第一章 ワルツ・レント
人形・・・・。クロユリと同じく家にあるフランス人形を思い出す・・・・。
「おい、目を覚ますのだよ、フレップ!!」
誰かが私を呼んでいる・・・・・。
「君、実はもう意識あるだろう!!ばればれなのだよ!!」
え・・・・?まぁ、意識あるっちゃあるけど・・・・。なんかぼんやりしてて・・・・。ん・・・?ここは・・・寮の・・・私の・・・ベッド・・・・?
「フレップ!!僕の慌てるさまがそんなに面白いのかね!?」
いや、別に・・・・。
「フレッ
「うるさい!!」
体の上にかかってた布団を投げ飛ばし、一気に起き上がっt
ゴンッ
「いったー!!なのだよ!!」
「う・・・痛い・・・・・。」
なんてこったい・・・。一気に起き上がった拍子にルトゥと顔面衝突した・・・・。
「僕の顔に傷がついたらどうするのだ・・・・ってああ!!フレップ、大丈夫かね!?また気絶なんてことは・・・。」
「一瞬魂飛ばしたわ!!この石頭!!」
「なっ!?人が心配すれば調子に乗って!!石頭はそっちなのだよ!!」
と、いうか・・・・・。なんつーか、この顔・・・・ルトゥの顔・・・見覚えあるような・・・・?いや、小っちゃい頃から散々見て来たから、見覚えあるに決まってんだけどさ・・・・・。なんか前世レベルな感じで・・・・・。前世・・・・?
「あああああああああああッ!!!!」
お、思い出した!!コイツの顔、前世でやってた乙女ゲームの攻略対象の顔だ!!!たしか、ゲームの名前は・・・『花園』・・・・・・?だったような・・・・?つーか、前世ってなに!?あ、もしかして私は転生したとか!?ええ!?わっけかんねー!!まぁ、ルトゥが私が前世でやってたゲームの攻略対象者でそのゲームにはヒロインと恋愛バトルを繰り広げるライバルが攻略対象者ごとにいて・・・・たしかルトゥ・・・・ミスルトゥのライバル役の名前は・・・・・・・フレップ・スノキって子・・・・・私やんけ!!
「ど、どうした!?また気絶するのか!?」
「しないわ!!とりあえず、お前は私の疫病神!!近づくな!!」
「はぁっ!?」
ガッデム!!これ以上コイツに迷惑をかけられるのは・・・・・あれ?たしかあのゲームのルトゥのルートの私って、ルトゥが大好きで、急にルトゥの関心をかっさらっていったヒロインちゃんをいじめる・・・ってキャラで、ヒロインちゃんとルトゥがハッピーエンドを迎えると、自分を大切に思ってくれる運命の人と出会って、ヒロインとルトゥにこれまでの非礼を詫びた後、二人の前から姿を消す・・・ってエンドだったような・・・?バットエンドとノーマルエンドは記憶にないけど・・・・。あれ・・・?ハッピーエンドの私ってものっそ幸せじゃない?それに、これは・・・・この腐れ縁の幼馴染と縁を切れるチャンス!!そして良い人と出会うチャンス!!
「ごめん!!今のやっぱ嘘!!君を全力で迎え入れ、サポートしようじゃないか!!」
「はぁ?」
いじめはちょっと出来ないけど、全力でヒロインとルトゥの恋愛を応援しようじゃあないか!!こんな奴とくっつけられるヒロインちゃんが哀れだと思わない事もないが、こんな奴でも根はきっと良いはずなので好きな子には優しいだろう。
「ちょっと・・・いや、かなり君の言っていることがわからないのだよ?まぁ、それはいつものことだから気にしないが、今回は悪いことをしたと少しばかりか反省しているのだよ。」
「はぁ・・・・。珍しいね。何を反省してるの?」
「いや、君は声に驚いて足を滑らせただろう。」
ああ、そういえば。あの人形部屋で怖くなって適当に喚いてたら、返事が返ってきてビビって足を滑らせたんだっけ・・・・?
「その・・・なんだ・・・。声は僕のものだったのだよ。」
「はぁっ!?」
「いや、君が部屋の中で怯えているようだったので、つい・・・・・。面白そうだったので・・・・。まさか、君の足元にバナナの皮が落ちてるとは思わなかったのだよ・・・・。」
「バナナの皮っ!?」
何かのお笑いかなにかか!?どうしてバナナ?なんで!?最近食べたっけ!?というか、潔癖症のルトゥが気づかなかったってどんだけ!?
「とにかく・・・・すまなかったのだよ・・・・・。」
はぁ・・・・。というより、ヒロインちゃんはどこだ!?デフォルト名は・・・・ユリ・・・・?いや、シラユリだったか・・・・?
「そのことは許すからさ、この学校にユリ・・・・とかっていう名前の人知らない?」
「ユリ・・・・?というと王族か・・・?」
「多分・・・・。」
そういう設定だった・・・・ハズ・・・・。
「王家でユリという名の者は知らないが、男爵家ものだったら、クロユリ・・・・・という者を下級生で知っているのだよ。」
その子か・・・・?クロ・・・・?『シラ』ユリじゃなかったっけ・・・・?というか、ルトゥの数少ない知り合いの一人にユリさんが入ってたとか奇跡・・・いや、運命じゃね?
「ふーん。ねぇ、その子ってどこの部屋?」
とりあえず会ってみよう。
「なっ!?会うつもりなのかね?」
「うん。それがどうしたの?」
「あれには合わない方がいいのだよ!!しかも、部屋に行くなどもってのほか!!」
「なんでや?あんさん。」
「その口調・・・・。とにかく!!あれの部屋に訪ねるのは不味い。」
「だから、どうしてさ!?」
「今、あれには好いた人間がいるらしい。あれは今、好いたものに近づいたものを許さない。君も下手したら殺されるのだよ。」
ええっ!?ヒロインちゃん、ヤンデレ!?
「ああ、でも、ディアポロとかいうのがあれの髪を切ったとか。それに、好いた相手と仲も良いんだとか。いつ殺されても可笑しくないのだがね。まだ生きているらしい。」
「ええっ!?ディアポロ!?」
「なんだね?知り合いか?」
「まぁ?幼馴染・・・・・?」
こちらも腐れ縁だけどさ・・・・・。
「幼馴染!?君の幼馴染は僕だけではなかったのかね!?」
「いや、違うけど。」
お前と違ってそこまで友好関係狭くないからね?私。
「なんてことだ・・・・。これは裏切りなのだよ!!」
「どこがだ!!」
「これから、君がディアポロとやらと関わることを禁ず!!」
「ええっ!?」
なんでやねん!!
「なんだね!!その声は!!」
「いや、なんでお前に友好関係を縛られなくちゃいけないんだ!?」
わけわかめだわ!!!
「なっ!!とにかk
「フレップー!!殺されかけたー!!!」
うっ・・・。いったぁ・・・・・。
私たちの言い争いは、いきなり私の胸に飛び込んできた乱入者によって中断させられたのだった。
うーん。あみだくじの結果、ヒロイン終ってたシリーズのスピンオフはすることになったのですが・・・・。ユリ・・・じゃなくてクロユリの独白とかでどうでしょう?




