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これは魔法の書です。  作者: わおん
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その後、日が沈み


3人が寝る時間に成った。



しかし、



祖母は、横に成ってからも、


小屋作りを、考えている様である。



僕は、生前の、自分を思い出した。



僕は、参考書を使い、


過剰に勉強して、


脳を疲労させ、


回復魔法を使い、


脳を回復させる。



これを繰り返し、


学力を、向上させたのだ。



『現在、祖母も、それと同じ状況なのでは・・・?』


『知恵熱が出る程、考え、脳が疲労している・・・』


『しかし、回復魔法の影響で・・・』


『脳の疲労が軽減する・・・・』



『その結果、更に考える事が出来る・・・』



『その結果、祖母の知能は、向上している・・・?』


『祖母は、この2ヶ月間で賢く成った・・・?』



『魔法の影響で・・・賢く成る・・・』


『僕の周囲に居ると、賢く成る・・・?』



これは、事実だと感じた。



原始人の、本来の賢さは、不明だが、


タロは、狼である。



それを踏まえ・・・


考えると。



『タロは、賢過ぎる・・・』



などと、考えていると、



タロが、僕に言った。


言ったと、言っても、



言葉を発する訳では無い。



心の感覚を伝えるのだ。



そして、僕の無意識が、


それを言葉に置き換えて、理解するのだ。



しかし、その様な事は、重要では無い。


タロは、僕と会話出来る事を理解している。



そして、僕に、言ったのだ。



『皮、洞穴・・・』



心が通じる僕には、その意味が理解出来た。


だから、僕は、タロに、お礼を言った。



タロは、小屋の作り方を、考えていたのだ。



そして、寒いなら、皮で防寒すれば良い・・・


その事を、僕に伝えたのだ。



当然と言えば、当然の事である。


しかし、狼が、それを考えたのだ。



我々の為に考え、


教えてくれたのだ。



タロは、理解していた。



今日、我々が、小屋を作る為に、


模型を使い、


相談していた事を・・・



実現可能な、小屋作り・・・


それを考えている事を・・・



そこで、タロは、


自分なりに考え、


皆の邪魔にならない様に、


夜を待って、


僕に伝えたのだ。



タロは、この2ヶ月間で、


柴犬サイズから、


ハスキーサイズに、成長していた。



つまり、最近まで、子供だったのだ。


つまり、まだ、生後1年程度である。



前の飼い主は、原始人であり、



タロに、芋探しを、教えた・・・



しかし、それで、


ここまで、賢く成るのだろうか・・・?



『そんな訳が無い・・・』


『異常な賢さだ・・・』


『つまり・・・』



『3人と1匹が賢いのは、魔法の影響・・・』



『僕が居ると、賢く成る・・・』


『・・・』



その事を、確信した事で、


僕には、不安が生まれた。



『牛を、どうするか・・・?』



僕は、牛を家畜化して、


その肉を、食べるつもりでいた。



しかし、僕が、牛を飼う事で、


その牛が、タロと同様に賢く成ったら・・・



『それを殺せるのか・・・?』


『食べれるのか・・・?』



『僕には、無理だ・・・』



『父、母、祖母、タロ、にも無理だ・・・』



『家族の為に、考え、遠慮して、夜まで待つ・・・』



『そんな牛を、殺せる訳がない・・・』



そして、ひらめいた・・・



『では、父に、牛飼いに成ってもらう・・・』



僕は、ずっと悩んでいたのだ。



父の誇りを、どの様に守るのか?



槍で、獲物を仕留める・・・



これは、この時代、重要な技術である。



万が一、僕が死んだ場合、


父の技術が、絶対に必要に成る。



しかし、僕が、死ななかった場合・・・


父は、どう成る・・・?



僕は、


1キロ先の獲物でも、


仕留める事が出来る。



牛を1頭、仕留めれば、


しばらくは、狩りの必要が無い・・・



つまり、父の狩りの技術は、


不要に成るのだ。



しかし、



『牧場を作れば・・・』


『父の存在は、重要に成る・・・』



僕は、牛に近づけない。



牛が賢く成長して、


殺して食べる事が、


我々の、苦痛に成るからだ。



結果、牧場の牛を、


育てる誰かが、必要に成る。


それが父である。



父とタロが、


牛の飼育を行う。



牛といっても、


元々野生だった牛を、管理するのだ。



弱者には、出来ない。



群れのリーダーと成れる強さ、


それが必要に成る。



それを、父とタロに、引き受けてもらうのだ。



外敵の排除は、


僕が、遠くから行う。



『これだ!』



ペットは、殺せないが、


家畜なら、殺せる・・・



その事実に、残酷さと矛盾を感じるが、


僕には、持論があった。



『ベジタリアンは、人を巻き込むな!』


という事である。



その人の考えで、


肉を食べない事は、


その人の勝手である。



しかし、世界に向けて、


「肉を食べるなと!」言うのは、


テロである。



肉に関わる全ての人の、


今後を、どの様に保障するのか?



牧場で使う、


エサを生産する仕事、


エサを輸入する仕事、



その為に必要な、ガソリンを売る仕事、



これ以外にも、肉を作る為に、


必要な仕事は、多く存在するだろう・・・



肉が必要な、料理店も多い・・・



それらに対し、何も保証せずに、


『肉を食べるな!』


というのは、


身勝手なテロである。



肉を、生産、販売する人々の、


生活や、誇り、


それを、どの様に守るのか?



テロリストは、


そんな事を、考えない。



保障も、保護も、考えない。



ただの偽善。


ただ、幼稚に、発言しているだけ。



だから、僕は、ベジタリアンの要求には従わない。



我々は生き抜いているのだ。



その為に、牧場が必要なのだ。


肉が必要なのだ。



だから、牛を育てて、殺す・・・



それが、僕の本音だった。


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