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第六章 スラヴ民謡の主題によるヴァリエーション

食事シーンなのですが、食べている描写がなぜかほとんどありません。

「うまし!!ルトゥのカレーがやっぱ最高だね!!」


 説教(三十分)が終わり、ひゃっほーい!!食事タイムだZe!!となったはいいが、食事が出来ていない、ということで十分ほど待ったあとのやっとの食事である。お手伝い?ナニソレ美味しいの?・・・・・皿運びはやりましたし!?


「当たり前だろう。」


 チッ、お上品に食べやがって!!ルトゥめ!!


「つーかさ、君、貴族だろう?なんで料理作れんの?」


 貴族サマが料理を作るイメージはあまりない。いや、庶民のくせに作らない私が一番可笑しいのだが・・・。


「貴族にも料理やら縫物やら家事が出来る者は多いのだよ。君も知っているだろうが、この国では才能があれば庶民でもすぐ貴族になれる代わり、ボンクラな貴族は即落ちぶれるからね。自分がボンクラと見なされ、落ちぶれたときを考えると家事が出来ないと困るのだよ。まぁ、僕の場合その心配はないのだが、君が家事を一切出来ない分、僕が出来るように・・・・・とね。」


 へー。そんなもんか。貴族サマも大変なんだね。私にゃ関係ないけど。


「この国ってかなり平等な国だよね。」


 いや、庶民だろうがなんだろうがこの学園に必ず通うことになっているし、舞踏会だって庶民も普通に参加できるってすごいと思うんだよね。ドレスとかタキシードとか持ってない人の為に無料貸し出し場があるくらいだし。いや、持ってない人はあんまいないんだけど。この国って生活に困るほどの貧乏はいないし。しかも貴族だって庶民を見下すような発言はしちゃ駄目だし。最近は庶民よりも貴族のほうが大変そうじゃね?と思うようになってきた。


「確かにそうなのだよ。この国には長らく戦争がないからその分、国政に手を回せたからだろうね。」


 ああ。他の国は戦争やらなんやらで大変そうだけどさ。


「ところで・・・・・・。」

「なにさ?」

「君はクロユリに会いたがっていたね。なぜ?」


 クロユリさんと貴方をくっつけるためです!!・・・・・とは言えないよな・・・。だからと言って、私のハッピーライフのためです!!も可笑しいし・・・・。


 あ・・・・・!!


「ユリさんっていう人が超スーパー美少女って聞いたからさ、見たいなー!!と思って。」


 ヒロイン確か美少女だったろ!!私ったら頭いい!!


「超とスーパーは同じ意味なのだよ。それに美少女はこの部屋のマリオネットで十分だろう?美しいものというのであれば僕が満たしているし、女性的な美しさが欲しいというのであれば、僕がドレスを着ればいいのではないかね?」


 ルトゥのドレス姿・・・?小さい時に見たけど似合ってたな・・・。じゃなくて!!


「いや、生きてる本物の美少女が見たくて!!」


 なんだこの言い分。我ながら不審者みたいなセリフだ。


「・・・・・・誤解しているようだが、そもそもクロユリは女性ではないのだよ?」

「えっ?」

「確かに声も女性の声にしか聞こえないし、華奢な体つきだし、いつも女性と勘違いされるが、男なのだよ。」

「えっ?」

「男なのだよ。」


 待て。『花園』はBLゲームだったか?


「・・・・・他のユリさんプリーズ。」


 絶対違うユリさんだ・・・・。ユリ違いだ・・・・・・。


「はぁ・・・・・・。双子にシラユリとやらがいると前にやつが言っていたような・・・・・・。」

「それだ!!!」


 それだ!!絶対そっちだ!!だって私の記憶が正しければ、ユリはユリでも『シラ』ユリだったと思うし!!


「食事中に立たないでくれたまえ。それにシラユリやらと僕は知り合いではないのだよ。」


 あ、ごめん。


「じゃあ、そのクロユリさんとやらの見た目を教えてよ。双子なんでしょ。」


 ヒロインの見た目、忘れちゃったんだよね・・・・・・・。


「・・・・・・シラユリとやらに会いに行くつもりかね?」

「うん。」


 クロユリさんはなんだかヤバそうだったから、ためらっていたけど。


「結婚でも申し込むつもりかね・・・・・・?」


 どうしてそうなる?シラユリさんにはルトゥを好きになってもらわなきゃ困るから。・・・まぁ、言えないけど。


「そんなんじゃないよ。ただ、その子を本当に見たくなっただけ。そんなに心配なんだったら、付いてきなよ。」


 それでシラユリさんに一目ぼれを!!


「信じて、いいのだね・・・・?もし、君が僕を裏切るようなことがあれば・・・・僕は****を*****してし*うよ・・・・?」

「え?ごめん。後半良く聞き取れなかった。」

「構わないのだよ。クロユリの外見を聞きたいのだね?クロユリは朱い目に黒い髪を持っている。」

「えっ?」


 黒髪ってこの世界にいないんじゃなかったっけ?それに朱い目!?


「クロユリは特別なのだよ。」

「は、あ、うん・・・・・・。」


 適当だな。


「じゃあ、今度二人でちょっと探してみようよ。」


 黒髪に朱い目だったら目立つだろうし。


「あ、まって。その手掛かりで探すとクロユリさんが捕まっちゃうわ。」

「それはないのだよ。クロユリは今この学園を空けているはずなのだよ。」

「そうなの?」

「ああ。それに、クロユリとシラユリは髪の色は同じでも目の色が違うらしい。だから黒髪の者を探せばいいのだよ。」


 へーい!!ルトゥとシラユリさんをくっ付けちゃおう大作戦、始動だぜ!!・・・・それにしても始動までに時間がかかったなぁ・・・・・・。



カレーを食べると幸せな気分になれますよね・・・・・。

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