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屈み込み、一気に走り出す!
マノンの首を狙って。
しかし…。
「遅いよ、姉さん」
無邪気な笑顔に、一瞬手が揺れた。
その隙に攻撃の腕を捕まれ、地面に体を叩き付けられた。
「がはっ!?」
肺の空気が全て抜けた。
右腕と首元を捕まれた。
抗おうとしても、体への衝撃のせいで指一本動かせない。
ノドを締められ、空気が漏れる。
「ひゅっ…」
「人として生きるのもタイヘンだね。血族の力の使い方を忘れてしまうんだから」
「闇っ…に堕ちる、よりは…マシだ…」
「言うねぇ。流石はボクの姉さんだ」
マノンはククッと笑いながら、顔を近付けた。
「決着を付けたいのはヤマヤマだけどね。あいにく、まだボクの体はちゃんと出来ていない。延長戦といこうか」
「なにっを…」
マノンはニッコリ微笑むと、マカから離れた。
そして両手を広げると、白い光に包まれる。




