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294.可能性の高い前提

「何のお話なんだろ?」

「何だろうな」


 6人でのお出掛けを終えて、陽葵と陽翔くんと一緒に、西原家に向かう。


 2人は、桜さんからお話があると言うことだけを聞かされているので、内容が気になるようだ。


「2人とも。今からあるお話を聞いてね。絶対に殺意と言う感情を抱かないでね」

「……ど、どういう事?」


 話の内容を知っている僕が、予め、忠告はする。


 桜さんからもされるだろうが。


「殺人犯の娘だからって同じように扱ってはダメって事に繋がるかな」

「……だ、だから、何?」

「あんまり、外では話せないかな。陽菜ちゃんも政伸さんと一緒に出掛けて貰っている位だから」


 とりあえずの覚悟は、持ってもらう、


 丁度いいタイミングで西原家のあるマンションに到着したので、部屋まで移動する。


「ようこそ、詩季くん。ごめんね、急に来てもらって」

「いえいえ」


 桜さんに出迎えてもらった。


 陽菜ちゃんは、既に、政伸さんと出かけているらしい。


「陽翔、陽葵、並んで座りな」

「う、うん」


 桜さんに言われた通りに、2人は、並んで座った。


 僕は、2人の向かい側に座り飲み物を持ってきた桜さんが、僕の隣に座った。


「さてと、今から話すお話は、あくまで可能性の話。ただ、限りなく100に近い可能性の話」

「うん」


 桜さんの雰囲気によって、陽翔くんと陽葵は緊張感を持っている。


「僕から話すけど、僕と陽菜ちゃんを轢き逃げした犯人は、高梨琴葉さんの父親である可能性が高くなった。これは、絶対に口外しないで」


 僕の方から今回の事に関して話した。


「殺意を持たないでって意味はそういう事なの?」

「うん。高梨さんは、ある種の被害者だよ。自分の父親が轢き逃げをした挙句に、証拠隠滅を測っているんだから。彼女を責めるのはお門違いだと思う」


 陽葵の問い掛けに、僕はこう答えた。


 極端な例だが、殺人犯の妻・子どもが風評被害的な事を浴びることもある。


「2人にとって、大事な妹を轢き逃げしようとした犯人を許せない気持もわかる。だけど、その気持ちを娘である琴葉さんにぶつけるのは違うと思う」

「「うん」」


 陽葵と陽翔くんは頷いてくれた。


「詩季は、怒ってないの?」


 陽葵から質問が来た。


 僕も轢き逃げの被害者とも言えるからだ。


「今回の事件……ある時を境にして、僕なりに目星を付けてたの。だけど、それが確信に近くなったのは、琴葉さんが証拠を持って僕のところに来てくれたからです」

「詩季としては、それでいいの?」

「……自分の身内を訴えるのってかなりの覚悟がいりますよ」


 これまで家族として生活していた相手を告発したようなものだ。


 仲が悪い家族内なら家族を告発する行為は有り得るだろう。


 現在の高梨家は荒れているが、元々は、一緒に外食を食べに行ったりしている程に仲のいい家族だった。


「……これは幼馴染の特権だとは思いますが……高梨家は僕の一家のように家庭崩壊している一家ではありません。西原家のように仲のいい家庭でした。今は、荒れていますけど」


 家族と仲がいい2人。


 琴葉さんがどれほど勇気のいる行動をしたのかを説明するには、同じ環境下に居るだろう。


「琴葉さんが、僕の所に証拠を持って来てくれた時……学校帰りに着替えずに徹夜で証拠探ししてくれていたんだと思うんですけど……ぼろぼろの制服姿で」

「うん」

「2人とも。桜さんが犯罪をしているかもしれないと察したときに動けますか?現実逃避をしたくなりませんか?」


 陽葵と陽翔くんは、考えている。


「……琴葉さんは相当考えたんだと思います。僕が事故に遭うきっかけの作ってしまった事への罪悪感を感じてしまったんだと思います」

「……詩季的には、それでチャラっていう方針なんだな」


 陽翔くんが尋ねてきた。


「犯罪者の家族が風評被害に遭うのは違うでしょう。それに、琴葉さんは行動を起こしてくれました。これ以上、彼女に罪悪感を抱かせると……彼女自身が壊れると思います」


 僕としては、これ以上琴葉さんに対してこれ以上に責任を負わせたくない。


 僕のせいで人が死ぬのは嫌だからだ。


「だから、琴葉さんに対して、ひき逃げに関して責め立てないでほしい。これ以上は、琴葉さんの心が壊れます」


 陽葵と陽翔くんは、頷いた。


「まぁ、まだ警察が逮捕に動いていません。ただの可能性の話であるのは大前提です」


 色々と確定的な方向に話が進んでいたが、まだ、可能性の高い過程の話だ。


 釘を刺すべき所は刺しておかないいけない。


「それで、詩季は高梨さんとはどう関わっていくつもりなの?」

「ただの友人。幼少期から関わりのある幼馴染の友人。それ以上もそれ以下もない感じ」

「そっか」


 陽葵は、何処か納得したようだ。


「陽翔くんは?」

「被害者の1人の意思がそれなら従うだけ」


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