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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、ネズミの拠点・・・


家族は寝ている。



僕1人の時間・・・



『将来、後悔しない為に、準備出来る事・・・』


『何がある・・・?』


『何が出来る・・・?』



などと考えてみたが、



この様な場合、


結局、大袈裟な事を考えてしまう。



つまり、『考えろ!考えるんだ!』


などと言って、考えた事など、



劇的なアイデアが多く、


実用性に欠けるのだ。



そこで、普通に考える・・・


現在は、我々に必要なモノは何か・・・?



『優先させるベキは、水の確保である』


『通称・牛の大地に、恐竜池が存在した』



『つまり、水は、あったのだ・・・』



『しかし、我々が使うベキでは無い・・・』


『あの環境は、天然の牛牧場である・・・』



大切な資源なのだ。


我々の、1回の水飲みで、荒らすのは、愚かである。



そこで、我々は、千キロ引き返して、


ネズミの森に帰って来たのだ。



それを踏まえ・・・



僕は、大きな誤解をしていた。


その可能性があった。



我々は、3人山脈の、悲惨な状態を、


知っている。



とても、住める状態ではない・・・


悪臭が酷く、食べるモノも無く・・・



湧き水も減少している・・・


おまけに、冬である・・・



我々には、回復魔法や、寒さ軽減があるので、


生き延びる事が、出来たのだ。



『では、他の動物は・・・?』


『全て、津波に飲まれたのか・・・?』


『生き残りは居ないのか・・・?』



事実として、生き残りは居た。



しかし、我々が、3人山脈で、


遭遇した動物は、


津波に飲まれたが、偶然生き延びた・・・



その類であった。



『生き残りは、今、どこに居る・・・?』



解らなかった。



この2ヶ月間、



『全く、見かけない・・・』



その間に見かけたのは、


鳥だけであった。



だから、僕は、考えた・・・


思い込んでいた・・・



3人山脈のある東海岸は、全滅している。


その様な考えていた。



『しかし、本当に全滅しているのか・・・?』



僕は、地平線を見た。


全てが枯れた、平地だった。



今朝までの僕は、


それが、千キロ以上続いて居る・・・


その様に見えた。



まさか、地平線が、


たったの5キロ以内の距離だとは、


思いもしなかった。



ネズミの森を見ると、


北側も、南側も、


見える範囲、


森の木々が、全てが枯れていた。



僕は、それが、千キロ以上続くと、


思っていたのだ。



『しかし、本当に、そうなのか・・・?』


『本当に、全て枯れているのか・・・?』



壊滅的な被害を受けたのは、


我々の居た地域であり、


北に、あと数十キロ進めば、



『動植物が、生きているのでは・・・?』



と考えられた。



つまり、大陸の向こう側では無く・・・


元々住んでいた、こちら側で、生きて行ける。



その可能性があるのだ。



『明日は、北を目指してみよう・・・』



気持ちが、あせっていた。


直ぐにでも確認に行きたかった。



正直不安だった。


何の保障も無いのだ。



そんな中、僕には、解った事もあった。



僕の移動魔法は・・・



『瞬間移動である・・・』



これは、間違いの無い、事実であった。


僕は、そう核心していた。



一瞬で、1キロ移動する事も、可能なのだ。



現実的に、


空気を切り裂いての移動で、


それは、不可能である。



なぜなら・・・



その様なスピードで動けば、


大気圏に突入した隕石の様に、


空気との摩擦で、炎に包まれる。



しかし、その様な現象は、起きていない。



そして、瞬間移動である根拠が、


もう1つ・・・



最初、この移動魔法を、使った時、



3人と1匹には、


それぞれ、ジャンプしてもらい、



その瞬間に、移動を行っていた。



しかし、現在は、地面に立ったまま、


1歩も動かない状態で、移動出来る。



つまり、もし、


超高速で、移動しているのなら、



地面に接している足は、


消しゴムの様に、磨り減って、



即死レベルの大怪我を、しているハズである。



仮に、足がバリアで守られていても、


移動の間、空中に浮いていても、



我々の移動速度は、戦闘機よりも速いのだ。



その移動によって、衝撃波が発生する・・・



結果、地面が無事では済まない。



ところが、地面には、


我々が移動した痕跡は無い・・・



ホコリさえ、舞っていない・・・



我々は、移動に関して、全く負担を感じていない。



次の瞬間、1キロ移動している。



岩塩の大地なので、風景が変わる事は無いのだが、


移動の際、安全確認に使った牛の死体は、


一瞬で、推定1キロ先に移動している。



我々は、それを追って移動しているので、


毎回、推定1キロ移動していた事は、事実である。



『つまり、我々は、瞬間移動しているのだ』



と成ると・・・



疑問が生まれる。



『では、なぜ、牛の後頭部に穴が開いたのか・・・?』



僕は、牛を狩る為に、石を飛ばした。



しかし、現実は違った。



瞬間移動で、石を移動させていたのだ。



そして、瞬間移動の場合、石は、


牛の脳の中に出現する。



後頭部に、穴が開く事は、無いのだ。



前回の、猪の時も、草むらの草は飛び散っている。


その前の、熊に時も、雨を蹴散らしている。



この事を考えれば、


母の投げた石は、


瞬間移動では無く、



空気を切り裂き、飛んで移動している・・・


と成る。



ところが、音速を超えた時に、


必ず発生する、破裂音が聞こえない・・・



現在、胎児2ヶ月目の僕には、音が聞こえない、


しかし、これまで、母に、何度か確認しているが、


母も、その様な音は聞いていない。



僕と母は、以前、砂利を使い、鳥を撃っていた。



その時も、鳥の頭は、吹っ飛んだが、


音速を越える時の、破裂音はしていない・・・



母が言うには、


「砂利、音、無い、鳥、音、無い」


との事である。



『音が無いのは、瞬間移動で納得出来る・・・』



しかし、なぜ、


『砂利が瞬間移動して・・・』


『なぜ、鳥の頭部が吹っ飛ぶ・・・?』



『瞬間移動では無いのか・・・?』


『では、この魔法の正体は・・・?』



僕にとって、


瞬間移動の正体を知る事は、


とても、重要な事だった。



『僕の使う、瞬間移動とは・・・?』


『一体、何をエネルギーにしているのか?』


『どの様な、リスクが存在するのか・・・』



知らないで、使い続ける事には、


大きな問題があった。



実の所、僕は、


その大きな問題に、心当たりがあったのだ。


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