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メアリー

作者: 春野ツバサ

小さな頃、そんなに多くの人形をかってもらえなかった私は一つの人形を本当に大切にしていた。もっとも、しょっちゅう落とすから、買ってもらえなかったのだけれど。



大切にしていた人形は、高校入学と同時に捨てたり、人に譲った。ただ、金髪をした少女の人形だけはとっておいた。たしか、メアリーと名付けたはずだ。特別大切にしていたのもあるが、別に強い理由はなかった。なんとなく…なんとなく手放せなかったのだ。


その人形は結局机の横の本棚に乗せておいた。

一年くらいしただろうか。すっかりホコリをかぶっていたが、気にも止めていなかった。



ある日の放課後。しとしとと雨が降る、暗い夜道を自転車で走っていた。交差点をわたろうと足に力を入れた瞬間、私の横からトラックがやってきて眩しく照らした。



ドスン


鈍い音がした。もうだめだ…と思ったが、目を開けると確かにぶつかったものの、倒れただけで大きなケガはなかった。



?おかしい。確かに何かがぶつかった音はした。あれだけの音だ。ぶつかられたものは無傷なはずがない。トラックはへこんでいた。なのに私はほとんど無傷。…どうして?



そんなことをおもいつつ立ち上がり端の方によける。ふと足元をみると黒く汚れ、手や頭がとれかかりどことなく赤く染まった…人形が落ちていた。



うそ…そっと手に取るとそれは確かに…金髪をしたメアリーだった。


そしてどこからか、声がした。



ーーーーよかった…生きててくれて、本当によかった。ずっと…そばにいてくれてありがとう。




と。



もし、あのときメアリーを捨てていたら…私はこの人形と同じ傷をおって…おそらく死んでいたんだ。


ホコリをかぶせたまま、放置していたのに、助けてくれたのか…





今汚れたメアリーは、部屋の隅にちょこんと座っている。


たまに…たまにそちらのほうから目線を感じるのは気のせいかもしれない。

けどそれは、見守ってくれているんだろうと、思っている。

最後がハッピーエンドになる、そんなホラーが好きなせいか、ほわんとした終わりになりました。


あなたの家にも、あなたを見守る「メアリー」がいるかもしれませんね。

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