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302.呼び出し

「さぁ〜て。入学式での挨拶についてはにしもらおう――」

「羽衣。入学式でも言ったけど、生徒会の庶務になってもらうから」

「へ〜い。喧嘩、売るんじゃなかったぁ〜〜」

「おいコラ。白村兄妹、話を聞け!」


 向かいに座っている守谷先生と羽衣の担任の涼森先生が立っていた。


「涼森先生。中等部の先生じゃなかったんですか?」

「高校の教員免許も持っているの。人事の関係で高等部に異動になった」

「そうなんですね。妹の事よろしくお願いします」

「おい、話をき――」

「涼森先生と知り合いなん?」

「中等部3年の時の担任の先生」

「へぇ〜〜」

「いいから、話を聞け。白村兄妹!涼森先生も話に乗らなくていいです!」


 守谷先生を無視して、羽衣や涼森先生とお話をしていたが、我慢ならなかったようだ。


「もう、帰ってもいいですか?」

「いい訳無いだろ」

「ちぇ〜〜」

「話が進まねぇ〜〜」


 守谷先生は頭を抱えだしたので、そろそろ、大人しくなった方がいいだろう。


「お前らの代表挨拶何だが……あれは……何だ?」

「「代表挨拶です」」

「息ぴったりだな。おい。そうじゃねぇよ!」

「守谷先生。2人の返しは正しいですよ。しっかりと詳細的に質問しないと、頭のいい2人ですから交わされますよ」


 守谷先生に注意をする涼森先生は、何故だか嬉しそうだ。


「代表挨拶でなぜふざけた?」

「ふざけてはいけないという決まりはありませんよね?それに、常識的な範囲だと思いますけど?」

「あ、あのなぁ。伝統という物があってな。1回崩すと――」

「伝統と言いますが、兵庫には藤宮があります。所詮は2番手ですようちは?」

「だけどな、守らないといけないものは――」

「そうですか?」


 僕は、生徒会長として人気の4分の3近く働いてきた。


 その中で、色々と知ってきた情報もある。


「そうですかとは?」

「うちの伝統は、ほとんどは藤宮のパクリでしょ?」

「……何が言いたい?」

「パクった伝統がうちの伝統ならうちの伝統はパクる事ですよ?」


 この学校は、藤宮が設立されてから3年遅れで設立された。


 当時、勢いのあった藤宮の授業カリキュラムをもとに学校運営を開始していたそうだ。


 それが、色々と飛躍して学校行事や校則までも真似るようになったのだ。


「今年度から廃止される後夜祭だって藤宮の文化祭のパクリですし廃止の動きを見せたのだって藤宮が廃止したからでしょ?まぁ、動いたのは僕たちですけど」


 かく言う、僕も藤宮生徒会の柏木会長に倣っていらない風習などは、どんどん、撤廃していくつもりだ。


「……まぁ、おふざけが過ぎました。すみません」


 色々と御託を並べたが、入学式でおふざけをした事には変わりがないので謝罪しておく。


「んなぁ、急に謝るなよ」

「私から喧嘩を売りました。すみません」

「白村妹まで……」


 守谷先生は、あたふたした。


「まだ、怒りますか?」

「……もういい」


 怒るに怒れなくなったのか、守谷先生の方から話を打ち切った。


「白村くん元気になったね」

「「どっち??」」

「倖白くんだよ!」


 涼森先生からの問い掛けに、羽衣と遊んだ。


「涼森先生からの引継ぎで、白村詩季の事を注視していたんだけどね。3学期になる頃には、全校生徒を相手に喧嘩を売るぐらいには……この1年で豹変したな」

「……まぁ、周りの人に恵まれましたね」

「なにはともあれ、白村詩季くんが楽しそうで良かったよ」


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