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「まあ…カノンのあの状況を知っているからだろうけど…」

「ああなったのは他でもない。ジジイのせいだろ。生まれたばかりの私を、母から無理やり引き離し、当主の英才教育を受けさせたんだからな」

「うん…。それにマノンのこともあるから」

 ぽつりと呟いたマサキの言葉に、マカの体が強張った。

 カノンとはマカの実母。

 そしてマノンとは―マカの双子の弟だった。

 だったという過去系を使うのには理由がある。

 すでにこの世にはいないからだ。

 マカと共に母の胎内から生まれ出たマノンの体はすでに、冷たくなっていた。

 なのに現当主こと、マカの祖父は次期当主の教育の為と言い、カノンの手からマカを取り上げたのだ。


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