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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、牛の大地、オアシス付近・・・



300メートル前方に恐竜が3頭いる。


そして、その3頭は、現在、


倒したメス牛を食べている。



こちらには、気付いていないのか・・・?



殺すだけなら、簡単な事である。


母は、砂利を投げる用意をしている。



あの、恐竜を殺す事で、


あの、水飲み場は、我々のモノに成るのだ。



しかし、僕は、それを止めた。



『殺しては、いけな・・・』



この土地には、恐竜が必要なのだ。



恐竜を殺した場合、


ここは、牛の楽園に成る・・・



水があり、


草があり、


近くには、塩もある・・・



ところが、


それは大問題である。



牛が繁殖する・・・



つまり、牛が増えて、


水が飲み尽くされるのだ。



湧き水であっても、


牛は、場所を考えずに糞尿をする。



結果、水源は、汚染される。


結果、牛が病気に成る。



そして、その病気が、


他の牛に、感染して行く・・・



『それが牛の楽園の結末だ・・・』



しかし、この地域には、


あの3頭の恐竜がいる。



おそらく、この地域の牛が、


病気に成った場合、


重症化する以前に、


あの恐竜に食べられるのだ。



結果、病気の感染は広がらない・・・



その様にして、牛の健康は守られて来た・・・


と考えられる。



つまり、


水源を守り、牛を滅ぼさない為には、


恐竜が必要なのだ。



我々は、一生、ここで暮らす訳ではない。


他の原始人を探し、共に生きて行くのだ。



つまり、この水源の利用は、


今回限りかも、知れないのだ。



そんな事の為に、


この水源の秩序を、乱すのは、危険である。



将来、牛は、家畜化出来る可能性がある。



健康で生きていて欲しい・・・



将来、我々の子孫が、


この地域に、塩の採取に来る可能性がある。


その時、この水源は、助けに成る可能性がある。



その時には、原始人も繁栄していて、


恐竜の代わりに、池の番人に成れる。



その時まで、恐竜に、


この環境を、守ってもらう必要がある。



我々は、この様に、将来の事を考えて、


行動するベキなのだ。



僕には、持論がある。


今の一瞬など、実は、重要では無い・・・



もう、取り返しがつかない・・・



それが、今である。



今さら変更出来ない・・・



それが、今の一瞬である。



だからこそ、その為に、準備が必要なのだ。



変更不可能な今を、良いモノにする為、


我々は、将来を考え、行動する必要があるのだ。



そうすれば、将来の今が、良いモノに成る。



正直な所、水が欲しい・・・


タロに、水を、飲ませてあげたい。



しかし、僕は、その衝動を押さえる為に、


自分を説得した。



病気というモノは、馬鹿に出来ない・・・



例えば、鳥インフルエンザが発生した場合、


そこで飼われている全てのニワトリが、処分される。



放置した場合、インフルエンザが進化して、


人類を滅ぼす危険性があるのだ。



つまり、



もし、この3頭の恐竜を殺し、


ここが、牛達の楽園に成ったら・・・



その後・・・


ここが、牛の糞尿で汚染され・・・



牛に感染症が広がったら・・・


それが原始人に感染したら・・・



その可能性を考えた場合、


今、現在、我々に無害な恐竜・・・



それを殺す事に、得など無いのだ。



では、どうするか・・・?



そして、僕は、決断した。



『撤退する・・・!』


『ネズミの森の手前・・・』


『通称、枯れた大地まで引き返す・・・』



ここに来るまで、


僕には、不安があった。



こちら側も、津波被害を受けているのでは・・・?


という心配をしていたのだ。



生前の僕が、テレビで見た記憶では、


地球が誕生した頃、


その世界には、海と、1つの大陸しか無かった。



つまり、


地球儀に手の平を置いた状態・・・


その手の平が、唯一の陸地・・・


それ以外は、全て海・・・



そんな地球の海に、隕石が落ちて、


超巨大津波が発生した場合・・・



その津波は、手の平大陸の、


親指側も、小指側も、指先側も、手の付け根側も、



全方向が、津波の被害を受ける事に成る。


その可能性を心配していた。



ところが、こちら側には、自然が残っている・・・



つまり、3人山脈の、3人村のある地域・・・



そこが、津波被害が、最も大きい地域であり、


それ以外は、無事である可能性が考えられるのだ。



つまり、ネズミの森は、



『全てが枯れている訳では無い・・・?』



その可能性も、充分に考えられた。



ほんの数時間前・・・


朝の8時頃・・・



僕は、移動魔法など、考えもしなかった。



3時間以内に、千数百キロ先の、


この場所に来ているなど、


考えもしなかった。



地平線が、5キロ以内の地面だと、


考えもしなかった。



地平線とは、千キロ向こう側だと、思っていた。



今朝、ネズミの森を抜け、枯れた大地に出た時、


南北に広がる、ネズミの森は、見える範囲で、


全てが枯れていた・・・



だから、千キロ向こう側まで、


全て枯れていると、思っていた。



『しかし、実際は、どうなのか?』



解らない・・・



つまり、僕は、未熟なのだ。


無知なのだ・・・


考えが浅いのだ・・・



つまり、僕の行動は、軽率であり、


改善するベキなのだ。


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