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これは魔法の書です。  作者: わおん
12/2190

012

どうやら、僕の魔法は、


失敗に似た、心理状態によって、


発動している様である。



そして、その経験を重ねる事で、



『出来て当然・・・』



この様な、心理状態が生まれる。



その結果、その後、その魔法は、


当然の様に使える。



コマ倒しが、その成功例である。



しかし、昨日、僕は、


失敗によって、魔法が発動している事に、


気付いてしまった。



つまり、今後、僕は、失敗を意識してしまう。


あえて、失敗する様に、考えてしまう。



そして、その場合の失敗は、


本当の失敗では無い。



つまり、今後は、失敗によって、


魔法を発動させる事は、困難なのだ。



『では、どうするか・・・?』


『具体的には、何をすれば良いのか・・・?』



『コマ倒し以外は・・・』


『どうすれば、習得出来るのか・・・?』



『自分で、自分を叩く・・・?』



幼稚園に到着した僕は、


いつもの様に、考え事を始めた。



周囲では「わーわー」「ぎゃーぎゃー」騒いでいる。


幼稚園なのだから、当然である。



僕は、毎日、その様な環境で、


考え事を、しているのだ。



『失敗すると、魔法が発動する・・・』


『でも、その方法は、もう使えない・・・』



しかし「出来ない」と考えていても、


無駄である。



そこで、僕は、考え方を変えてみた。



『毎回、1回目の成功率は高い・・・』


『僕が、ひらめいた場合・・・』


『その直後、魔法が発動する事が多い・・・』



『その為、僕が、ひらめけば・・・』


『通称・1回目現象によって・・・』



『最初の1回だけは・・・』


『魔法が、発動する可能性がある・・・』



しかし・・・


それは難問だった。



『失敗した結果、コマが移動する理屈・・・』



それを「ひらめく」必要があったのだ。



『止まれ! 言えば・・・』


『それが失敗して、動くのか・・・?』



その様な、狙った失敗では、魔法は発動しない。



『その方法は・・・』


『サイコロで1度使っている・・・』



つまり、今度、それを実行しても、


それは「ひらめき」では、無いのだ。



『つまり、1回目現象は起きない・・・』



僕は、その事を理解していた。



『頭を、だます・・・』



それに成功しないと、失敗魔法は発動しないのだ。



いつしか雑踏は消え、


僕は、考え事に没頭していた。



そして・・・気付いたら、お弁当の時間だった。



『あれっ?』



僕は、午前中、お遊戯をした記憶が無かった。



『僕は、何をしていたのか・・・?』


『お遊戯には、参加していたのか・・・?』



先生に、聞きたい気持ちだったが、


そんな事をすれば、


また、みんなに馬鹿にされる。



しかし、予想は出来た。



『お遊戯には、参加していたハズ・・・』



それで無ければ、先生に注意され、


その事で、今、みんなに、馬鹿にされている。



『しかし、馬鹿にされていない・・・』



つまり、僕は、考え事をしながらも、


お遊戯を、行っていた事に成る。



しかし、その記憶が無い。



『これは、何か、凄い事なのでは・・・?』



『コレをしながら、アレをする・・・』


『あっ・・・!』



『別の事をしながら、魔法を使う・・・』



『これだ!』



僕は、気付いた。



『これなら失敗しなくても、魔法が使える・・・』


『コレを考え、アレも考える・・・』


『つまり、欲張る余裕が無い・・・』



『欲が出なければ、魔法は発動する・・・』



事実、失敗魔法も、


その失敗によって、


欲以外の魔法が、発動しているのだ。



『でも、何をする・・・?』



それが、解らない。



『何をしながら、魔法を使えば良いのか・・・?』



残念ながら、幼稚園では、試す事が出来ない。



『では、家に帰れば試せるのか・・・?』


『実験が、出来るのか・・・?』



現実問題、それも難しい。


1日1回が、限界である。



それ以上すると、僕は、夢中に成り、


母に見つかる。



そして、その実験は、2度と出来なく成る。



『これは、遊びじゃ無い・・・』


『気軽に、色々試せない・・・』



つまり、今、僕がするベキ事は、



『別の事をしながら、魔法を使う・・・』


『その「別の事」を、何にするか・・・?』



それを考える事である。



昨日は、自分の、ほほを叩いた。


しかし、この方法は、本気で叩く必要がある。



その為、音と、叩いた跡で、


母や姉に、バレる危険性が高い。



『では、どうするか・・・?』



『歌いながら、魔法を使う・・・?』


『数を数えながら・・・?』



『それだ・・・!』



『数を、100から逆に数えれば・・・』


『これは、名案だ・・・!』



などと、考えたが、


それには、問題があった。


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