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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、我々は、枯れた大地にいる・・・



ネズミの森を背に、


川の跡に、そって進み、


その先の、池の跡に、


恐竜の死骸を、発見した。



恐竜の死骸は1頭だけだった。


それ以外は、別の動物の死骸がある。



では、なぜ、この様な場所に、死骸があるのか?



おそらく、ネズミから、逃げて来たのだ。



津波の後に、ネズミが異常繁殖した事は、


事実である。



3人は、過去に、ネズミの大群など、


見た事が無いのだ。



その事から、考えて、


津波の後、天敵を失ったネズミが、


異常繁殖した事と考えられた。



ところが、



『では、ネズミは、何を食べて繁殖した・・・?』



そして、ある可能性に気付く、



『津波の後に・・・』


『大量のネズミを育てるだけの・・・』


『食料があった・・・』



『そして、その食料というのが・・・』


『津波を生き延びた、動物だった・・・』



僕は、周囲の動物の骨を観察した。



この池の跡にある死骸には、


食べられた痕跡は、無かった。



『ネズミは習性的に、平原には来ないのか・・・?』



そもそも、今回に津波は、


岩塩の大地の近くまで、進んで行ったのだ。



つまり、平原で生活していた動物は、


その多くが、岩塩の大地方向に、流され、


死んだのだ。



『では、ネズミは、どの様に生き延びた・・・?』


『津波発生時、木に、よじ登り、助かった・・・?』


『それが、異常繁殖した・・・?』



『では、ネズミは、何を食べた・・・?』



『森の動物・・・?』


『津波の時、木々に引っ掛かった動物・・・?』



『それが、そんな大量に居たのか・・・?』


『2ヶ月で、ネズミを、異常繁殖させる程・・・』



『全てが食べられたのか・・・?』



『それとも、逃げ延びた動物もいるのか・・・?』



『現在、生きている、動物はいるのか・・・?』


『それは、どんな動物だ・・・?』



その様な事を考えながら、


我々は、恐竜の死骸を、その場に残し、


北を目指して、前進を再開した。



ネズミの森が、観察しやすい様に、


北を目指しつつも・・・


右よりに進んで行く・・・



その結果、1分程度で、


ネズミの森が、観察しやすい場所に、


戻って来た。



ここからは、右側にネズミの森を見ながら、


北を目指す。



ネズミの拠点から、


北に、40キロ地点・・・



我々は、絶句していた。



前進が不可能だった。



右側を見ると、


そこにネズミの森が無かった・・・



そして、我々の進行方向である北側には、



土砂の壁・・・


実際には、壁ではなく、山脈の様だが、


その高さ4メートル、



それが、岩塩の大地の方角に続いている。


『津波の仕業・・・・』


当然、それ以外に考えられなかった。



津波が、山を崩壊させ、ネズミの森を崩壊させ、


枯れた大地に流れ出したのだ。



ここで、僕の仮説の1つが消えた。



我々の住んでいた地域が、


津波の被害が1番大きかった・・・



その様に思っていた。



北を目指せば、


生き延びた動物達がいる・・・



その様に思っていた。



しかし、それは、違っていた。


滅んでいたのだ。



『この被害は、一体、どこまで続いている・・・』



我々は、進路を変更、


右側に土砂の壁を見ながら、


岩塩の大地を目指す。



ネズミの森を背を向け、


岩塩の大地に向かい、



40キロ地点・・・



その間、土砂の壁は、少しずつ低く成り、


そこで途切れた。



我々は、そこで、進路変更、


再び、北を目指す。



50キロ進んだ地点で、


壁が途切れた。



つまり、ネズミの森から、流れ出た土砂の壁は、


岩塩の大地方向へ40キロ、


北へ50キロ、広がっている事が解った。



その後、再び、北を目指しながら、


ネズミの森に接近、



その後は、土砂の壁に背を向け、


右にネズミの森を見ながら、


北に向かい進む・・・



300キロ程、進んだ・・・


状況に変化は無かった。



本来、我々の目的は、


水源や、動物を探す事である・・・



しかし、残念ながら、


それは、無理だった。



寒いのだ。



雪は積もっていないが、


この地域は、雪国同様に寒い様である。



その為、魔法による、寒さ軽減があっても、


寒い・・・



3人と1匹の、吐く息が白い・・・


そして、震えている・・・



『体温が奪われている・・・』



これ以上、無理は禁物である。


引き返す事にした。



水源は見付からないし、


動物もいなかった・・・


内心、マンモスが居るのでは・・・?



と期待して来たのだが、


そんな環境では無かった。



北側地域は、


津波による被害で、


我々の行ける範囲は、


滅んでいるのだ。



残念である。



北側には、住めない・・・


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