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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、ネズミの森と、枯れた大地の境界線・・・



通称・ネズミの拠点に、我々は居る。


家族は、睡眠中である。



実際、ネズミは、居ないのだが、


家族に、何かを説明する上で、


場所の区別は、必要である為、


僕が、命名した。



そして、待ちに待った朝・・・



朝食後、


僕は、家族に、今後の予定を説明した。



では、作業開始である。



我々が、通称「槍の木」と呼んでいる木を探す。



槍に使うのは、直径3センチ程なのだが、


今回は、直径10センチのモノを探す。



探すといっても、


枯れた大地から、ネズミの森を見れば、


槍の木は、簡単に見付かる。



結果、森に入る必要は無い。



母にたのみ、


細い枝を、10センチ程度に折ってもらう。



祖母には、それを定規代わりに、


同じ直径の木を探してもらう。



その際、タロには、祖母の見守りを、行ってもらう。



木が見付かったら、


母に、直径3センチ程度の小石を、投げてもらう。



僕は、それを木の向こう側に、瞬間移動させる。



狙うのは、根元・・・



すると、木の、下の方に、3センチ程度の穴が開く。



コレを繰り返し、木を切倒す。



倒れた木の上部や枝も、同様に、


石の瞬間移動を利用して、


切り落とす。



結果、直径10センチ、長さ2メートルの、


丸太が手に入る。



1本の重量は、父が1人で、


持ち運べる重さである。



これを、枯れた大地の作業スペース・・・


といっても、


森から数歩の平地に並べる。



20分程度で、


2メートルの丸太が10本、


1メートルの丸太が3本、


用意出来た。



これを使い、イカダを作る。


その為には、植物のツルが必要である。



そこで、今度は、3人で、ツルを集める。



この森は、全てが枯れているので、


木もツルも、葉が無い為、作業が楽だった。



父が、木の登り、ツルを切り、


母と祖母が、それを回収する。



3人は、イカダというモノは、知らないが、


作り方は、知っていた。



以前、横穴生活をしていた時、


穴のドアに使ったのが、


イカダの原型であった。



今回は、その大きいサイズのモノを作るのだ。


祖母は、ワクワクしている。



父も、楽しみの様である。



祖母も父も、工作が大好きで、


実際、横穴のドアを作った後も、


ツルで木を枝を縛り、


その技を磨いていた。



そして、今日、


その技術が、発揮される日が来たのだ。



半日後、イカダを知らない3人が、


イカダを完成させていた。



本当に水に浮くのか・・・?



それは不明だが、


その必要は無い。



サイズは、


縦2メートル、


横1メートル、



およそ、シングルベットサイズである。



長さ2メートルの丸太が10本並び、


横木が、イカダの上に乗った状態で、


3本設置されている。



そして、全員で、それに乗り込む。



とはいえ、


実際には、その上に立ってだけである。



次の瞬間、我々を乗せたイカダが、


100メートル先に瞬間移動していた。



それを数回繰り返し、


前進した。



『成功だ・・・』



これで、瞬間移動先の地面で、


枝や石などが、足に刺さる心配は、無くなった。



実の所・・・


足に刺さる、枝や石などは、



瞬間移動のエネルギーとして、


消費される可能性がある。



僕は、その様に感じている。



しかし、その答え合わせが出来ない・・・


練習で、魔法は使えない。



その為、実験的に、足場の悪い場所への、


瞬間移動は、発動しない。



僕の無意識が、その様な危険行為を、


認めないのだ。



そこで、今回のイカダである。



僕の魔法は、


誰かの必要・・・


誰かを守る・・・


誰かの役に立ちたい・・・



その様な気持ちが、重要である。



結果、このイカダは、



『家族を安全に移動させたい・・・』


『これがあれば、安全に移動出来る・・・』



その気持ちが、効果を発揮して、


移動魔法の効果を、高めるハズである。



僕は、今日中に、


再び、この場所に戻る事を、


家族に説明した。



そして、


今から、我々が向かう先には、


恐竜など、肉食獣がいる可能性ある事・・・・



その為、


昼食用に、牛肉を持って行くと、


それが、肉食獣を、


呼び寄せる危険性がある事・・・



緊急避難が、必要な場合、


荷物を捨てる必要性が、予想され、


その際、牛皮を、捨てる可能性がある事・・・



結果、牛肉や、牛皮は、


この場所、


通称、ネズミ拠点に、


置いて行った方が、安全である事・・・



それらを説明した。



祖母にとって、牛の皮は、宝物である。


それを置いて行くのだ。



辛いと思う。



しかし、原始人としての習性なのか・・・?


祖母は、僕の提案を、受け入れてくれた。



何か、心苦しいが、


安全の為である。



こうして、我々は、


北を目指し、出発した。


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