表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
225/326

225.情報提供

「お久しぶりです。井原さん。水本さん」


 僕の事故の担当の刑事さんがお家にやって来た、手土産にケーキを持参してくれている。


「そ、それで、詩季くんは、何故、リモートなのかな?」


 僕は、刑事さんが来たと同時に、リビングの隣にある寝室に移動してリモートで話し合いに参加した。


「すみません。私が、インフルエンザにかかっていますので、感染予防の観点で別室参加とさせて頂きたいと思います。この家内には居ますので」


 理由を聞いた、2人の刑事さんは納得してくれた。


 本当なら、刑事さんが来る前の話し合い……ドライブもせずにリモートの方が良かったのかもしれない。

 いや、ドライブに関しては、あの時点で葉月さんの耳に入れるべきでは無かったな。それに、交戦モードになっていた母さんと羽衣からも離さないといけなかった。


 ただ、公的な捜査機関の人をダウンさせる訳にはいかないので、別室という形を取った。


「刑事さん。刑事さん向かって右側に座っていますのが、僕の母のしずかです」

「どうも、詩季くんの事件を担当しています、井原と水本と申します」


 2人は母さんに向けて名前を名乗った後に深く頭を下げた。


「この度は、息子様の事故に関しての捜査の長期化に関して大変申し訳なく思います」


 2人は律儀だと思う。


 こんなにも深々と頭を下げてくれる。


 雨のせいで証拠が少ない中で、冤罪を防ぐために慎重な捜査をしなきゃいけない事情もあるだろに。


「そして、刑事さん向かって左側が、今回新たな証言を持ってきてくれた、高梨琴葉さんとその母の葉月です」

「どうも、井原と水本と申します」


 刑事さんは、2人にも頭を下げた。


「では、琴葉さん証言をお願いします」


 琴葉は、刑事さんに自分が掴んだ情報を話し出した。


 琴葉が話す情報に、刑事さんは目の色を変えて行った。

 それほど、高梨さんが話す証拠が行き詰まっていた捜査において有力な手掛かりなのだろう。


「ありがとうございます。この証拠を捜査の役立たせて頂きます」


 刑事さんも、自分の親族に関する事の告発に近い事もあり慎重に対処する姿勢を見せる。


 琴葉が持ってくるのを躊躇った倉庫の鍵に関しても、公的な捜査機関なので礼状を取るなり捜査協力を仰ぐなり出来るだろう。


「井原さん。水本さん。今回、琴葉は自分の親族に関しての申告をしています。可能でしたら緊急時の彼女の身の安全お願いしたいと思います」

「もちろんだ」


 井原さんは力強い言葉で、琴葉の身の安全を警察として最大限の努力をする事を言ってくれた。


 一応の対策として家に有るコピー機で、証拠書類に関してのコピーを葉月さんが、家に戻す事にした。


 もし、誠さんが書類がコピーだと発覚した瞬間に、琴葉を逃がす算段を相談した。


 今は、殆ど会社に缶詰状態だが、稀に帰ることがあるようだ。


 そして、刑事さんは葉月さんとも連絡先を交換していた。怪しまれないように、女性の水本さんが連絡先を交換して万が一の際のやり取りを行うそうだ。


「それでは、捜査協力ありがとうございます」


 2人は、家から後にして行った。


 僕は、警察署に戻るであろう2人を寝室からひょこっと顔を出して手を振ってお見送りした。


 刑事さんが帰った後に、リビングに、皆が集まって再度の話し合いをする。


「それで、琴葉はどうする?このまま、家に戻る?」

「そうしようかなって思う。私も詩季に悪い事したし……これ以上は、迷惑は掛けられないよ」


 もしもの場合は、会社の事情を加味して少々の嘘を交えて、家で生活してもらう算段を考えていたが、琴葉は琴葉で考えている事があるようだ。


「琴葉、今回は助かりました」


 僕は、頭を下げた。


 琴葉は、僕に対する罪悪感を持っている。そして、今回の事で、その罪悪感を強くしたはずだ。

 だからこそ、僕が頭を下げる事で、琴葉の罪悪感が和らげばと思う。


「ううん。私がした事に比べたら大したことは無いよ」


 琴葉は謙遜しているようだが、表情自体は明るくなっている。


 抱えてる罪悪感が、少しは軽くなったのだろう。


「葉月さん」


 僕は、靴を履いて琴葉と帰ろうとする葉月さんを呼んだ


「何?」

「琴葉さんは、表情に現れませんが、大分、精神的に参っている可能性が高いです。少しの事で崩壊しかねません。しっかりと見てあげてください」

「わかった」


 2人は、自分達の家に帰って行った。


 僕は見送ってリビングに戻ると、疲れがどっと来て椅子に座り込んだ。


 アドレナリンでも出ていたのだろう。


 1つの区切りで、身体が重くなる。大分、インフルエンザで身体が弱っている事を実感させられる。


「無理するからよ。病人なんだから」

「あはは、謎の真相に近づけると解ったら身体が動いてしまいして」

「さ、お家に帰るよ」


 春樹さんが車を用意してくれたので、乗り込んで家に帰る。


 高梨さんの行いは、相当な覚悟も持っている事は痛いほど解る。

 通常の物語とかなら和解してそこからの恋愛ストーリーの展開になる事もあるだろうが、 僕には陽葵が居る。


 陽葵以上の女の子には出会いない。


 陽葵を大事にしたいと思う。


 まぁ、退院後、最初に会った女の子が元カノなのは、しっかりと謝っておこう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ