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これは魔法の書です。  作者: わおん
110/2327

110

僕が、原始人の胎児に成って、約2ヶ月・・・



現在、我々は、山頂付近にいる。



そして、その場所から、下山して、


平地に出るまでには、


4日かかる。



そして、その間、食料を得る事は、


困難であると考えられる。



巨大津波に飲み込まれ、2ヶ月経過した事で、


地中の生物の多くは、腐っているのだ。



『では、平地に出たら・・・?』



以前、平地に出た時、恐竜を目撃した。



津波発生時に、生き延びる環境があったのだ。



『つまり、平地に出れば・・・』



『地中に、幼虫が、いるのでは?』


『ヘビやトカゲも、いるのでは・・・?』



理屈で考えれば、



平地にも、ヘビやトカゲは生息している。


そして、現在、冬眠している。



しかし、


『津波で、海水を含んだ地面・・・』


『生きているのか・・・?』



恐竜は、津波発生時、


泳いで生き延びた可能性もある。



しかし、冬眠中の生き物は?



森の木々は、平地に向かい、傾いていた。



つまり、相当な水量が、平地に到達して、


平地にも大きな被害を、


与えているハズである。



『その結果、恐竜が減少している・・・?』


『狼は、恐竜に食われ、減少している・・・?』



残念ながら、


これは、僕の都合の良い、希望であり、


実際には、何も解らない・・・



『では、どっちを選ぶ・・・』


『崖の向こうに移動するか・・・?』


『平地に出て、新天地を探すか・・・?』



『どっちに、希望がある・・・?』



実際、僕の中では答えは出ていた・・・



『平地・・・』



しかし、そう成ると、


やはり疑問が・・・・



『平地には、恐竜がいる・・・』


『恐竜は、何を食べている・・・?』



『狼・・・?』



だったら、なぜ、その狼は、



『山に逃げて来ない・・・?』


『狼だけじゃない、鹿、猪、熊・・・』



『なぜ、山に逃げて来ない・・・?』



『恐竜が全部食べた・・・?』


『まさか・・・それは無い・・・』



恐竜が、他の動物を絶滅させる程、


繁栄しているとは、思えない。



平地に、それ程の恐竜が居るのなら、


津波以前に、生態系が崩壊して、


恐竜も滅んでいるのだ。



つまり、津波以前も、


恐竜の数は少なかった。



そして、津波によって、


その数は、さらに減少している。



『しかし、恐竜がいる事は事実・・・』



それを踏まえて考える。



この山脈には、


元々、多くの動物が暮らしていた。



それが津波の影響で、逃げ出した。



『どこに逃げたか・・・?』



おそらく、平地である。



しかし、


平地に、恐竜が生息していて、


その存在に気付いた動物は、



『どうする・・・?』



大半は、山に引き返す。



野生動物というのは、臆病なのだ。



プライドなど関係ない。


恐ければ、逃げる。



仲間の悲鳴を聞けば、


逃げる。


山に逃げ帰る。



ところが、


そんな動物を1頭も見かけない。



我々が、これまでに、


山中で遭遇した動物は、



逃げ遅れたか・・・


逃げる前の段階・・・


そのどちらかであった。



つまり、それ以外の動物は、


どこかに移動して、そこで生活しているのだ。



『では、どこに居る・・・?』



解らない。


僕には、何も解らないのだ。



だから、幼稚な発想に、逃げてしまう。



『千里眼は、成長しないのだろうか・・・?』


『安全な場所を見つけたい・・・』



僕は考えた。



『山中に居ながら・・・』


『平地の状況を、確認する方法・・・』



『どうすれば、見れる・・・?』



残念ながら、ここから徒歩で、


4日半の距離にある平地を、


僕の千里眼で、見る事は出来なかった。



つまり、正真正銘の千里眼が、必要なのだ。



『全てを見通す、千里眼・・・・』


『何とかして、平地の状況が知りたい・・・』



その時、僕は、気付いた・・・



『予知夢・・・?』



千里眼が無理なら、


1年後の、我々が暮らしている場所を、


予知夢で見れば良いのだ。



魔法が実在するのだ。



予知夢だって実在する・・・



ハズである。



『一体、どの様にすれば、予知夢は見られるのか?』



僕は考えた。



僕の魔法は、包み込む・・・


それが基本である。



『では、未来を包み込む・・・』


『時間を包み込む・・・』



しかし、



『未来は、どこにある・・・?』


『時間は、どこにある・・・?』



空気を包み込んでも、


それは空気である。



『未来でも、時間でも、無い・・・』


『そもそも、僕は眠れない・・・・』


『つまり、予知夢は、見れない・・・・』



結局、我々は、


平地を目指す事と成った。


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