表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
史上最強⁈  作者: 士ケンジ
本戦出場
12/24

真面目に闘いたい‼︎

これまでの観音開絃四郎の戦歴


予選1 VS おばちゃん

日用品を使った急所狙い(ルール違反)

パンチラを指摘されたおばちゃんは逃走。


予選2 VS 男子小学生

お菓子に偽装した下剤を盛られ、顔に犬のうんこを突きつけらる。

子どもは殴れないのでやむなく逃走。


予選3 VS ゆるキャラ

臭い頭部を被せられた後、首を絞められる。

金的をくらった相手は逃走。




(何でこうなった……)


左文字商店街を歩く絃四郎。これまでの闘いを脳内で振り返っていた。


ずっと夢見ていた全世界の格闘家たちが集まる祭典。噂にしか聞いたことがないファイターとの手合わせが実現する。


そう思っていた。


人類最強と呼ばれる、背中に鬼が浮かぶ男とその息子。

千年無敗と言われる古武術の継承者。

喧嘩殺法を繰り出すアメリカのファイター。

両手から気を放つ孤高の格闘家。

キングオブハートの紋章を拳に刻むガン◯ムファイター。


伝え聞く話は、見たこともない技の応酬や、互いの誇りをかけた死闘を想像させるものだった。


自分もGBRに参加すれば、そんな闘いができるのだと確信を抱いていたのに。


(なのに、何なんだ‼︎ これが史上最強を決める大会なのかよ‼︎ )


昨日から怒りを抑えきれない。


サモンちゃんに逃げられた後、絃四郎はすぐに大会本部のある中心街へ向かった。

主催者のゴールドバーグに、抗議をするためである。

サモンちゃんによれば、数々の大会ルール違反は、左文字町民に許された特権であるらしい。


いくら開催地に住んでいて、迷惑をかけているとはいえ、そんなことが許されていいはずがない。

町民が大会に参加することは問題ないが、それはあくまで実力があったならばだ。

史上最強を決める大会と銘打ったならば、アンフェアが許されていいはずがない。


公正の欠片もない大会を辞退してやるつもりだったが、その前にゴールドバーグに言ってやらなければ気が済まない。

自分のためだけではない。

絃四郎が黙ってしまえば、マサキをはじめ、敗れた格闘家たちが浮かばれない。


が、しかし。

昨日は大会本部に辿り着いたものの、予選中は一切取り次がないと門前払いされてしまった。


本戦に進めば、明日会ってやると。

秘書を介してゴールドバーグは、そう伝えてきた。


極めて不本意だったが、仕方なく近くでウロウロしていた格闘家を二人倒し、バッジを回収した。


本戦出場が決まり、今日こそと意気込んで大会本部へ向かっているのだ。


格闘家の夢をぶち壊した罪は重い。

今日も有耶無耶にして会うつもりがないと言われれば、強行突破もやむを得ないと考えていた。


「俺は本物の格闘家と……範◯勇◯郎みたいなのと闘いたかったんだよ‼︎‼︎‼︎ それなのに、あの野郎‼︎ 」


怒りは思わず口から出てしまっていた。

絃四郎の只ならぬ雰囲気を悟ってか、町民たちは怯えながら道を開ける。

町民の憩いの場となっている商店街の空気が凍る。


絃四郎はそんな周囲の空気をすること意に介さず、大会本部の自動ドアの前に、腕組みをして立った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ