・・



次の瞬間、羽毛は、低空飛行で僕に近付き、


僕の胸の前で、停止した。



羽毛が、空中で停止したのだ。


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