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転生!!

「………どこじゃここ?」


齢100歳を超えるであろうおじいちゃん、時元元時は目が覚めるといきなり周り全体が真っ白な空間にいた。手足どころか身体中の感覚が存在しない。身体そのものがなくなっている。周りを見渡しても特に何もなく誰かがいる気配すら無い。


(確かワシ…ワシ…何してたっけ?)


認知症でも患っているのか直前までベッドで寝ていたことを完全に忘れるゲンジ。そうやって困惑していると、ゲンジの目の前に突然、神々しい男が光の中から現れた。


「お疲れさまです。元時様。貴方様はしっかりと天寿を全うできました。」


「うわぁ!(ぐきっ!)うっ!!」


説明どころか挨拶もせず、すぐさまゲンジに語りかける男。ゲンジは驚き、驚いた衝撃で腰を痛めてそのまま倒れてしまう。


「こ…腰が…」


「………元時様?多分痛みはないですよ?」


ゲンジは存在しないはずの腰を抑え込みながら悶えていた。男は説明するが耳が遠いのかゲンジは全然聞き入れない。


「や…やばい…死ぬ…死んでまう…」


「いや死んだんですよ貴方。だからここにいるんです。」


「あー!痛てててて!!!」


「………」


「あーまずいぞこれは…最近腰の調子悪いなとは思っとったんじゃがこれほどとは……というかお主、さっきなんかゆっとったか?というかお主何者じゃ?」


腰の痛みが相当ひどく、耳が遠いのも相まって男の衝撃的な発言を当たり前のようにスルーしてしまうゲンジ。男は気を取り直し、ゲンジに対して説明を行う。


「…えーっとですね、私は神の側近である天使です。そして貴方はさっき老衰にて死にました。」


「え!?ワシ、死んじまったんか!!」


「はい、だから今は此処。あの世と現世の中間地点である此処に、貴方はいるんです。」


「ちゅ、中間地点?」


「はい。今の貴方に肉体はなく、魂だけがこの中間地点に滞在しているという状態なんです。」


「え?じゃあなんでワシ腰痛めてるんじゃ?」


「多分思い込みです。元の体の特徴が魂にまで影響しているのでしょう。」


天使は淡々と現在のゲンジの状況を説明する。元時は自身の特徴が腰の痛みだけなのかと若干ショックを受けるがそんな様子気にすることもなく男は説明を再開する。


「貴方は今から、元いた世界とは違う別の世界に転生してもらいます。」


「て、転生!?転生って、近頃の若い奴らが言ってたあれか!?」


「多分それです。」


転生とは言ったもののゲンジは転生がなんなのかよく理解できていなかった。若者達が良く言ってたことだけは知ってるがチート?やハーレム?などよくわからないことばかり言っていたのでゲンジは転生に対してふわふわとした印象しか持てていないのである。ゲンジは弱音を吐き出す。


「て、転生か…ワシよくわからんのじゃが…うまくいくんかのぉ…」


「上手くいくいかない以前に、これは絶対やらなきゃいけないことなんですよ。」


「な、何でじゃ?」


「……こちら側のミスです。」


「え?」


「実は貴方、生まれる世界を間違えたんですよ。」


「え??」


「元々はこれから転生する世界に生まれる予定だったのに、神様がやらかして全然違う世界に生まれさせちゃったんですよ。」


「???」


いきなり訳の分からないことを言い出す天使。元時は全く状況が飲み込めず困惑の感情がモロに顔面に現れる。


「まぁ結論話すと、元々生まれる予定だった世界で生きて死なないと、あの世にはいけないんですよ。だから一旦転生してもらって、そこで生きてって欲しいんですよね。」


「な、なるほど…ようわからんのじゃが…とりあえず転生後の世界で生きてけばいいんじゃの。」


「最悪、自ら命を絶っても構いません。とりあえず1秒でもあの世界で生きてけばいい話なので…あんな世界ですし…」


天使は何か言いたげな表情を浮かべたがそこの説明は詳しくできないらしく、それ以降は世界についての説明はしなかった。


「というかさっきから神だのなんだのゆっとるが、肝心の神は何処なんじゃ?」


「今めちゃんこ絞められてます。多分後十年くらいは絞められるでしょうね。」


「えぇ…」


どうやら神の世界も生やさしいものではなく、一つのやらかしで十年は絞められるとのこと。元時は顔をひしゃげ、若干ながらも神に対して同情した。


「まぁとりあえずはそんな所です。それでは早速転生を始めていきます。」


天使は話を切り上げ、手を下に突き出し謎の魔法陣を作り上げる。


「その魔法陣から出ないでくださいね。しばらくしたら貴方は何処かの家庭の赤子として転生します。転生前の記憶はしっかりと引き継がせますので、生まれてすぐに自害しても構いませんし、そのまま生き続けても構いません。…生きてけるかは、分かりませんけど…」


天使はまたもや不安な表情を浮かべ、意味深なことを言い出した。


「…なあ、これから転生する世界はどういう世界何じゃ?さっきから何か言いたげな表情ばかり浮かべとるが…」


「申し訳ありませんがそれは言えません。そういうルールですので……」


元時は気になって質問するが、答えられないらしい。

天使は元時に向き合って、激励の言葉をかける。


「…もし生きていくという決断をしたのなら、気をつけてください。あの世界は本当に危険ですから…」


天使がそう言い終わると魔法陣が強く光出し、元時は気を失った………












「生まれましたよ!トキさん!」


「はぁ、はぁ、はぁ…よかった…」


目が覚めると元時は赤子になっていた。どうやら転生に成功したらしい。オギャア!オギャア!と、産声しか上げることが出来ず動くこともできない。此処まできたら、あの天使の言葉が全て真実であったという事を理解できる。

だからこその違和感があった。

天使の最後の言葉…あれは何だったのだろうか。

そう考えていると、母親と思われる女性が自身に名前をつける。


「貴方は、ゲンジ。トキ・ゲンジ。よろしくね。」


偶然か運命か、転生前の名前と全く同じ名前を元時は与えられた。




続く……












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