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主人公とヒロインの違いが判らない。


きっと誰一人として待ってはくれていない小説の更新です。


はァ~自分で言ってて寂しいわw

まぁこの小説は暇つぶしだと思ってください!

原作のついでの投稿です。


あ、でも原作のほうもほとんど変わりません。

同じく読まれてはおりません。

それが何とも寂しいです。


by作者兼来年受験生




コン

今度は後頭部にに丸まった紙切れが当たる。


「いてっ」


またまた後頭部だ。



咄嗟に顔を上げて見渡す教室はいつもの変わらずに平然としている。


しかし右隣の女子だけはこちらに何度も頭を下げて誤っていた。


きっとこの丸まった紙は彼女が投げたもののようだ。



振り返る後ろの席の女子は顔をワイシャツに埋めて寝ているようだがさっきまでシャーペンの音がしていたので起きていたのは確かなこと。



広げた紙は女子の字で何か待ち合わせ場所の様なものが手書きで書かれている。


右隣の彼女がこんな大それたことをしないのはよくわかっていた。



これから推理するに・・・


誰かから回ってきたこの手紙は右隣の彼女を仲介して誰かに渡るはずだったのだろうが途中で俺にあたってしまい、受取人は噂から俺を危険人物と判断して手紙を放棄した。


きっと受取人は後ろの嘘寝の少女へだろうか。


俺はそのまま寝たふりを必死にする少女の机の端へと教卓をうろうろする教師にばれない様にそっと置いた。



嫌われ者も大変だ。



そんな推理遊びも終わり授業は終盤。


未だに転校生の山田はくる気配すらない。



これは俺が悪いのだろうか?

まぁ結果的に泣かしたの俺だが・・・


あれは本当に泣いていたのか?


一目で見るにあいつはもっと強い奴な気がする。



というか今ここでアイツのことを考えても意味のない事。



ため息と共に目線を下げるとそこにはシャーペンに挟まる小さな紙切れが一枚。

飛ばされそうになりながらあった。


さっきの紙とは関係のないもののようだ。



それを俺は親指と人差し指で小さくつまみ、微かいかかる石灰の粉を振り落す。


手紙は二枚折りの3㎝四方の正方形。



広げたそこには



『神田君って何か見えてる?』



細い字で白い紙切れにはそう書いてあった。


一瞬で教室の音が遠くなる。




今日は何かのイベントの日だったか?



さっきの山田という転校生といい。まさか、俺の力にだれか・・・気づいたのか?



辺りを見渡す。


いったい誰だ?


クラスのみんなは相変わらずサボっているか勉強しているかだ。


何処にも俺のことを気にしている奴はいない。



『神田君って何か見えてる?』




一体、今日はなんなんだ?



ヒグラシが微かに鳴く三時過ぎの夏の終わりの出来事だ。



「席座れ―!!」



ふと気が付くと教卓にはさっきまでの英語教師ではなく担任のマカベが黒い出席簿を片手に辺りを動く生徒に声を張り上げていた。



見上げる時計の長針は数字の4を差し、二年の今日の授業は終わりを告げる。



俺は頭を掻いた。


見る自分の右手には白い紙。


現実は変わることを知らないようだ。



「え~。あれ?転校生の・・・名前なんつったっけ?」


「山田君ですよー先生!」


クラスがドッと笑う。


「えーっと。山田はなんでいないんだ?まぁいっか。そういえば今日の魚座は御年の最下位だ。特に頭に気をつけろよー」


「嘘くせぇーホントかよ」


そんなマカベの雑談が右から左へとクラスを流れる。



当ってんじゃん。



俺はまだたんこぶになっている後頭部を撫でる。


微かな痛みと共にいつだったかの記憶が脳裏をかすめた。



断片的だが確かあれは遠い子供の頃の記憶。


その時の俺も頭の後ろに小さなたんこぶを作っていた。



何処かへと向かう帰り道。道路がまだ補正されておらず小石だらけの小道の小さな赤いベンチに一人、小さな男の子が座っていた。


きっとそれは俺だったのだろう。


そんな俺に綺麗な女性が俺の頭を撫でてくれたことを微かに覚えている。



『大丈夫よ。ここで待っていればきっとバスが来てくれますからね』

そう女性は言って俺に小さな飴玉をくれた。


そのまま女性は長い髪を風に遊ばせながら小道の先へと消えて行った。



あれ・・・?

なんか違うかな?



なんかもっとその頃の俺は違うことに魅了されていた気がしたのに思い出せない。


当たり前か。きっとその記憶は俺がまだ施設にいたころの物なんだから。



「んじゃ、テストの結果次第だなぁ~。一組超えんぞ!」


まだ担任が子供のようにはしゃいでいる。




今はそんな昔の事より現実だ。

さっきの手紙がやはり気になる。


あれは転校生と関係はある物なのか?


まぁ違っても転校生のことはまた明日にどうにかすればいいんだ。


この流れからはアイツが今日この学校に現れることはきっとないだろ。



終礼は後30分でこうなおに鳴り響くだろう。


そしてら何が起こるか分かったものじゃない。


もしかしたらこの手紙の主が何かのアクションを起こすかもしれない。

こんな人が多いところで何かあってしまっては困るのだ。



「おい。神田どーしたんだ?」


マカベが小さく言ってクラスのほとんどが後ろを振り返る。



そんな目線も無視して俺は何も入ってはいない白のバックを机の横から取って肩へと掛ける。


完全におかしい奴だと思われるだろうが仕方ない。Emergencyだ。


足音を立てながら教室を飛び出して廊下へと出る。


静かだ。

一年と三年はまだ授業。当たり前か。


体育の授業か微かに笛の音がグランドから鳴り響く。



「おい。神田」


一人歩く廊下で声が後ろからかかる。


それは担任のマカベのものだろうか



「理由はわからんが、バレずに帰れよ」



怒られるのかと一瞬思っていたがそんな子供みたいな背中を押す一言だった。


コイツが生徒から好かれる理由だ。

教頭に怒られるマカベは見たことはあるが生徒から陰口を叩かれるとこを見たことがない。



俺は後ろを振り向くことをしないで前だけ向いて片手を廊下に振った。





昇降口。


かかとを踏んだ上履きを自分のロッカーへと押し込み代わりにすり減る運動靴をアスファルトに投げる。


舞い散る砂埃に少しむせる。



俺は靴のかかとに足を収めてつま先から校舎を出る。


まだ天高く上る太陽がさんさんと降りつけて思わず片手で視界を覆った。



そんな片手にはさっきの紙切れ。

くどいくらいに視界のなかへと入ってくるから憎たらしい。



いっそ俺が拾う前にどこか遠くへと風に乗って飛んでいって切れたらこんなに悩まなくて済んだというのに



まぁ今回はまだバレた訳ではないからマシと考えようか。



外はまだ暑さの名残があり、グランドでは体育着の生徒たちが額に汗を流しながら走っている。


校舎の裏にある裏森からはヒグラシが鳴き、いつもの校舎が少し大きく見えた。



今年の夏は色々と・・・いや、夏休みが明けてからの方が色々と起こっているか。



もう夏も終わりか・・・


ふと思って心の中でつぶやいたその声と時を同じくして


「もう夏も終わりですね」


不意に後ろから声がした。




多分、それは俺に向けられたものではなかったのだろう。


いや、この世界の誰にも向けられてはいなかった。


何にも届かず誰にも聞こえなかったのだろう。



彼女もそれを知っていた。


聞こえるはずがないと。




だけど、その頃の俺は自分への言葉だと聞こえてしまった。




「そうだな。もう夏も終わりだ」


振り返るとそこには女子生徒がいた。


長くて黒い髪を背中に余るほどに垂れ流し、前髪は左右に均等に二等分されそこからのぞく表情はあまりにも無邪気に見えた。


しかし彼女は笑うこともせずに寂しそうに悲しそうにグランドを見つめていた。


そんなにも夏が惜しい物なのか。


そんな疑問が,一秒浮かんで消えた。



「え?」


彼女は口と目を丸くしてこちらを見つめている。


それはあまりにも不思議そうで動揺している。

だけどそこからは先ほど見せた悲しさは感じられない。




しまった・・・


どうやら俺はこの人のひとりごとに答えてしまったようだ。



死にたい。

恥ずかしすぎだろ俺。



「し、失礼!」


咄嗟に顔を隠してまた校舎側へと急いで目を向ける。



逃げ出したい!


何とも俺は哀れなことをしてしまったのだろうか。


見上げた青空はそんな俺を嘲笑うかのように高く澄んでいる。




「・・・・っぷ」



笑い声。


一瞬、空からの声かと思えたが後ろの彼女のものだった。


自分の顔表が熱くなっているのがすぐにわかる。


きっと今の俺は天狗のように赤くなっているだろう。



これじゃあ、山田のことを悪く言えないな。




「ありがとうございます。」


お礼。

全国共通にこの『ありがとう』とは感謝に使われるのもではな方だろうか?


「俺なんかしたっけ?」


振り返り疑問形で黒髪の少女に告げたら、彼女は笑って



「私の声。聞いてくれました」


なんとも理解しがたい答えを返してきたのだった。



「・・・あ。そんなことか」



彼女から目線をそらしてグランドへと目を向ける。


「体育?見学なの?」


「はい!」


満面の笑みと元気のよい返事が返ってくる。



そんな嬉しくなる質問をした覚えはないのだけれどなぁ



「そっか。俺は早退だ」


曇り顔


今までの笑みが突如、心の底から心配したような表情へと変わった。



この人は俺が今まで話した人間の中で一番、考えていることが表情に出やすいことを俺は知ったのだ。


「大丈夫なのですか・・・?病院?」


「単なるばっくれさ」


俺は笑って答えてやるとつられてその子も笑顔へと変わる。


「ならよかったです。」



彼女は本当に心配してくれたのか・・・


ちょっとこの人が知りたくなった。



けど、今はそれよりすることがある。


「じゃ、俺行くとこあるから。」


そういて彼女に手を振ろうとしたとき


彼女は突然、頭を大きく下げた。



辺りではヒグラシと足音とチャイムが校舎に鳴り響く。



「あの・・・」


すると彼女は自分を指先し


「突然だげど・・・お友達になってください!」



彼女は再び深く頭を下げる。



それは突然のことで俺も頭が回らない。


会ってしゃべって友達・・・



「いいよ。俺は神田政治。二の三だよろしく・・・・えーっと」


彼女はまた笑って


「菜々美、菜々美です!ありがとう神田君!」


一瞬、彼女が涙を流したかと思えるほどに笑っていた。



なんでそこで笑えるのか俺には全くわからない。


まるで幸せの絶好機にでもいるかのように。


そしてその笑顔は俺の中の黒い物をすべて消してくれるような笑顔だった。


昨日の血も

今日の杭も

さっきの紙切れも


夏の終わりも


何もかも。



だけど。

まだ俺は彼女の笑顔の訳を知らない。





これが彼女、菜々美との出会い。


転校生、山田との出会い。


この後も続く出会いの始まり。



夏の終わりと共に俺の白黒世界に三色の交響曲が流れ始める。





はぁ・・・


将来なんて考えたくないわw



一応、次章は編集が終わり次第に投稿です。

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