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これは魔法の書です。  作者: わおん
104/2331

104

原始の世界で胎児に成って、2ヶ月目・・・



現在、山中で、横穴生活中・・・



そして、僕は、悩んでいた。



空気の腐った、この山の中で暮らして行く場合。



『僕の回復魔法は、絶対に必要だ・・・』


『しかし、その僕は、出産前に・・・』


『死んでしまう可能性がある・・・』



胎児である僕に、脳が出来・・・


それが機能した瞬間、



『それは、どのタイミングなのか・・・?』



『生まれた瞬間・・・?』


『それとも、生まれる数ヵ月前・・・?』



事実、僕には、受精した段階から、


意識があった。


知能があったのだ。



つまり、胎児の僕に、脳が出来た段階・・・


つまり、胎児の段階で・・・



『そのタイミングで、僕は脳死する・・・』



そして、それを回避するには、


過剰な回復魔法が、


絶えず発動している状態・・・


それを修得する必要がある。



しかし、その修得方法が解らない。



そこで、母である。



もし、胎児である僕からの連絡・・・


それが途切れたら、


母に、僕の回復を行ってもらう。



僕は、その段階では、



まだ胎児である。


脳死状態であっても、


死んではいない。



まだ、胎児として成長中・・・


完成前の段階である。



『そこに、母の回復魔法を受ける・・・』



すると、



『回復魔法を受けながら・・・』


『僕の脳は、完成に向かう・・・』



結果、



『僕の脳は・・・』


『魔法に対応出来る様に・・・』


『成長する可能性がある・・・』



つまり、



『僕は、魔法使いとして・・・』


『この世界に誕生出来る・・・』



あくまでも、可能性である。



誰も、正解を知らない・・・



つまり、僕が考えて、僕が確認する以外に、


選択肢は無いのだ。



僕は、何度も何度も、


同じ事を考えた。



母を、魔法使いにする方法・・・


それで、僕を治療してもらう方法・・・



何度も考えれば、


毎回、同じ結論が出る。



しかし、それが狙いである。



毎回、同じ結論では、


僕は、退屈するのだ。



結果、僕は、その退屈から逃げる為に、


試行錯誤して、新しい結論を考える。



つまり、何かを「ひらめく」のだ。


だから、僕は、何度も考えた。



『どうやって、母に魔法を教えるか・・・』



何度も何度も考える・・・



実際に、何百回も考えている。



そして気付く・・・



『現実問題、教え方など存在しない・・・』


『教えなくても、出来る・・・』



それが、魔法使いの大前提である。



『習って修得する・・・』



その発想がある時点で、


魔法の修得は、不可能に成る。



『自分では、出来ないから、習う・・・』



つまり、


出来ない事を、理解しているのだ。



例えば、


楽器の演奏などは、習えば、上達する。



手、耳、目、など、


元々機能する部分を使っているのだ。



元々、使えるモノを、上手に使う練習をする。



その方法を習う。


だから、上達する。



ところが、


魔法は、元々機能する部分ではない。


魔法は、精神で使う。



魂を使うのだ。


存在を確認出来ないモノ、


それを使うのだ。



手を1センチ動かす事は出来ても、


魂を1センチ動かす事は出来ない。



動かしている、つもり・・・


それでは動いていない・・



それは芝居である・・・


芝居をしても無駄・・・



僕自身が、それを何度も経験している。



『では、僕は・・・』


『どの様にして魔法を修得した・・・?』



それは、幸運な勘違いが切っ掛けだった。



自分を魔法使いと勘違いして、


その勘違いによって、魔法が発動したのだ。



これが魔法使いに成る、方法である。



そして、母は、自分も魔法が使えると、


勘違いしている。



自分も心を込める事で、


家族の回復が高まると、信じている。



自分が発する何かで、家族を治している。



その様に信じている。



誰も、そんな母を、馬鹿にしない・・・



一生懸命に生きる、原始人の母・・・



家族を守る為、狼に向かい、一歩踏み出す魂・・・



その魂が、魔法を信じているのだ。



『母になら、魔法が使える・・・・』



つまり、必要なのは、練習ではない・・・



実践である。


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