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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、牛の大地・・・



我々は、牛の群れを追跡して来た。



そして、その牛の群れが、動きを止めた。



『到着したのか・・・?』


『水があるのか・・・?』



『なぜ、動かない・・・?』



オアシスと思われる場所までは、


まだ100メートルはある。



『何かを警戒しているのか・・・?』



その後、牛の群れは、少しずつ前進・・・



我々は、牛の群れまで、


200メートルの距離をキープして、


後に続く。



視点をかえて、6メートル上から、


前方を見る・・・



巨大な「くぼ地」があった。



その大きさは、小学校の面積ほどある。



ゆるやかな斜面・・・



ここは平地なので、


6メートル上からでも、


300メートル先の、


くぼ地の底は見えない・・・



結果、その底にあるハズの、


水も見えない・・・



この地域は、水が少ない、


その為、水飲み場は貴重なのだ。



つまり、他の動物も集まって来る。



僕は、音を見る千里眼で、


オアシスを確認・・・



何かが動き、その輪郭が見えた。



『なるほど・・・』



僕は、意外に冷静だった。



僕は、母に伝える・・・


母が、父と祖母に伝える・・・


僕は、タロに伝える・・・・



『恐竜が3頭いる・・・』



その後、牛の群れが、


オアシスに向かい、


ゆっくりと前進・・・



我々は、姿勢を低くして、


その場で待機・・・



音を見る千里眼で、状況を観察・・・



『牛の群れと、恐竜3頭・・・』


『どちらが優勢なのか・・・?』



牛の群れの先頭が、


くぼ地まで、30メートルの距離に・・・



次の瞬間、


1頭の恐竜が、


くぼ地の斜面を駆け上り、



と同時に、牛の群れの、左側面に回り込む・・・



それに、対し、ビクッと反応する牛の群れ・・・


しかし、牛は逃げない・・・



と、同時に、残り2頭が恐竜が、


斜面を駆け上がり、


牛の群れの右側面に回り込み、


1頭の牛に襲いかかる。



その牛には、角が無い・・・



『あえてメスを狙ったのか・・・?』



そのメス牛は、逃げたいが、


他の牛が、壁と成り、



身動きが取れない・・・



1頭の恐竜が、メス牛の首に食らい付くと同時に、



もう1頭の恐竜が、


メス牛の前足に突進した・・・



これにより、倒れ込むメス牛・・・



その後、最初に姿を現した恐竜が、


他の牛には、目もくれず合流した。



『完全に連携している』


『チームプレーで、狩りをしている』



その光景を見て、


僕の家族・・・


つまり、父と母と祖母とタロは


緊張している。



300メートル前方で、


未知の怪物が、狩りを行っているのだ。



当然の事である。



しかし、負ける気がしない・・・


その様な気持ちが、母から伝わって来る。



僕は、音を見る千里眼を使い、


周囲を警戒。



恐竜に気を取られ、


他の肉食獣に襲われては、


意味が無い・・・



残りの牛達は、


ゆっくりと移動を始めた。



先頭の牛が、斜面を下りて行く・・・



『これが、この環境の仕組みなのだ・・・』



僕は、納得した。



牛1頭を犠牲にして、


恐竜達が、それを食べている間、


牛達は、水が飲めるのだ・・・



『つまり、牛達は・・・』


『この地域に住んでいる訳ではない・・・』



牛は、毎日、水を飲むのだ。


毎回、1頭食べられていたのでは、


絶滅してしまう・・・



つまり、今回は、塩分補給の為の、


遠征を行い、その帰りなのだ。



つまり、この先に進めば、


牛が暮らせる環境があるのだ。



僕は、ズーム機能を使い、恐竜を見た。



『前回と、同種?』


『頭から、地面までが・・・』


『約1メートル50センチ・・・』


『前回よりも、小柄・・・?』



頭から、尻尾の先までの長さ、約3メートル・・・



この3頭の恐竜は、


以前、見た恐竜よりも、


背か低く、尻尾が細い印象だった。



『地域による、進化の違い・・・?』



実際、3人山脈側と、こちら側では、


僕の計算上、千キロ以上離れているのだ。



元が同じでも、環境によって、


進化が異なる事は、充分に考えられた。



再び、音を見る千里眼で、


周囲を警戒・・・



『では、どうするか・・・?』


『恐竜を殺すのか・・・?』



『牛が去ったあと・・・』


『恐竜を殺して・・・』


『水飲み場を、我々のモノにするのか・・・?』


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