第八章 情景
そろそろラストパートです!!最後までどうかお付き合いくださいませ。
「・・・・・・・・・・・。」
私はただじっとしていればいい・・・。私は人形。私は人形。私は仏像。私は銅像。私はナウマンゾウ・・・・。私は角野〇造・・・・・・。
「うがぁー!!!!」
耐えきれなくなって立ち上がる、が、ルトゥにすぐに席に戻らさせられる。
「フレップ、じっとしているのだよ。動くとメイクの邪魔になる。」
「別に私はメイク要らない!!!」
「とにかくじっとしているのだよ。」
そう、私はルトゥにメイクをされている真っ最中である。これがかなり凝っているせいか時間がかかるかかる・・・・。舞踏会の前の恒例行事だ。あ、ちなみにルトゥのメイクはもうばっちりね。
「私はお前の人形じゃない!!」
「・・・・・・・・・・。」
無視かよ!!そうかよ!!
「・・・・完成したのだよ!!ああ、次はこのドレスを!!」
この状態の時のルトゥにツッコミは無意味だ。
「へいへい・・・・・・。」
これまで着ていたジャージを脱がされ、緑色のベルベット生地のドレス・・・・この前渡されたドレスをどこからか取り出し、着させられる。
「またルトゥの燕尾服と対のドレスかよ・・・・。」
「うむ。完璧。さぁ、次は髪を・・・・!!」
そういって、昨日ルトゥに綺麗に切りそろえられた私の髪をルトゥがブラシでとき始める。面倒だ・・・・。
さらさらさらとルトゥに梳かれた髪がこぼれてゆく。ルトゥの努力には感服するよ・・・・・。散々私の髪を梳かしたあと、ルトゥは私の髪をなにやらお洒落な髪型にした。
「完成・・・・!!さぁ、僕と舞踏会に・・・・・ああ、その前に。」
ルトゥが懐をあさり、何かを取り出す。・・・・・簪のようだ。それを私の頭にそっとつけると、ルトゥは満面の笑みをうかべた。
「・・・・・ヤドリギの簪なのだよ。どうかこれからも使ってくれたまえ。」
あ、うん・・・・・・・。
「とても、似合っているのだよ・・・・。」
うっとりとルトゥがこちらを見つめてくる。ありがとう、でも、多分、ルトゥの半端ない努力のおかげだと思うよ。
『乙女ゲーム『花園』の世界に住む彼ら』の新シリーズ投稿しました!!良かったら読んでください!!題名は『どう考えても私のお守り役が怖すぎる件について・・・・・・』です。どうぞよろしくお願いいたします。